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- 五反田ちさと
- 東京都出身。アニメイトタイムズでライターデビュー。好きなアニメ作品は『カードキャプターさくら』、『らんま1/2』、『氷菓』。最近は朗読劇にハマっています。座右の銘は「当たって砕けろ」。

2017年にn-bunaさんとsuisさんによって結成された日本の男女2人組のロックバンド、ヨルシカ。n-bunaさんによる心の奥深くに触れるような文学的で繊細な歌詞と、美しくも儚いメロディ、そしてsuisさんの透き通るような歌声が魅力的なアーティストです。
2月26日(木)には“書簡型小説”「二人称」を、3月4日(水)にはデジタルアルバム「二人称」をリリース。それらを携えたライブツアー「一人称」を現在全国5都市で開催中です。さらに、4月6日(月)より放送開始となる『LIAR GAME』のオープニング主題歌にも決定し、大きな注目を集めています。
そこで、本稿ではこれまでにヨルシカが担当してきたアニメ・映画主題歌をご紹介! 聴く人を物語の世界に深く誘うヨルシカの世界に触れ、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか?
ピアノのリフレインと、囁くようなsuisさんの歌声が魅力的な一曲。サビまでの静かなピアノは雪景色を彷彿とさせ、サビからの盛り上がりでは暖かな情感が広がり、まさに『大雪海のカイナ』の幻想的な世界観を見事に表現した楽曲となっています。
キャラクターの心情の変化を丁寧に汲み取ったかのような、尊い一曲。この楽曲はOP主題歌でありながら、第2期最終話のEDとしても使用されています。EDで流れた際には、「山田と市川の関係をそのまま歌っている」と感じさせられ、思わず自然と涙がこぼれました。アニメへの深いリスペクトが感じられる一方で、ヨルシカらしさが随所に詰め込まれた、美しい楽曲となっています。
どこか寂しさを感じさせるAメロから、一気に澄み渡る青空を思わせるようなサビへと展開する、そのコントラストが非常に心地良い一曲です。
曲名は「晴れ」ではなく「晴る」。この意味について、『葬送のフリーレン』の公式サイトでn-bunaさんがコメントを寄せており、「この曲は晴れを書いた楽曲です。正確には、晴れではない状態から晴れを願う楽曲です。この曲がフリーレンの世界と彼らの旅に彩りを添えられるものになっていれば幸いです」と語られています。
意味を知ったうえで改めて聴くと、フリーレンの新たな旅路への餞(はなむけ)にも聞こえてきますよね。
独特なリズムのイントロと、星のきらめきを思わせるサビが、心に心地よいざわめきを運んでくれる一曲です。筆者がこの曲の歌詞で特に心惹かれる部分は「魂が酷く跳ねた」の一節。どんな人生を歩んできたら、こんな表現が生まれるのだろうと、素直に羨ましさを感じずにはいられません。
『チ。-地球の運動について-』は、地動説を証明するために、自らの信念と命を懸けた者たちの物語。その中で、地動説の美しさに魅了されたラファウはまさに「魂が酷く跳ねた」のではないでしょうか。
タイトルの「へび」は、一見すると作品とは無関係のように思えます。しかし、蛇は古来より、脱皮を繰り返す生態から「再生」や「不老不死」の象徴とされる一方、その狡猾な動きや地中を這う性質から「知恵」や「英知」の象徴ともされてきました。
n-bunaさんは、この曲について「へびが春に眠りから目覚め、外に這い出して世界を知る歌」と解説しており、そのテーマが作品に描かれる探究心と深くリンクしていることに気付かされました。
軽やかなメロディに少し寂しさを感じる歌詞が作品に非常にマッチしている一曲。スイーツがたくさん出てくる作品ですが、ただ甘いだけではない、少しビターな感じが素敵に表現されています。
この曲のおすすめポイントは歌詞にも出てくる「休符」です。ヨルシカは休符の使い方が魅力的なのですが、この曲は本当に休符が心地よく、休符こそがこの曲の真髄と言っても過言ではないでしょう!
人畜無害で平穏無事な小市民を目指す小鳩くんと小佐内さんの“浮遊感”が音楽と重なり、さらに曲名の「火星人」から感じられる宇宙的な浮遊感が、作品をより魅力的に演出してくれています。
TVアニメに続き、劇場版の主題歌にも抜擢されたヨルシカ。TVアニメ第1期のOP主題歌「斜陽」、そして劇場版の主題歌「茜」。どちらも夕日を連想させる言葉ではありますが、楽曲のテイストはまったく異なり、まるで対比のような関係性を感じさせます。
それでも、どちらの楽曲も見事に山田と市川の感情を丁寧に汲み取り、二人の心情を映し出しています。改めて、ヨルシカが作品への深い愛情を込めて楽曲を紡いでいることが感じられますよね。
作品の愛らしさと楽曲の軽快さが絶妙に溶け合い、その相乗効果で思わずニヤニヤが止まりません!
夏になると必ず聴きたくなる、大人になって忘れかけていた気持ちを思い出させてくれる一曲です。「形に残るものが全てじゃないように」という歌詞があるのですが、子供の頃は形にして残すことが思い出だと思っていたフシがありました。
しかし大人になってこの曲を聴いた時、学生時代に体験したことや友達との何気ない会話、家族との時間などを思い出し、これが大事なものなのだと気付かされました。
そんな切ない気持ちを惹き出してくれるこの曲は作品にぴったりすぎて、聴いていると心が苦しくなるほどです。
優しさや切なさをすべて包み込むようなアコースティックギターの穏やかな音色と、suisさんの透き通る歌声が、夏の終わりの情景をそっと浮かび上がらせてくれます。
特に「そっか、大人になったんだね」という歌詞は胸に深く響き、思わず心がぎゅっと締めつけられるような感覚を覚えました。この曲を初めて聴いたとき、子供の頃は「早く大人になりたい」と願っていたのに、今では「あぁ、本当に大人になってしまったんだな」と感じる瞬間が増えた自分に気づかされました。
夏の終わりには、なぜか他の季節にはない独特の寂しさが感じられると思いませんか?
この曲は、そんな寂しさを「悪くないものだ」と思わせてくれる一曲だと感じています。ただの寂しさではなく、どこか儚さが漂い、その中に温かさを見出せるような表現がされているのが魅力的です。
ヨルシカの音楽は、アニメを視聴した後も深く心に残り、作品の余韻を存分に味わわせてくれます。登場人物の感情や物語のテーマに寄り添った楽曲が多く、どの曲もアニメの世界観を鮮やかに彩りながら、聴く人の記憶や感情に強いインパクトを与えてくれるのが魅力です。
これからもさまざまなアニメとのタイアップを楽しみにしています!