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『僕ヤバ』遠藤一樹×櫻井洋介 プロデューサーインタビュー【連載第6回】

『僕の心のヤバイやつ』連載インタビュー第6回:テレビ朝日 プロデューサー・遠藤一樹さん×シンエイ動画 アニメーションプロデューサー・櫻井洋介さん|1話分のアニメを作るのに200人以上の方が関わってくれています。皆さんが真摯に作ってくださった結果が映像のクオリティにつながっているんです。

尊死“続出で大反響! 今一番応援したくなる、青春初恋ラブコメがついに幕開け――『僕の心のヤバイやつ』がテレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠・BS朝日・CSテレ朝チャンネル1にて放送されています。

桜井のりお先生が『マンガクロス』(秋田書店)で連載中の『僕の心のヤバイやつ』は、SNSを中心に人気を集め、コミックス累計発行部数 300 万部を突破中の話題作です。

アニメイトタイムズでは連載インタビューを実施中。第6回はテレビ朝日プロデューサー・遠藤一樹さんと、シンエイ動画・櫻井洋介アニメーションプロデューサーです。前回に引き続き、『僕ヤバ』の制作現場の舞台裏、そしてクライマックスに向けた“これから”の展開に迫ります。

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僕の心のヤバイやつ
市川京太郎は殺人にまつわる猟奇本を愛読する、重度の中二病男子。同じクラスの美少女・山田杏奈をチラチラと見ては、ヤバめな妄想を繰り返していた。そんなある日、山田が市川の聖域・図書室にやってくる。一人だと思い込み、大口でおにぎりを頬張ったり、機嫌よく鼻歌を歌ったりと、思うままに振る舞う山田。予測不能な行動を繰り出す姿に、市川は徐々に目が離せなくなっていき……。作品名僕の心のヤバイやつ放送形態TVアニメスケジュール2023年4月1日(土)〜2023年6月17日(土)テレビ朝日ほか話数全12話キャスト市川京太郎:堀江瞬山田杏奈:羊宮妃那小林ちひろ:朝井彩加関根萌子:潘めぐみ吉田芹那:種﨑敦美足立翔:岡本信彦神崎健太:佐藤元太田力:福島潤原穂乃香:豊崎愛生市川香菜:田村ゆかり南条ハルヤ:島﨑信長スタッフ原作:桜井のりお(秋田書店「マンガクロス」連載)監督:赤城博昭シリーズ構成・脚本:花田十輝キャラクターデザイン:勝又聖人色彩設計:柳澤久美子美術監督:黛昌樹撮影監督:峰岸健太郎竹沢裕一編集:肥田文音響監督:小沼則義音響制作:マジックカプセル音楽:牛尾憲輔制作:シンエイ動画主題歌OP:「斜陽」ヨルシカED:「数センチメンタル」こはならむ公開開...

『僕ヤバ』を通じて生まれた、プロデューサー同士の信頼関係

――遠藤さんには前回の連載インタビューでもお話を聞かせていただきましたが、今回は櫻井さんとのお話をじっくりとうかがえればなと。

テレビ朝日 プロデューサー・遠藤一樹さん(以下、遠藤):僕自身、現場のことは直接見聞きできていない部分も多いんです。だから今日お話をお聞きできるのを楽しみにしていました。

シンエイ動画 アニメーションプロデューサー・櫻井洋介さん(以下、櫻井):いやいや、こちらこそです。でも、遠藤さんがいてくれたら、逆に僕から言えることがあるのか……(笑)。

遠藤:いやいや、とんでもないです。

――早速質問をさせていただけたらと思うのですが、おふたりは同じプロデューサーという立場でありながらも、それぞれ違ったお仕事をされています。まずはおふたりのお仕事上のポジションの違いや内容について教えてください。 

櫻井:アニメーションプロデューサーは、制作現場のスタッフ編成だったり、全体のスケジュール、予算、クオリティを管理する仕事です。演出のトップが監督だとしたらアニメーションプロデューサーは制作現場のトップと言われることが多いですね。

アニメーション制作は基本的に分業制で、凄く細かくセクションが分かれているんですよ。僕や僕が直接管轄している制作進行たちは自分で絵を描いたりする訳では無いですが、さまざまな方から成果物をいただいて、次のセクションに渡してと、人と人をつないで映像を完成させる仕事……という感じでしょうか。

遠藤:自分は作品全体のプロデューサーという立ち位置で、製作委員会を組成した上で、制作会社さんに依頼させていただいています。今回で言えば、シンエイ動画さんにお願いをする立場です。そのため、自分が委員会を代表して櫻井さんと連絡を密に取り合いつつ進行しています。

櫻井:アニメーション制作の発注者が遠藤さんたちで、僕らは受注者という立場ですね。

――おふたりはもともと面識があったんですか?

遠藤:いや、今回がはじめてで。『僕ヤバ』のアニメ化をシンエイ動画さんにお願いしたいと思い、打ち合わせを組ませていただいたんですが、その時にお会いしたのがはじめましてでしたよね?

櫻井:そうですね。

遠藤:『からかい上手の高木さん』などを櫻井さんが担当されていたので、そのラインでアニメ化できないか、という相談をさせていただきました。

――遠藤さんは当初からシンエイ動画さんにお願いしようと考えられていたのでしょうか。

遠藤:そうですね。弊社は『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』などでシンエイ動画さんとご一緒させていただいていて、素晴らしい会社である事はもちろん存じ上げていましたし、シンエイ動画さんが制作された『からかい上手の高木さん』などはいちファンとして視聴していました。

『からかい上手の高木さん』は『僕ヤバ』と作風は違うものの、キャラクターの魅力を大事にする描き方や、こだわりに関しては共通するものがあるように感じていました。『僕ヤバ』と『からかい上手の高木さん』のチームが合わさればすごいものが作れるのではないかなという予感があったので、いの一番に連絡させていただきました。

櫻井:本当にうれしい限りです。

遠藤:最初の打ち合わせで、作品の紹介をしようとしたら皆さんすでに既読の状態で、話が早くてありがたいなと(笑)。これもご縁だと思っています。上手くいく作品って前段階からトントン拍子で進む事が多いんですよね。そういう意味でも、ご一緒できてよかったなと。

――櫻井さんはもともと『僕ヤバ』をご存知だったということですね。

櫻井:そうですね。単純にいちファンといいますか。だから企画いただいたときはうれしかったですね。それで、まずは一緒に企画書を作っていって。

――例の企画書ですね! 前回のインタビューで、遠藤さんのお言葉の一部を抜粋して掲載させていただきました。

遠藤:あああ……恥ずかしい。そうです、その企画書です(笑)。

櫻井:大本は遠藤さんがすでに作ってくれていたんです。僕らの手元に届いた段階で、
すごい熱量の企画書で驚きました。その時点で「遠藤さんは信用できる方だな」という印象があったんです。

遠藤:いやいやいや……ありがとうございます。

――秋田書店の髙橋 圭太さん、福田 裕子さんも遠藤さんの熱意に感動したとおっしゃっていましたね。

遠藤:恐縮しっぱなしです(苦笑)。それで言うと、今回のインタビューでは櫻井さんがいかに素晴らしいかというお話をさせていただきたいなと思っていました。

現場での舵取りはすべて櫻井さんがしてくれているのですが、各セクションのクリエイターさんたちを素晴らしいバランス感覚で丁寧にまとめていただいています。こんなに安心感のあるアニメーションプロデューサーさんはなかなかいないなと思っていて……。

櫻井:いやいや、褒めすぎです(笑)。

遠藤:え? まだ1割くらいしか話してないですよ(笑)。

(C) 桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
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