不安と希望が入り交じる第3章。みんな生き残ってほしいーー『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』第3章 古賀 葵さん、関根明良さん、大地 葉さん、影山 灯さん、古木のぞみさんインタビュー
アーカム公対ノルマンディー公。プリンセスは、どう動くのか
ーーそして第3章では、そのメアリーが中心のエピソードでした。
古木:第2章があの終わり方だったので、どうやって始まるんだろうと思っていたら、意外と普通で安心しました。このままプリンセスが捕まったりしちゃうのかな?と思っていたので。
影山:アーカム公にね。
大地:一応、ノルマンディー公(CV.土師孝也)とどちらにつくのかを考える猶予をくれるっていう。
古賀:でも、それがまた怖いんですよ! 泳がすのが怖い。
影山:監視されていそうな気がするし。
関根:あの性格が悪そうな感じ、狡猾なところがいいんですよね。
ーー確かに、あの終わり方から1年以上が経ちましたからね。
大地:視聴者の皆さんもハラハラしていたと思いますけど、我々もそんなに変わらないんですよ。毎回、次がどうなるのかを知らないまま収録が始まるのを待っているので。
古賀:ソワソワソワソワしてた(笑)。
大地:ホントホント!
古賀:守るって言ってたのに、アンジェ役としては気が気じゃなかったです。
古木:どうしても手が届かない瞬間は出てきちゃうからね。
古賀:とりあえずは良かったけど、第3章は第3章で激動で……。
ーーノルマンディー公VSアーカム公・リチャードみたいな構図になっていましたからね。
古木:2人で狩りをするシーンはヤバかった!
影山:怖かったね~。リチャードの腹黒さがすごく見えた。議会で、リチャードが扇動した人たちがノルマンディー公を下ろそうとしているのに、おじさんはそんなことないですよって庇ったり。お前が! お前が扇動したんやろー!って思いました。
ーー策士っぽい感じがありますよね。
影山:あと、アーカム公がメアリーの部屋に行ったときも怖かったです。
関根:目が笑ってないのが怖かったよね。
古木:顔に出ちゃってるのが怖すぎる。もう隠さないんだねって。
関根:途中、ノルマンディー公のほうが上手なのかなって思うんですけど、最後の最後でアーカム公は笑っているんですよね。まだ何か企んでる!と思って、怖かったなぁ。
ーーあとドロシー的には、メアリーに落とされていましたよね?
大地:そうですね。また「良い子じゃん、肩入れしちゃいそう」とか言っていましたね。ドロシーはすぐに良い子は良い子だと認めちゃって、やることはやるけど、心のどこかで「良い子だなぁ、守ってあげたいな」って気持ちを捨てきれずにいるんですよね。だからドロシーは“人”なんだなって思いました。
古木:1回会っただけなのにね(笑)。
大地:家庭教師がメアリーに厳しすぎて、ドロシーは若干ビビってるんですよね。そういうところも“人”だよな~って。
古賀:よくスパイが務まっているなって思います。
大地:何でできてるんだろう(笑)。
古賀:こんなに色んな人に情が湧いちゃったらしんどいはずなのに。
大地:よく精神が何ともならずにここまでやっているなって思う。
影山:めちゃめちゃ傷つきながらスパイをやっているんだろうね。
大地:自分のお父さんだってあんなことになったのに。
関根:でも、ドロシーは必ずプリンセスの心の内を引き出してくれるなって思っているんです。TVシリーズの第4話の橋の上でもそうだけど、プリンセスは他の人にあまり自分の思いとかは言わないんです。それがTVシリーズを越えて劇場も第3章まで来て、私はこう思っているんですって苦しげに言うのをちゃんと受け止めて「でも、こうでしょ?」って聞いてくれて。だからこそプリンセスが答えられるところはあるのかなって思っています。
ーー冒頭で、壁を取り除きたいという話をするシーンですか?
関根:そうですね。アンジェに言うことは今までもあったけど、チーム白鳩に言うことは少なくて。でも言うときって必ずドロシーに聞かれたときだなっていうのが印象的でした。
大地:TVシリーズ第4話のシーンって、オーディションのときにもあったセリフだったんですよ。だから制作に携わっている皆さんとしてもプリンセスとドロシーの関係性って、最初の頃から大事にしていたのではないかなって感じているんです。あのシーンあたりからですからね、心の距離が近づいて、言ってくれるようになったと感じたのは。それが劇場版にも繋がっているなぁって思いました。
古木:ドロシーは人望が厚いよね。
関根:ベアトもやっぱりドロシーを信頼しているんですよ。第2章でも、2人で見張りをしているシーンで、ドロシーさんを心配しているところがあったし。
ーーその他に印象に残ったシーンはありますか?
