夏アニメ『彼女、お借りします』3期:雨宮天さん&芹澤優さんインタビュー|ついに和也を見直した!? 新ヒロインの登場で和也と千鶴は急接近!
みにの突っ走り感は和也に似ている?
――みにを演じるにあたって意識したポイントを教えてください。
芹澤:みにちゃんは和也との会話が一番多いんですけど、彼女は和也の言葉を聞いていたり聞いていなかったりして。一度、自分の世界に入ると、溢れるイメージと感情で突き進んでしまうタイプなんですね。これを喋りたい! これを伝えたい!というときの迷いがない突っ走り感はある意味、和也に似ているかなと思ったり。だからその勢いであったり、迷いがない部分は大事にしました。
――直情タイプなんですね。
芹澤:と思いきや、広い世界を見ているからこそ達観したことを言ったりするんですよね。
――意外と大人な一面もあるんですね。
芹澤:いろいろな世界に詳しいんですよ。配信を通してクラウドファンディングの知識があって、そのおかげで和也たちを助けたりもしますし。自分で物事を発信していたりと、とにかく行動力があって、そこが達観していることに繋がるのかなと思います。
――おふたりは収録はご一緒に?
雨宮&芹澤:はい。
――芹澤さんは雨宮さんの演技をご覧になっていかがでしたか?
芹澤:芯の強さがすごいなと思いました。それはもう、千鶴のキャラクター性というよりも天さんの強さであり、その強さがキャラクターに乗っかっているんだなって。実は『かのかり』をきっかけにご飯に行かせてもらったんです。あ、ふたりっきりじゃないですよ。
雨宮:なんでそこ強調したの?(笑)
一同:(笑)
芹澤:そのとき、「コンプレックスを倒す」というお話をしてくださったんですけど、それがすごくかっこよくて。もう芯の強さがすごいなと思わされました。
雨宮:恥ずかしい!(笑)
芹澤:千鶴は強くなるしかなかったから弱い部分を隠しているんですよね。その声の揺らぎとか意思の表現がすごくて。アフレコ中、ずっと「素敵だな」と思っていました。
――では掛け合いのシーンなどで影響を受けたりも?
芹澤:千鶴とみにちゃんの掛け合いのシーンがあるんです。私としては想いを届けようと、一生懸命ぶつかりました。
雨宮:第3期からの登場って、めちゃめちゃプレッシャーだったと思うんです。これだけ評判の大きい作品への参加ですし、しかも、和也とガンガン掛け合うので大変なはずですし。でも、芹澤ちゃんは全く大変さを感じさせないんです。良い意味で遠慮がないですし、みにちゃんとしてちゃんとそこにいてくれるんです。
――なるほど。
雨宮:みにちゃんもグイグイ系のキャラクターだから周りを振り回すことが多いんですけど、全く嫌な子には映らない。これも芹澤ちゃんだからこそだと思いました。
――大絶賛ですね。芹澤さんは出演にあたって、プレッシャーはありましたか?
芹澤:ありましたけど、それを感じていたら『かのかり』に乗り遅れてしまうといいますか。
雨宮:かっこいい。
芹澤:いえいえ。ご一緒する皆さんはお仕事が忙しいのにきっちりと役にハマることができる方々なので、置いていかれないように、食らいつかないといけないなと思っていました。
あのシーンで和也を見直したんです
――雨宮さんにとって第2期の印象的なシーンを教えてください。
雨宮:第2期の第1話が大好きなんですよ。千鶴が夢を追うにあたって、上手くいかないときがあったり、コネの部分が出てきたりと、現実的な部分が描かれていて。正々堂々ぶつかってダメだったらある意味スッキリしますが、どこか消化しきれない気持ちになりました。でもそんなときに和也が背中を押してくれて。私としてはあのシーンで和也を見直したんですよ。
――そうでしたか!
雨宮:私も最初は、芹澤ちゃんと同じで「こいつ、大丈夫か?」と思っていて(笑)。
一同:(笑)
雨宮:優柔不断でその場しのぎな人物ですが、第2期の第1話で大きく見直しちゃいましたね。千鶴が心動かされた理由もわかります。
――たしかに、千鶴の心が動いているように感じました。
雨宮:千鶴自身、和也からもらった梅干しを食べるとき、あのシーンを思い返していたので、彼女にとってもそれだけ大事なやりとりなんだと思っています。
――雨宮さんは第1期の頃は和也に対して思うところがたくさんあったとお話されていました。しかし、第3期では雨宮さんも認める大活躍を見せてくれそうですね。
雨宮:映画作りにあたって、和也の行動力の高さを感じました。ほかにも千鶴の背中を押すような言葉を言ってくれるんですけど、第3期の和也にはその言葉を裏付ける行動力が伴っていて「この人は本物なんだ」と。
――本物ですか。
雨宮:千鶴の夢に対しての向き合い方や誠実さがしっかりしているんですよ。なりふり構わない姿には「かっこいい人なんだ」とすら思いました。
――第1期の頃と違って、下心で動いていないですよね。
雨宮:そうですね。本当に第1期の頃は……(笑)。
一同:(笑)
雨宮:和也の妄想上のエッチなシーンとかが多くて(笑)。でも第3期はちゃんと人間同士のやりとりができているんですよね。多分、アンチ和也派の人たちも少しは見直すと思いますし、惚れ込むところもあるかもしれません。
――キャスト間の評価に変化も?
雨宮:アンチ和也は私と(東山)奈央さんでしたが(笑)、奈央さんも第2期で評価が変わったみたいです。だから第3期を通して、皆、かなり見直したんじゃないかなと思います。
千鶴の弱さを知った上で“本物の強さ”を感じる
――第2期のクライマックスでは千鶴の過去が描かれました。それらを経て、第3期の千鶴に対する印象に変化はありましたか?
雨宮:第2期の最後で千鶴のことを深く知ることができました。そして第3期では和也との距離感が近づくにつれて、心を開くとちゃんと素を見せてくれる子なんだと感じて。
――これまでも素の部分を完全に隠していたわけではないですもんね。
雨宮:そうですね。おばあちゃんも言っていたように、自分の弱いところを隠すために鉄の女になっていたところがありました。
でも第3期では、そんな弱さを知った上で彼女の強さは本物なんだと感じました。自分の中で弱さや葛藤があったからこそ今の千鶴がいるので、その強さを裏付ける弱さみたいなものを見てもらえると思います。
――第3期の千鶴という部分で芹澤さんはいかがですか?
芹澤:第3期は家族周りのエピソードが多くて、夢を追う千鶴さんの気持ちがちょっとやそっとじゃ揺れるものじゃないと伝わってきました。私自身、レンタル彼女としての完璧さとはまた異なる強さや夢を追う姿を見て、より憧れを感じました。
――第3期ではクラウドファンディングを利用して映画作りに挑む和也や千鶴の姿が描かれます。
雨宮:夢を追いかける千鶴と、彼女をまっすぐに応援する和也の姿に、皆がどんどん心を動かされていって。みにちゃんを筆頭に協力者が集まり、皆で映画を作り上げていく様子は胸が熱くなりました。瑠夏ちゃんをはじめ、それぞれ複雑な思いもあるはずなんです。それでも皆は力になってくれて。すごく良い展開だなと思いました。
芹澤:みにちゃんはクラウドファンディング経験者ということでふたりの協力者になるんですけど、そのおかげで和也以外の人たちと接するようになって。私としては、第3期からの参加になるので、このクラウドファンディングをきっかけに『かのかり』のキャスト陣と一緒に頑張れて嬉しかったです。