劇場アニメ『らくだい魔女 フウカと闇の魔女』声優・井上ほの花さん、田村睦心さん、石見舞菜香さんインタビュー|小野賢章さん演じるキースに思わず嫉妬!? 3人が語る本作の恋愛模様とは?
演じて気づいたキャラクターの魅力と意外な共通点
――それぞれ演じるキャラクターの魅力と自分との共通点を教えてください。
井上:フウカちゃんは、非常に天真爛漫なんですが、ドジをたくさんして周りを巻き込んでしまうキャラクターなんです。その様子からわがままだったり、我が強かったりするのかなと思われるかもしれませんが、本当は心が優しい子なんです。それが今回の映画ではキーポイントになっているなと感じています。
田村:作中では、フウカちゃんがカリンちゃんをアシストしてくれる場面もあるよね。
井上:あまり外見から想像できないかもしれませんが、彼女は他の人への気遣いができるんです。あとは周りの子たちに元気を与えられるところはとても尊敬しています!
――フウカと似ているところは?
井上:大雑把なところでしょうか(笑)。
一同:(笑)。
井上:実は収録のときに、音響監督さんから「フウカちゃんは、帰ってきたら靴下を洗濯機に入れるんじゃなく、足でポイッとその場に放置しちゃうような雑な性格だよ」って言われたんです。それを聞いて私も同じタイプだなぁと思って(笑)。
田村:靴下を脱いで裏返したまま放置してそうだよね(笑)。
井上:その通りで私は脱ぎっぱなしにしてしまいますね。
田村:本当にそうなんだ!
――とても意外です(笑)。
田村:私はチトセの好きな子に対してそっけない態度をとってしまうのが、小学生らしくてかわいいなと思います。
ツンツンしちゃうのは愛情の裏返しで、実はフウカちゃんに甘えているのかなと私は考えていて。「フウカには本心で接しても、大丈夫」という安心感が彼の中にはあるんじゃないかな。
素直になれないからいじめてしまう部分もあるけど、素直がゆえにいじめているみたいな。そんなところも男の子らしくて素敵だなって思います。
――チトセと似ているところを挙げるなら?
田村:強いて言えば……心優しいところですかね(笑)。
井上:見た目も似ていますよね~
田村:いや、こんなイケメンじゃない!
石見:完成披露試写会の田村さんの姿は、本当にチトセくんに見えたんですよ。思わずときめいちゃいました。
井上:本当にそうですよね! 今では逆にチトセくんのビジュアルを見ると「田村さん!」って感じで。
田村:嬉しいです。チトセの声は私が演じております(笑)。
一同:(笑)。
――石見さんお願いします。
石見:カリンちゃんは、おしとやかでかわいい一面がありながら、友達に関することには信念を貫くことができる強さがあって、そのギャップが魅力的です。共通点は、第一印象としてふんわりとした性格に見られるけど、意外とそうではないところでしょうか。
田村:確かに芯が強い感じがする!
石見:私自身芯を持って生きるようにしていて。「守られるばかりじゃない」というギャップはカリンちゃんと近いものがあるんじゃないかなと思います。
演技を通して心も成長させてもらった
――最初は、おっちょこちょいな女の子という印象のフウカでしたが、冒険を経て「風」をつかさどる「銀の国」のお姫さまとして大きく成長しました。演技をする際に井上さんが工夫したことはありますか?
井上:フウカちゃんを演じる上で、「このようにお芝居しよう」という意識はあまりなくて。物語が進んでいくにつれて自分の心が勝手に動いてしまった感覚でしょうか。それこそ最後の感動のシーンは自然と涙が出ちゃって。演技を通して私の心も成長させてもらった気がします。
もちろんスタッフの方からディレクションはありましたが(笑)。
――どんなディレクションがあったのでしょうか?
田村:「物語の中盤から力強い演技が出ているから、それは後半にとっておいて」って言われていたよね。
井上:そうですね。あと、声が可愛すぎるとも言われました。
石見:ほの花ちゃんの品の良さが隠しきれずに出てしまっていたよね。
井上:真面目なところが出ちゃいました(笑)。
――そんなフウカを近くで支えてきたのがチトセですよね。
田村:支えちゃいました!
一同:(笑)。
――チトセも物語の後半には「時」をつかさどる王子さまとしてふさわしい活躍をしました。田村さんが印象に残っているシーンはありますか?
田村:フウカに対する攻撃をチトセが自分の体で受けるシーンが印象的でした。戦闘シーンでカリンちゃんやキースは魔法で敵を攻撃しているんですけど、彼だけが身を挺してフウカを守っていたんですよ。相手を倒すというよりフウカを守る意識が強かったのかなぁ。
普通に話すときはフウカに対して攻撃的なんですけど、彼女のピンチには守護神となるチトセはすごくかっこいいなと思います。
――フウカが傷つき、カリンが心配して涙する場面は印象的でした。このシーンにはカリンのフウカに対する想いが込められていたと思いますが、石見さんはどのように演技されたのでしょうか?
石見:カリンちゃんの優しさが詰め込まれたあのシーンですね! 彼女は、人のことをよく見て、相手の想いに共感しながら寄り添うタイプの子だと思ったので、素直にフウカちゃんを心配しながら演じました。
――物語の後半では、カリンがフウカを助けるシーンも多く見られました。
石見:「フウカちゃんに何かしたら許さない」という気持ちで、優しさと強さの両方を大切にしながら演技することができたと思います。