有功として家光を全身で守ってあげたいーー家光の境遇が明かされてからの関係性に注目！｜「大奥」お万の方／万里小路有功 役・宮野 真守さんインタビュー

よしながふみ先生による男女逆転した江戸城内を描いた漫画『大奥』。本作のアニメが、ついにNetflixにて独占配信されました。

本稿では、お万の方／万里小路有功 役の宮野真守さんのインタビューをお届け！　

業や妬み嫉みに翻弄される有功を演じられた宮野さんから、徳川家康と有功の注目シーンや家康役の松井恵理子さんと掛け合った感想などを伺いました。

人物像の奥深さと設定がリアルなSF時代劇

ーーこれまで様々なメディアで題材となった『大奥』ですが、本作の出演以前にはどのような印象を持っていましたか？

宮野：たくさんの作品があったかと思いますが、人間の業や妬み嫉みが深く描かれていて、苦しい感情が渦巻いている世界がドラマチックに描かれているイメージです。

ある意味、人は人の黒い感情を見るのが好きなんだなと（笑）。

ーー（人の黒い感情に）興味を唆られる方は多いと思います（笑）。ちなみに、宮野さんは見たい派ですか？

宮野：僕はあんまり……（笑）。でも、ドラマとしては、そこに人間の本質が表れたりするので面白いですよね。

ーー原作や台本を読んだ感想はいかがですか？

宮野：今、漫画の帯が目に入りましたが、まさしくSF時代劇だなと思います。男女逆転の大奥なので、史実のお話ではありません。けれど、説得力のある設定や人物像が奥深く、非常にリアリティがあります。

「もしかしたら、こうだったのかもしれない」と思わせるほどの物語だと思います。突拍子のないお話ではなく、しっかりと肉付けされていることに感激しました。

今とは異なる価値観の中、物語の時代の人たちは信念を持って生きています。僕が演じた有功は真っ直ぐな人間で、理不尽なことにも正面から向き合い、色々な顔を見せてくれました。

人間の業やしきたりに翻弄されますが、ただ翻弄されるだけでなく、愛を見つけていきます。愛する人のためにどう進むかを模索しながら、真っ直ぐ強く生きた人だと思います。

ーー有功は幾度となく、かなり苦しい選択を迫られますよね。

宮野：仏の道を真っ直ぐ生きようとしていましたが、辛い運命を強いられます。有功が黒い感情を出してしまうほどの事象が起きますし。

ーーそんな妬み嫉みの世界に、有功として入り込んでみたわけですが……。

宮野：疫病が原因ではあるので、この危機的状況をどう乗りこえていくか…。皆が必死に生きていました。

なので、仕方なく割り切らなくてはいけないこともたくさんあって…。苦しかったですね。

ーー有功は、人のために動いているのに好転しないことも多いですし。

宮野：愛する人の元に自分が居られない嫉妬から自分の黒い感情を知ることにもなります。