『名探偵コナン 黒鉄の魚影（くろがねのサブマリン）』高山みなみさんが語るかつてない「激ヤバ」の超豪華作品！「今作はまれに見る緊張感あふれる、スピード感ある作品に仕上がっています」／インタビュー

劇場版（映画）第26作となる『名探偵コナン　黒鉄の魚影（くろがねのサブマリン）』が、2023年4月14日（金）より全国東宝系にて公開中です。

『名探偵コナン』は、週刊少年サンデー（小学館）で1994年より連載中の青山剛昌さんによるコミックス。既刊103巻に到達し、発行部数は全世界累計2億7千万部を突破する人気推理作品です。

TVアニメは1996年から放送が開始。放送1000回を超え、長きに渡って愛される国民的人気作品です。劇場版としても、昨年4月に公開された劇場版25作目『名探偵　ハロウィンの花嫁』では、興行収入97.8億円を突破し、劇場版シリーズ1位となる成績を記録。全25作の累計興行収入が1000億円突破という驚異的な数字をたたき出しました。

本稿では、江戸川コナン役・高山みなみさんにインタビュー。今作の見どころやキャラクター、共演キャストについてたっぷり語ってくれました。

※高山みなみさんのファンで、まだ『名探偵コナン』観ていない人、記事で興味を持ち『名探偵コナン』をこれから見る人は、ネタバレも含みますのでご注意ください。

『名探偵コナン　黒鉄の魚影』ストーリー

東京・八丈島付近に建設された、世界中の警察が持つ防犯カメラを繋ぐための海洋施設『パシフィック・ブイ』。本格稼働に向けて、ヨーロッパの警察組織・ユーロポールが管轄するネットワークと接続するため、世界各国のエンジニアが集結。そこでは顔認証システムを応用した、とある『新技術』のテストも進められていた―。

一方、園子の招待で八丈島にホエールウォッチングに来ていたコナン達少年探偵団。するとコナンのもとへ沖矢昴（赤井秀一）から、ユーロポールの職員がドイツでジンに殺害された、という一本の電話が。不穏に思ったコナンは『パシフィック・ブイ』の警備に向かっていた黒田兵衛ら警視庁関係者が乗る警備艇に忍び込み、施設内に潜入。

すると、システム稼働に向け着々と準備が進められている施設内で、ひとりの女性エンジニアが黒ずくめの組織に誘拐される事件が発生…！さらに、彼女が持っていた、ある情報を記すUSBが組織の手に渡ってしまう…。

海中で不気味に唸るスクリュー音。そして八丈島に宿泊していた灰原のもとにも、黒い影が忍び寄り…

決して触れてはいけない〈玉手箱〉が開かれたとき
封じ込めた過去がいま、洋上に浮かび上がる―

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スタジオの外へ出てきたら、私たち新人になりました！

――今作で劇場版は26作目になります。劇場版『名探偵コナン　黒鉄の魚影』はどんな作品に仕上がりましたか。

高山みなみさん（江戸川コナン役/以下、高山）：ひと言で言ったら「ヤバい！」ですよね。今作について、あちこちで「激ヤバ」という言葉を使っているんですけど、お話もさることながら、メンバー（今作に出演しているキャスト）がとにかく激ヤバです。この人たちが織りなすドラマはやっぱり違いますよね。

この豪華なメンバーの中で一緒にお芝居ができることに、まず興奮しました。もちろんアフレコ収録のスタジオの外に出れば、みんな仲がいいので、ワイワイとおしゃべりするんですけど、スタジオの中に入った時の緊張感がもうたまらないんですよ。

――高山さんでも緊張するんですか？

高山：もちろんです。劇場版ではないんですけど、私と（灰原哀役の）林原めぐみちゃん2人での収録があった時に、スタジオの外へ出たらロビーにいらしたのが…、黒ずくめの組織の方や他の先輩キャスト陣。一瞬スタジオに戻りたくなってしまいましたが、即最敬礼（笑）。

もちろん普段は普通にお話しますが、あまりのメンバーのすごさに2人共背筋がシャキーン。思わず「８１プロデュースの高山みなみです。よろしくお願いいたします。」なんて自己紹介して笑われました（笑）。「目が覚めたら身体が縮んで…」ではなく、「スタジオの外に出たら新人になってしまっていた」感じでしたね。

――確かに、普段なかなかお目にかかれないようなキャストがそろっていますよね。

高山：そうです。今作はレジェンド大集合です。台本のキャストのページを見ただけで、お腹いっぱいになっちゃいましたね。高山みなみとしては、この錚々たるメンバーの中で演技ができるということじたいが幸せです。まぁ江戸川コナンとしては、「マジでやべぇ！」という状態ですけど（笑）。

――江戸川コナンとしては、かつてないスリルがありますよね。

高山：そうですね。おそらく危機感としては史上最高かな。狙われたのは灰原ですが、彼女一人の問題ではない。自分と灰原の周りの人間全てに脅威が及んでくることになってしまうので、その恐怖と焦りもありました。

――緊張感がありましたよね。

高山：最初からすごい緊張感でした。だからご覧になる方も疲れちゃうんじゃないかな。とにかく息つくひまがないです。

――物語の最後まで、「こう来たか！」と思いました。

高山：はい。伏線もちゃんと回収されますし、この先に関わるヒントもでてくる。ストーリーもわかりやすくて、すごくいい作品です。

――黒ずくめの組織だけでなく、劇場版オリジナルキャラクターの方々もビックリキャストだと思います。

高山：そうですね。だから、激ヤバの超豪華なんですよ！

冷静さが全くなくなっていたコナンはレア

――最初に台本を読んだ感想をお聞かせください。

高山：まず、「ヤバいな…」。そして「ラブもコメ（コメディ）もないじゃん」が第一印象でした。いや、ラブもコメも含まれていますよ。ただ、江戸川コナンの立場としては、感じる余裕もなかった。

現場は八丈島と、その近海の海上施設。つまり、大きな密室状態です。いつもならすぐに駆けつけてくれる大人たちも電話で連絡をつけるのが精いっぱいの中、次から次へと事件が起こるわけです。

コナンの近くには黒田管理官（黒田兵衛CV：岸野幸正）もいたけど、黒ずくめの組織の話はできない。事情をわかっていて頼れる強い大人がいないのは、かなり厳しい状況でした。

――わかりやすい味方がいませんでしたね。

高山：そうなんです。博士（阿笠博士CV：緒方賢一）や蘭（毛利蘭CV：山崎和佳奈）も巻き込めないし、小五郎のおじさん（毛利小五郎CV：小山力也）はリゾート満喫しているし（笑）。そんな状況下で灰原救出と犯人捜しですから、冷静ではいられなかった。こんなにずっと頭に血がのぼっている感じは、これまでなかったですね。

――コナンの熱量もすごかったんですよね。

高山：緊張と焦燥が余計に熱くさせてくれましたね。もともと熱いですけど、今作の熱量は半端なかったです。情報収集に応援要請、目の前のことから処理をする。冷める間もなく…でしたね。