アニメ『陰の実力者になりたくて!』シド/シャドウ役・山下誠一郎さん×アルファ役・瀬戸麻沙美さんインタビュー|お二人が作品を振り返り印象に残ったシーンは……? 山下さんのお気に入りの七陰第一位も明らかに!?【連載08】
逢沢大介さん原作の人気ライトノベル『陰の実力者になりたくて』のアニメが、2022年10月より好評放送中!
第19話までの放送が終わり、残すは最終回のみ。ついにその正体を明らかにしたジミナ・セーネン=シャドウ。アイリスとベアトリクスの前に立ちはだかり、激しく剣を交わすが――。どんな最終回になるのか気になるところです。
アニメイトタイムズでは、アニメ『陰の実力者になりたくて!』にまつわるキャストやスタッフなどへのインタビュー連載をお届けしてきましたが、それも今回で最終回。最終第8回に登場いただくのは、第1回以来となるシド・カゲノー/シャドウ役・山下誠一郎さんと、アルファ役・瀬戸麻沙美さんです。
放送されたばかりの第19話とここまでの物語の振り返りや印象的なシーン、七陰の中で山下さんが一番好きなキャラ、そして、最終回の見どころを語っていただきました。
アイリスの真の想いが見えた第19話
――先日放送された第19話を振り返った感想と印象深かったシーンをお聞かせください。
シド・カゲノー/シャドウ役・山下誠一郎さん(以下、山下):いよいよクライマックス直前ということで盛り上がりもまさに最高潮です。ブシン祭があったこともあり、アクションもよりド派手になって楽しんでいただけているかなと思います。
後半はローズの葛藤が物語の主軸になっていて、どんどん強いキャラクターが登場するインフレ状態もあり、王道(展開)だなと思いました(笑)。
アレクシアの成長や、今まさに戦っているアイリスの物語も含めて、いろいろな想いが交錯し、絡まり合ってから収束していく段階まで来ました。「どう締めくくるんだろう?」と心配されている方も多いと思いますが、次回の最終話を楽しみにしていてください。
アルファ役・瀬戸麻沙美さん(以下、瀬戸):これまでアイリスはアレクシアの「姉」としての立ち位置でしたが、第19話ではアイリスの目線で描かれていましたね。第一王女としての振舞の裏にはこんな葛藤があったんだなと思いましたし、今まで見たことがない感情的で、狂気さえ感じられる表情も見えました。
ブシン祭ということで、アクションも今まで以上に迫力がありましたし、バトル自体もたっぷり描かれていて「ラスト直前の盛り上がりを見せていたので、最終回いったいどうなるの!?」と思わせてくれた展開でした。
山下さんにとって印象深かったのは、シェリーとの別れのシーンと、シドの方向性が見えた「アイ・アム・アトミック」のセリフ
――第19話までのお話の中で印象深かったエピソードを挙げてください。
山下:シドたちの学校にテロリストが襲来したエピソードを解決した後、ちょっぴりビターな終わり方をしていて。シャドウの手によって、シェリーが大切な人を失って、そこから旅立つ時の表情がすごく印象的でした。
旅立ったシェリーはどんな想いだったのだろうかと思いましたし、あの出来事は、絶対不変でブレないシドに対して、感情のゆらぎを少なからず与えた気がします。それまで氷のように冷たい男だったシドが「ネームド・キャラ」と呼んで警戒しているキャラとの触れ合いによって、何かを思うシーンもたびたびあって。特にシェリーとの別れのシーンは印象深かったですし、「(この作品が)群像劇なんだな」とドキっとしたシーンでもありました。
ディアボロス教団の仕掛けた一連の事件をシャドウガーデンのせいにして陥れようと画策された時、シドが「世界中の罪を持ってくるがいい」とあえてその全てを引き受けると言い放ったシーンも好きです。“陰に潜み、陰を狩る”シャドウガーデンの活動の裏では悲しい想いをする人もいるというほろ苦さもあって。シェリー編はドラマとして見応えがあるエピソードだったと思います。
あとは第5話で「アイ・アム・アトミック」の言い方を結構頑張ったことが印象的でした。
瀬戸:私も一緒の収録だったよね?
山下:うん。流暢に言ったり、叫んだりといろいろなパターンを試しましたが、結果的にはささやき系が採用されました。「アイ・アム・アトミック」は原作ファンの中でも肝入りの大切なセリフと言われていたので、すごいプレッシャーでした。
あとでSNSのコメントを見たら「アイ・アムの言い方は完璧」と書かれていたので、「アトミックは納得してもらえたのかな?」と気になったりして(笑)。
「自分が核になればいい」と現世で抱き続けてきた大願を成就させた瞬間でありながら、おもしろさも入れるところで、彼の方向性を決めたセリフだったと思います。
瀬戸さんのお気に入りはシェリーと、デルタ&ゼータのケモ耳コンビ
――瀬戸さんはいかがですか?
瀬戸:ミツゴシ商会のお話が好きです。チョコレートを買いに行ったら裏に回されて、「アンケートです」と。
山下:ニューが出てきて「新入りです」とね。
ガンマも階段でこけたり、七陰はみんなかわいくて。後半になると、アレクシアとベータのいさかいがあり、ベータはナツメ先生として活動していますが、お互いヒールで踏み合ったり(笑)。あとはイプシロンとベータの「盛ってる」「盛ってない」論争とか。七陰それぞれの個性や趣味、趣向が見えてくるエピソードが好きです。アルファはデルタとの一方的な関係値がおもしろいですね。
瀬戸:デルタはアルファに絶対服従だもんね。
山下:七陰内でもいろいろな人間模様が見えるのが楽しいです。
――アルファは正妻感がすごいですよね。
瀬戸:「すべてを知ってますよ」という感じが出ていますよね。
山下:チート感があって、圧倒的だから、視聴者の方も「やっぱりアルファなんだよな」と思っちゃうでしょうね。
瀬戸:そう思ってもらえたら、アルファ冥利に尽きます(笑)。
実は私はシェリーが好きなんです。典型的なドジっ子萌え属性の子なのに、アーティファクトに詳しかったり、理性や知性があるギャップがかわいくて。シドとの別れ方を見ても、今後軸になってくることがわかるキャラなのでお気に入りです。
アニメではここまであまり描かれていませんが、七陰のケモ耳系・デルタとゼータのコンビも好きで、特にデルタが建物を派手に破壊するシーンがおもしろかったです。
山下:アルファにそっくりの古代の三英雄・オリヴィエが登場するエピソードもありましたが、結局ここまでその真相はわからずじまいで。それでもアルファが特別な存在であるという印象は付いたよね。聖域編は異空間ということもあり、印象深かったです。