『映画刀剣乱舞-黎明-』鈴木拡樹×荒牧慶彦×梅津瑞樹インタビュー|「すごく身近に感じられる、どなたでも入りやすい作品」
刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞ONLINE』を原案とした実写映画第2弾『映画刀剣乱舞-黎明-』が3月31日(金)に全国公開されます。
今作では、“2012年の東京に舞い降りた刀剣男士たち”が描かれます。現代が舞台であること、さらに三日月宗近には高校生・琴音、山姥切長義には国家公務員・各務と、それぞれの刀剣男士に2012年の仮の主がつくことが大きな話題となりました。
そんな今作のキャストにインタビューを実施しました。2019年に公開された実写映画第1弾『映画刀剣乱舞-継承-』に引き続き、今作にも出演する三日月宗近役の鈴木拡樹さん、山姥切国広役の荒牧慶彦さん、そして今作からの出演となる山姥切長義役の梅津瑞樹さんの3名からお話を聞きました。3人での共演は初となる今作の撮影ウラ話や、役者としてお互いに尊敬していることなどを伺います。
「2人のいるところに、自分もいられることが嬉しかった」(梅津)
ーーまず鈴木さん、荒牧さんには『刀剣乱舞』実写映画第2弾の制作が決まった時のお気持ちを、梅津さんには今作で山姥切長義の出演が決まった時のお気持ちをそれぞれお聞かせください。
荒牧慶彦(以下、荒牧):率直に「待ってました!」という気持ちでした。前作はあれだけたくさんの方たちに見ていただき、大きな反響もいただいたので、2作目のお話を聞く前からぼんやりと「第2弾はいつやるんだろう」「僕はいつでもいいぞ! スタンバイできているぞ!」と思って待っていました(笑)。
鈴木拡樹(以下、鈴木):まっきー(荒牧)と同じですね。第1弾の制作中に「第2弾やれたらいいね」「第2弾やるなら(刀剣男士たちは)どんなところに行くんだろうね」という会話をしていたんですよ。完成後に集まってご飯を食べに行くくらいの仲で、結束力のあるチームだったので、これだけのチームで映画を作れることはなかなかないと思っていました。僕も期待して待っていましたよ。
梅津瑞樹(以下、梅津):僕はそんな作品に加えていただけたことを本当に光栄だと思いました。舞台で山姥切長義を演じさせていただきましたけど、映画では僕じゃない山姥切長義になる可能性だってあったわけじゃないですか。だから、「僕でいいのかな」みたいな気持ちもありましたね。
鈴木:そこはお客さんも待ち望んでいたと思うし、何より僕たちも同じ気持ちですよ。それに僕は、(梅津と)初めての共演なんですよね。舞台『刀剣乱舞』では三日月宗近がいなかった回に山姥切長義が登場していたから、共演そのものがめちゃくちゃ嬉しかったです。
梅津:こちらこそですよ……! お2人のいるところに、自分もいられることがすごく嬉しかったです。僕はまっきーさんと殺陣をご一緒するのが久方ぶりですし、鈴木さんは映像資料として三日月宗近を見ていたので「これが生の三日月だ……!」と思いました(笑)。
鈴木:ははは(笑)。
2日間の撮影日があって、1日目に殺陣シーンの撮影、2日目に会話シーンの撮影だったんですよ。2日目はセリフがメインだったこともあり、梅津くんの演じる山姥切長義を間近で感じられました。前々から周りの方たちに、「梅津くんは繊細なお芝居をする方」と聞いていたのですが、2日目の撮影でそれを感じられて印象に残っています。
ーー一方、荒牧さんはお2人と共演されていますよね。
荒牧:僕は、今まで山姥切国広を振り回した2人が、山姥切国広に振りまわされているなって(笑)。いつもと違う山姥切国広の立ち位置が新鮮で面白かったです。
梅津:今作の山姥切国広はちょっとヒロインっぽい感じでしたよね(笑)。
荒牧:そう(笑)。囚われの身という感じでした(笑)。
刀剣男士がまさか現代に出陣するとは……
ーー今作は、「2012年に刀剣男士たちが降り立ち、それぞれに仮の主が存在する」というものです。この設定について、どう感じましたか?
荒牧:「現代に出陣することってあるんだ!」というのが率直な感想です。僕自身も「刀剣男士たちが現代に行く」という想像をしていなかったんですよ。だから、ちょっと驚きはしたものの、考えてみると彼らが本来いる時代(2205年)からしたら、2012年も過去ですし、「そりゃ行くこともあるだろうな」って思いました(笑)。
鈴木:ゲームのリリース8年目にしての新しい挑戦で、 “現代”に触れたことは、僕としても「待っていました!」という気持ちでした。妄想はしていたので(笑)、楽しみでしたね。また、この挑戦ができたことは、この8年間で作品そのものがしっかりと設定を作り込んできた部分が非常に大きいのだろうなと感じました。
梅津:たしかに「刀剣男士が現代に来たら」って妄想をすることは僕も多かったですね。「ついにこれをやるのか!」と感じました(笑)。
ーーさまざまな世界線の刀剣男士たちが現代へ集まる今作は、各刀剣男士によって個性がそれぞれ異なっていましたよね。どのように設定を考え、役づくりをされたのでしょうか?
荒牧:設定はあまり深く考えなかったかもしれません。その時々で山姥切国広自身が感じたことを大切にしていました。
鈴木:三日月宗近の場合は、かなり変動があります。今作の本丸の中では出陣に慣れたメンバーの1人だと思いますが、いつもであれば出陣しない時代軸に行ったことによって上手く審神者とのリンクができず、レベル1どころか、たぶんマイナスくらいになってしまいました。そこから仮の主がついてくれたことによって、徐々に力を取り戻しつつあるので、作品の中でもかなりの変動があったのではないかと思います。琴音(演:秋田汐梨)と打ち解けていくに応じて、徐々に上がっていった感じがありました。
梅津:そう考えると、三日月宗近の神通力はレベルとか関係なく使えるということですよね(笑)。
鈴木:たしかに、そういうことになるね(笑)。
梅津:山姥切長義は“時の政府”の刀で、おそらくいろんな仕事をこなしてきて、今回たまたまこういう事件に出向した立場なので、割と手練れというか強めの認識で演じていました。
ーー山姥切長義は“偉い人”という感じがありましたもんね。
梅津:ありました?(笑)
荒牧:ありましたね(笑)。内閣官房の執務室で、スーツの人たちに囲まれていたし(笑)。
鈴木:仮の主(各務、演:飛永翼)との対比がよかったよね(笑)。
梅津:あははは。なぜかいい椅子に座らせてもらったのですが、正直座り心地はよくなかったですもん(笑)。あのシーンでは、「立ってほしい」という指示もあったのですが、座っていてもすぐに立っていました。座っていたくない感じで(笑)。
ーー仮の主たちもいて、刀剣男士もいて、というシーンですが、いかがでしたか?
鈴木:不思議でしたよね。劇中にはそんなシーンはないですけど、きっと刀剣男士たちと仮の主たちの自己紹介コーナーみたいなのがあったんでしょうね(笑)。
梅津:自己紹介コーナーはあったかもしれませんね(笑)。個々のキャラクターの個性が豊かじゃないですか。高校生もいるわ、公務員もいるわ、神職もいるわ、ギャルもいるわで。でも意外と違和感ないというか、妙に調和していたというか、おもしろかったですね。