「茜だから山田を振り向かせられる、茜の強みが生きてきます!」──水瀬さんが思う“Lv999の恋”とは? アニメ『山田くんとLv999の恋をする』木之下茜 役・水瀬いのりさんインタビュー
みんなの理想を叶えてくれる山田は全てがずるい
──最初は失恋を引きずっていた茜でしたが、中盤の第6話では吹っ切れつつありますね。
水瀬:中盤になると、オンラインゲームにログインするのが茜の日常のルーティーンになっていて、第1話の頃と比べると山田やギルドメンバーなどゲームの存在が大きくなっています。
茜が山田の喜怒哀楽に気がついてときめいたりして。恋心なのかはまだピックアップされていませんが、茜が山田を気になり始めていて個人的には微笑ましいです。
茜に対して山田もクールな中にもだんだんと感情の温度が出てきたり、ふたりの関係がオンラインゲームを通して近づいているのを感じています。
──徐々に近づいていく距離感のなか、演じ方にはどのような変化があったのでしょうか。
水瀬:よりハキハキ話すようにしたり、より感情に正直なお芝居をするようになりました。最初は失恋を引きずっていたので、たくまへの未練でジメッとしたモノローグばかりでしたが、今ではウキウキな気分やみんなに会える喜びなどのポジティブなモノローグが増えています。
ただ上辺で繕った元気や明るさではなくて、茜は毎日を心から楽しんでいるので私も常に明るいお芝居を意識しました。
──人に気を遣わせないようにする明るさと、心からの明るい気持ちの違いを表現するというのは難しそうだなと思うのですが、実際にはいかがでしたか?
水瀬:原作の表情や台詞に助けられていますが、人に気を遣わせない明るさの時には早口になって自己完結させる、取り繕うといったイメージがあります。本当に明るい時はダル絡みする感じかな。
──お酒を飲んで山田に折り畳み傘を返すシーン(第2話「そろそろボス湧きの時間なんで」)はまさにですね。
水瀬:それが素の茜のハイテンションでポジティブな感情の表し方なのかなと思います。「桃ちゃ〜ん」と甘える対象がだんだんと瑠奈ちゃんや山田になってきて。
茜が気を遣うことなく解放されているんだなとアフレコをしている時から感じていたので、より愛すべきおバカな女子大生をチャーミングに演じています。
──ターニングポイントとして、第5話では瑠奈が仕組んだ事件がおきますが……。
水瀬:トイレに来ちゃうとか結構恐怖ですよね。茜にとってはネットと現実がまだまだ混ざっている中であんなことになってしまい……。
善意で薬を渡そうとしてくれますが、全てが裏目に出てしまう回で(笑)。執事らしい声ですが、変質者っぽくて掛け合いがとても面白かったです。ぜひ何度でも見返してほしいですね。
──今のお話を聞いてより見返したくなりました(笑)。
水瀬:すれ違いコント感がとても面白くて。誰も狙ってないのに(笑)。
──そんな怖くも面白い場面もありつつ、瑠奈との和解から山田は徐々に茜に惹きつけられていきます。改めて、周りの人物を惹きつける茜の魅力とは、どのようなところだと思いますか?
水瀬:茜は誰に対しても同じテンションだから、茜の好きなところを聞いたらみんな同じだと思います。人の目を気にして取り繕うことが多い中で、人によって(態度を)変えないのは結構すごいことです。
ほかにも、わからないことを素直に聞くことができたりと、茜のような人になりたいなと思わせてくれます。茜は自分のことを普通の女子大生だと思っていますが、かなり素敵ですよね。
──そんな茜が気になっている山田ですが、彼の魅力はどういったところだと思いますか?
水瀬:容姿の良さかなと……格好良いに勝るものはないなと思ってしまいますよね(笑)。ぶっきらぼうでクールな山田の見た目に、もし清潔感がなかったらここまで好かれないと思います。
神に選ばれし容姿で、顔良し、声良し、ちょっと欠点のある性格を補えるくらいの加点要素があるんです。なかなかこんな男の子はいないですよ。自分の戦闘力(美貌)に気がついてないことも含めて、みんなの理想を叶えてくれる山田は全てがずるいなと思います。
──水瀬さんも山田のような男性に魅力を感じたり?
水瀬:山田は口数が少なくて何考えているんだろう? と興味が湧く男の子ですが、私は茜のように興味を持って話せる自信がないので、「綺麗だな〜」と鑑賞して癒される存在だと思います。
もし、私がこの世界に行ったら山田となかなかコミュニケーションを取れないまま、別々の道にいく可能性が高いです(笑)。
こんな男の子がいたら山田の話題で尽きないよなと思いますし、もしかしたら「山田くんかっこいい」と話す女子たちに私も混じっているかもしれませんね。