声優・歌手冥利に尽きる夢のような2日間。作品・キャラクターへの想いを一身に背負い、水樹奈々が紡ぐのはヒーロー達の生き様――WOWOW特集記念「NANA MIZUKI LIVE HEROES 2023」インタビュー

絶妙なサプライズのタイミングに一喜一憂？

――そんなショートムービーを経て、フライングした状態で「FEARLESS HERO」を披露されましたが、感想としてはいかがでしょう？　当日の水樹さんの言葉を借りるなら、“久しぶりのフライング”だったそうですね（笑）。

水樹：やっぱり楽しいし気持ち良かったです!!　そして、改めて水樹は飛ぶことが大好きなんだなと（笑）。今回で言えば、ヒーローは自力で飛ぶというイメージを抱いていたので、ショートムービー後の登場は大型の乗り物ではなくて、フライングの演出にさせていただきました。

――ここからはライブ本編のラストスパート、両作品を主軸にした熱いブロックとなりました。

水樹：最初と最後のブロックは、両日を象徴する楽曲を中心に固めたいと思っていました。特に“-LIGHTNING MODE-”の、15曲目以降のブロック（「GET BACK」〜「ETERNAL BLAZE」）は、よりみなさんの魂に訴えかけるような熱いラッシュを繰り出したかったんです。

そこで、曲のアウトロを今回用の特別仕様としてアレンジしていただき、メドレーではないですが間髪入れずに次の曲に移りグラデーションを作って、みなさんの高揚感や作品への想いを爆発させられるような構成を目指しました。ここはリハーサルで何度も調整しながら作っていったゾーンです。

――“-BLADE MODE-”は、最初のブロックですら飛ばしていたのに、2日目のラストでさらにギアを上げられるのは、流石の一言に尽きます……！

水樹：ここまで来たらあとは楽しむだけ！という無我夢中の状態になっていました（笑）。やっぱり本番はとてつもないパワーが湧いてくるんですよ！　だからライブ終盤でも疲れることは全くなく「え、もう終わりなの？」「まだまだいけるのに！」「もっと歌いたい！」と考えながら歌っていました。

元気玉……じゃないですけど（笑）、会場のみんながいつも私にとてつもないパワーを分けてくれるんです。それを受け取った私が超必殺技を繰り出すような感覚、ちょっとした無敵モードになるくらい本当に楽しくて！　ただ、ハイになった結果、最後の「ありがとうございました！」と伝える大切な場面で噛んでしまいました（笑）。それくらい限界突破している状態でした！

――負けじと盛り上がっていた会場のみなさんの姿も印象的で。

水樹：はい！　ただ曲の熱量が高いだけでなく、今回ならではの仕掛けを随所に散りばめていたので、きっとみんな頭はフル回転だし、身体も大変だし、すごい鬼現場だったと思います（笑）。参戦してくださったみなさん、ついてきてくださって本当にありがとうございました！

――また、初日のアンコールのMCでは、サプライズで誕生日のお祝いや記念撮影が行われました。いつもならライブの中盤くらいに差し込まれているので、本当に驚いたのではないかなと思うのですが……？

水樹：本当に知らなかったのでビックリしました！　これまでバースデー当日のライブは、本編のMC中に「ハッピーバースデー」が流れたり、誰かがケーキを持って登場ということが多かったので、「やっぱり大人になると、そういうのはないんだな……」って（笑）。

――密かに期待しつつも落ち込んでいたと（笑）。

水樹：やっぱり誕生日だから「お祝いがあったらどんなリアクションをしようかな？」「来るとわかった上でのリアクションってどうなんだろう？」って構えちゃうじゃないですか（笑）。そんなことを頭の片隅で考えていたものの、本編では何もなかったので、ひとりで恥ずかしいと思っていたんです！

そして、まさかのアンコールのMCでサプライズがあったので、本当に意表を突かれて……素になってアワアワしてしまいました（笑）。