影山:和やかなところだと、メアリーをお茶会に招待するところでしょうか。ちせも一緒にいて、絵的にも華やかだったというか。場所も衣装もかわいかったし。みんながメアリーを大事にしている感じはしました。
古木:ちせも「ずっと不安そうにしていたな」って、メアリーちゃんの不安には気づいていたから、もうそれを隠せないんだって思うとツライよね。
影山:ベアトも小さい頃にいじめられて辛かったときに、姫様に助けてもらって居場所を作ってもらったから、メアリーの孤独感のような感覚は共感できるところがあると思うんです。だから姫様と一緒に守ってあげたいと思っているんだろうな。言葉に出すシーンはなかったけど、メアリーを気遣っている感じはあったから、お茶会が開けて良かったです。
ーーただアンジェは、お茶会を開いたところでメアリーの境遇は変わらないと、プリンセスを取り巻く状況を冷静に判断しているような感じがしましたが、どうでしたか?
古賀:メアリーの様子も気になるけど、やっぱりアンジェにとってはプリンセスへの思いが強いんですよね。だからお茶会のあと、プリンセスが思い悩んでいるどっちつかずの状態に、しっかりしなさいよ、これからどうしていくのよ!って言うシーンがあったりしたんです。
でも、そこで焦らせてしまったことによって、この選択で良かったんだろうか?っていう感じのまま進んでいくので、そこがアンジェ的にはしんどいんだろうなぁとは思いましたけど。
関根:結局、女王になるためには上を蹴落としていかなければならないんですけど、それが現実になってくるとまた別なんでしょうね。
やっぱりプリンセスは、メアリーが自分と重なるのかな?幼いときに自分も同じように頑張ってきて。家庭教師が付いて、追い詰められながら勉強しているメアリーを見ていると、思うところがあったんじゃないかなって個人的には思うんです。
だからこそ、助けたいと思ったし、自分も助けてくれる誰かがいたら良かったって思いも少しあったんじゃないのかなって勝手に思いました。
そんな揺れ動く中、いつもは支えてくれているアンジェに、どうするの?って決断を迫られ、その後にメアリーも襲われ、さらに土台が揺れてしまったんじゃないのかなって思いました。
ーー第3章も、最後は大変なことになって終わりましたね。
大地:まさかのオチでしたね(笑)。
古賀:ただ、最後の最後のシーンのト書きには、アンジェの目は光を失っていないと書いてあったので、何かきっと考えているんだろうなって希望は感じました。
大地:でも冷静に考えると、あと3章もあるわけだから。展開的には終盤みたいな感じが続いているけど。
古賀:またさらに息が詰まっていくんですね……。
関根:とにかく最後までみんな生き残ってほしいですね!
ーーでは最後に、第3章を観てくれたファンの方へメッセージをお願いします。
古木:皆さん、第3章でハラハラしましたか? 私はハラハラしました。ちせ的には、久しぶりに堀河公とのシーンがありましたが、劇場版では初だったんです。ちせや日本の動きがどうなっていくのかもふわっとしているので、今後は何か明かされたりするのかどうかも気になっています。ちせは唯一の日本人だから、みんなと違う未来になっていくのだろうかとか、不安です。でも、みんな生きていてほしいという気持ちは皆さんと同じなので、第4章を待ちましょう!
