『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』高山みなみさんが語るかつてない「激ヤバ」の超豪華作品!「今作はまれに見る緊張感あふれる、スピード感ある作品に仕上がっています」/インタビュー
高山みなみさんが好きなシーン
――今作の中で高山さんがお好きなシーンを教えてください。
高山:コナンが灰原にメガネをかけるシーンが好きですね。ロケーションも素敵ですし、まだ危機感もそれほどなくて、ややホッとできるのがいいです。
――あのシーンはファンにはたまらないシーンです。
高山:前にもあったこと(TVアニメ第176話)のオマージュですね。灰原のリアクションが可愛いですし、博士がすごく優しい表情で2人を見守ってくれている感じがします。これから始まる嵐の前の静けさですね。
――阿笠博士を演じていらっしゃる緒方さんの声に癒されます。
高山:『名探偵コナン』キャストの中では癒しの人ですよ。TVシリーズの収録の時も、ダジャレを期待してしまいます(笑)。前出のシーンを観ると、「博士にとって、灰原は大事な存在になったんだ」とわかります。
――コナンとしての見どころシーンはありますか?
高山:予告編にもありますが、海から上がってくるところですね。普段とは違って、内にこもる熱さを感じていただけるかなと思います。呼吸そのものが熱を帯びていました。
蘭や佐藤刑事に対して声を荒らげるのも珍しいことなので、今作の見どころと言っていいかな。それだけ危機感があるということですね。気も張り巡らせている状態でしたし。
――いつもよりも関わる人が少ないので、そういう意味ではコナンが灰原哀に集中できたことはありましたね。
高山:そうですね。「何かヤバいぞ」と思ってからは、「とにかく灰原を安全な場所に逃がさなくちゃ」とか、「彼女の身を守らなくちゃ」ということだけに集中していました。本当は蘭に関わってほしくなかったんですけどね。まさかあそこで月に向かって飛ぶとは思わなかった(笑)。
――あのシーンもかっこよかったです。
高山:相当かっこよかったですよ。熱くなった蘭は強いですからね。でもコナン的には「えぇっ、ちょ、やめてくれ~」ですけどね(笑)。あのアクションシーンのことは、監督にも確認しました。「蘭の顔がわからないようにしてくれていますよね? 絶対に顏は見られていないですよね?!」と。「それは大丈夫です」と言われたので安心したんですけど、シーンとしては激ヤバの一つでした。
――コナンの守るものが増えますからね。
高山:そうなんです。守らなきゃいけない相手が自ら巻き込まれていくという状態になっていたので、この危機をどうしたら突破できるかと焦りましたね。
――あのシーンは大きな見どころのひとつですよね。
高山:あそこから始まる一連は、カーチェイス、ダイブ、潜水艦との遭遇…と、スピード感がある上に緊張感が続きますからね。
――いつも蘭が戦うシーンは、だいたいラスト辺りにあるような印象がありましたけど、今作では序盤で蘭のアクションが見られますね。
高山:そうですね。後半でも見られますが、今作では早いうちから戦っていますね。しかし、また強くなった印象があります(笑)
――確実にコナンより強いですよね?
高山:いや、そりゃ強いですよ(笑)。それ比べられると困ります。「もしかしたら、京極さん(京極真CV:檜山修之)といい勝負なんじゃないの?」と思っちゃいます。
櫻井武晴さんが描く未来に共感
――今作の物語の中で、共感したポイントがあればお聞かせください。
高山:共感というより、今作に登場するシステムが「近い将来、実際にできるんじゃないか」と思いました。リアリティーのあるファンタジーですね。
顏認証は実際に使われているものだし、町中に防犯カメラが付いているところもあると聞きます。
もし、そういう国が増えて、世界規模の犯罪に対して各国が協力することになったら、こういうシステムが導入される未来があるのかもしれないと思いました。もちろん、そう簡単にはいかないし、問題も多いと思いますけど。
櫻井さん(脚本家・櫻井武晴)は科学的なものを物語に入れ込んできてくれるので、いつも楽しみなんです。
――櫻井さんが書かれた今作の台本を読まれた時はどのように思われましたか。
高山:「こう来たか~。ヤバいでしょう。櫻井さん、これはやらないでよ。」と思いましたね。「正体バレちゃうよ~!」と(笑)。
黒ずくめの組織の目的は自分たちの痕跡を消すこと。それは理解できますし、「その手があったか」と思いました。っつか、だいたい目立ち過ぎ(笑)。名古屋駅やトロピカルランドにいなかったことにすることができるシステムですから、手に入れたいでしょう。
でも、絶対それだけじゃ済まない。更なる犯罪に利用することは目に見えます。だから一刻も早く止めないと、と焦りました。