“思いを伝える大切さ”を体現した椿ちゃんに共感「時間をかけて人を好きになる温かさを茜が見せてくれた」アニメ『山田くんとLv999の恋をする』木之下茜 役・水瀬いのりさんインタビュー
2019年3月より漫画アプリ「GANMA!」にて連載中の、ましろ先生による漫画『山田くんとLv999の恋をする』を原作としたTVアニメが、2023年4月よりTOKYO MXほかにて放送され、現在各配信サービスにて好評配信中です。
最終回を目前に控えた第12話「好きだよ」では、木之下茜(CV.水瀬いのり)は山田秋斗(CV.内山昂輝)とタイミングが合わず、思いを伝えられないまま。一方、山田はクラスメイトの椿ゆかり(CV.土屋李央)を傘にいれてあげて、雨の中一緒に塾から帰ることに。
本稿では木之下茜を演じる水瀬いのりさんのインタビューをお届け! 前回インタビューした中盤から最終回に向かう後半までのストーリーを、水瀬さんと共に振り返ります。
さらに、椿に共感した理由やギルドメンバーと深めた信頼関係、茜の魅力についても語っていただきました。
「山田にモヤモヤする感情が増えて取り乱す姿がとてもかわいらしいなと思います」
──今回は後半のストーリーを振り返っていきたいと思います。中盤から、茜は山田を意識し始めていることに気が付きますが、そんな茜を水瀬さんはどのように見ていましたか?
水瀬:今までは思いのまま話して、言った後に違ったかもと気が付くような子でしたが、山田を意識するが故に文化祭の時など「今忙しそうだし、話しかけにくいな……」とか奥手になっています。
空回りして思ってもない勘違いにドキドキする展開があったり、第1話(「これだからっ!ゲームする男なんて!!」)よりも山田にモヤモヤする感情が増えて取り乱す姿がとてもかわいらしいなと思います。
──恋愛に積極的な茜ですが、山田を好きになることを自制しようとするシーンもありますよね。
水瀬:山田との関係を続けていきたいからだと思います。自分の気持ちを伝えて進展したら良いですが、後退する可能性もありますし。
今のようにゲームを一緒にしたり、顔合わせたら話す関係性をこのままにしたいけど、会えば会うほど好きな気持ちが大きくなる茜を見て、苦しさもありますね。
クラスメイトに囲まれている様子に距離を感じて山田には山田の世界があって、私が知らなかったんだなと思うのが冷静ですよね。全てを知ったつもりでいてもまだ知らない顔があったんだと気がつきます。
山田を意識しているからこそ、入り込めない山田の世界を感じている茜に「正しくこれが恋心なんだな」と思いながら見ています。
──茜は山田に対するもやもやとした気持ちを桃子に打ち明けていました(第9話「ギルドの一大事だよっ!!」)。
水瀬:話数によって茜の心は変化しますが、桃ちゃんの方が茜をわかってくれていますよね。(山田への恋愛感情に)意地を張っているわけではないですが、自分でも分からないくらい小さな心境の変化を親友の桃ちゃんが拾ってくれていて、恋愛作品でも友情も大切に描かれているなと感じました。
桃ちゃん自身は合コンで王子様を見つけるために飛び回っていますが、茜を見てくれているので「こんな親友いたら嬉しいよな」と思います。
このシーンを見ていると茜はたくさんの人に支えられているなと分かりますし、支えたくなる茜だからこそ優しい人が周りに寄って来てくれるんだなと感じています。出来上がっている桃ちゃんとの関係性が羨ましく思いました。
──桃子が茜に「茜がどうしたいのか、全然言ってくれないじゃん」と核心をつく場面も良いですよね。
水瀬:桃ちゃんが、本筋を言わない茜をぶった斬ってくれる感じが気持ち良いなと思います。遠回しな優しさだけじゃなくて、本音を言えるからこその立場で助言してくれて、良い関係ですよね。
──そこから、茜は山田に告白したいけれど、話を切り出せず(第12話「好きだよ」)……。
水瀬:たくまがいなければ茜にとって山田との出会いはなかったかもしれないので、どこまでいっても茜はたくまを悪い人だとは言わないのが好きなところです。
あの過去がなければ今はなくて、幸せだった時間も嘘ではなかったという気持ちが今の茜に繋がっていると思います。山田と出会って得た新たな楽しさなど、茜にとってプラスの思い出になっているんだなと感じます。
瑛太くんと桃ちゃんに思いを打ち明ける時も、ギルドマスターの瑠璃姫ちゃんと現実世界の親友であるふたりに話したかったと言う茜をとても素敵だなと思いました。
今考えたら、ネットゲームで出会った瑛太くんがこれほど大きな存在になっていて、山田がいなかったらリアルでは出会えていないですし。
みんなが茜の背中を押してくれるのが温かいですよね。第13話では、ふたりの関係がどうなるのかが見どころです。