影山:絶体絶命で「このあとどうするんだ!」っていう感覚が第2章より強まって皆さんも不安だと思うんですけど、ベアトはまだ劇場版になってから声を変えるシーンがないんです。だからきっとこれから、ビッグな声優さんが来て声を変えてくれると思うし、まだ反撃のチャンスはあって、ベアトも役に立てるシーンがあると思っています。だからこのピンチのあとも明るくなっていくでしょう! それを期待して、第4章を楽しみに待っていたいと思います。
大地:ドロシーの人の良さ、人間らしさが相変わらず垣間見えてしまうところが、彼女らしくもありつつ、個人的には心配なところでもあります。話があまりに胃が痛くなる展開で、ドロシーはもちろんだけど、みんなのことがただ心配になるような終わり方でした。第4章がどうなるのかは、きっと考察班の方が盛り上がってくださると思うので、ぜひぜひ予想して楽しみながら、「裏切られたわー! 流石『プリプリ』!No.1!」って言ってもらえるような最高な作品を皆さんにお届けできるよう、主に橘(正紀)監督が頑張ってくださると思います(笑)。ぜひ今後も期待してください。
関根:ついに真ん中の第3章まで来ました。プリンセスは第2章でリチャード兄様に追い詰められて、どうなるのかと思いきや、第3章ではずっと追い詰められておりました(笑)。関根的にもこのあとの展開が気になっていますが、この先は白鳩メンバーキャストも誰一人知らないので、皆さんとほとんど変わらない状態です。私たちも精一杯頑張るので、皆さんもこの作品を愛していただいて、これからも『プリプリ』をみんなで盛り上げていけたらと思っております。
古賀:観ていただいてありがとうございました。第2章でどうなっちゃうの?ってところで終わったかと思えば、第3章もどうなっちゃうの!?で終わって、色んな意味でハラハラな時間を過ごすことになると思います。第3章は物語的にも大きく動いたり、キャラクターの心の動きもある激動のエピソードでした。私はとにかくアンジェが心配。そしてプリンセスが心配です! 今後の展開については、私たちは何も教えていただけていないので、私たちも第4章の台本を見るまでは、絶対に健康に生きていようと思っています。皆さんもどうか健やかに生きていきましょう!
[取材・文/塚越淳一]
『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』第3章作品情報
作品名 | プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第3章 |
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スケジュール | 2023年4月7日(金) |
あらすじ | 暗殺された王位継承権第一位のエドワード王子の葬儀が執り行われる中、アルビオン王国の貴族たちは王位継承権第二位のメアリー王女、同三位のアーカム公・リチャード王子のどちらが王位を継ぐか、ノルマンディー公がどう動くのか、という話題で持ち切りだ。 アーカム公はプリンセスに、自分とノルマンディー公どちら側につくか問う。あらゆる民族が平等になる世界へと修正することを願いながらも、エドワード暗殺の黒幕であるアーカム公に、プリンセスは心が揺れる。そんな中、共和国のコントロールから王室の情勢を探るべく、アンジェとドロシーにメアリーの侍女として潜入任務が下る。王位継承権第一位となった重圧に押しつぶされ疲弊するメアリー。混沌とする王位継承の行方、アーカム公の陰謀がついに動き出す―。 アルビオン王国に蠢く闇が、チーム白鳩を呑み込んでいく――。 |
キャスト | アンジェ:古賀葵 プリンセス:関根明良 ドロシー:大地葉 ベアトリス:影山灯 ちせ:古木のぞみ L:菅生隆之 7:沢城みゆき ドリーショップ:本田裕之 大佐:山崎たくみ ノルマンディー公:土師孝也 ガゼル:飯田友子 メアリー:遠藤璃菜 リチャード:興津和幸 |
スタッフ | 監督:橘 正紀 シリーズ構成・脚本:木村 暢 キャラクター原案:黒星紅白 キャラクターデザイン:秋谷有紀恵、西尾公伯 総作画監督:西尾公伯 コンセプトアート:六七質 メカニカルデザイン:片貝文洋 リサーチャー:白土晴一 設定協力:速水螺旋人 プロップデザイン:あきづきりょう 音楽:梶浦由記 音響監督:岩浪美和 美術監督:杉浦美穂 美術設定:大原盛仁、谷内優穂、谷口ごー、実原 登 色彩設計:津守裕子 HOA(Head of 3D Animation):トライスラッシュ グラフィックアート:荒木宏文 撮影監督:若林 優 編集:定松 剛 アニメーション制作:アクタス 配給:ショウゲート |
主題歌 | OP:「LIES & TIES」Void_Chords feat. Yui Mugino ED:「Nowhere Land」アンジェ(CV.古賀葵)、プリンセス(CV.関根明良)、ドロシー(CV.大地葉)、ベアトリス(CV.影山灯)、ちせ(CV.古木のぞみ) |
(C)Princess Principal Film Project