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『呪術廻戦』第2期のエンディングを考察・深読みしてみました

【ネタバレ注意】あそこにもここにも伏線・暗示の山⁉『呪術廻戦』第2期のエンディングをネットの話題を集めて考察・深読みしてみました!

先日ついに放送がスタートしたTVアニメ『呪術廻戦』第2期。今期では、主人公・虎杖悠仁らの師であり「最強の呪術師」である五条悟、そして「最悪の呪詛師」となってしまった夏油傑らの高専時代が描かれます。

第1期では大人として描かれていたキャラクターたちが若かりし姿で登場した本編もさることながら、彼らの青春時代が断片的に描かれたオープニングとエンディングの各主題歌の映像にも大きな反響が寄せられていました。

各主題歌の映像の眩しさと今後の展開とのギャップに胸が締め付けられたという声がファンから多数上がっており、原作読者の私もそのうちの1人です。特に、エンディングは今後の展開が暗示されているような演出・描写が多く、SNS上でも同じようにそのことに気づいた視聴者の声(悲鳴?)が多数見られました。

考察や深読みが大好きな私。これはとことん考察・深読みしたら面白いのでは? と思ったので本気を出して考察してみました。個人的な見解が多く含まれますので、事実とは異なる部分もあるかとは思いますが、そうだったら面白いな、と思って読んでいただけると嬉しいです。

また、記事に埋め込んでいる動画は該当箇所の再生時間にセットしているので、動画を見ながら記事をお楽しみください。

※この記事にはネタバレが含まれます。またネット上での話題、個人的な見解が多大に含まれていますので、事実とは異なる場合もあります。あくまでも予想記事としてお楽しみください。
 

目次

2匹の熱帯魚

冒頭に出てくる2匹の熱帯魚。それぞれ黒い目と青い目をしていることから、瞳の黒い夏油と青い五条になぞらえていると考えられます。途中で黒い目をした方の身体が白から黒に変わるところも、呪詛師になってしまう夏油を表現しているのでしょう。

この熱帯魚は「ベタ」という種類で、その美しい見た目とは裏腹に和名は「闘魚」。気性が荒く、オス同士を同じ水槽に入れてしまうと激しい縄張り争いが始まり、どちらかが死ぬまで戦い続ける習性からこの名がついたそうです。

そこまで激しいものではありませんが、高専時代、仲は良いものの頻繁に衝突していた五条と夏油が脳裏に浮かびます。それに、結果的には同じ水槽(高専)から出て行ってしまい、『呪術廻戦 0』で描かれた百鬼夜行で五条に殺される夏油の運命を示唆しているようです。

また、それぞれの尾ヒレの形状が違うのは2つの可能性が考えられます。1つは種類が違う説です。白目(五条)の方が「トラディショナル」、黒目(夏油)の方が「クラウンテール」と呼ばれる種類に似た見た目をしています。2人の考え方や人間性などの違いを表しているのでしょうか。

もう1つは黒目が「尾腐れ病」にかかっている説。これは実在する病気で、ベタをはじめ観賞魚がかかる病です。尾ヒレが扇を裂いたような状態になっているのはかなり症状が進行したもので、心を病んでいった夏油の姿と重なるものを感じます。

黒目のベタを五条が目で追い、青目のベタから夏油が目をそらす(見なくなる)シーンも登場しますが、五条と夏油がお互いに対する姿勢が反映されていると私は考えています。

ゲームセンターのシーン

五条と夏油に加え、彼らと同学年の家入硝子、そのひとつ下の学年の七海健人、灰原雄の5人が学生だった頃の何気ない日常も描かれています。その中で注目したいのは五条と夏油が対戦しているゲームセンターでのシーンです。

五条側に硝子、夏油側に七海と灰原がついて応援しているのですが、夏油側の3人は今後亡くなってしまうという共通点があるのです。七海と灰原が五条よりも慕っている夏油側に付くのは自然なことではありますが、生真面目で優しい夏油とそんな彼を慕う後輩たちも命を落としてしまうというのはあまりに悲しすぎます……。

3人が別れるシーン、誰もいない部屋、3人の写真

エンディングの後半に差し掛かるあたりにも注目シーンが。放課後と思われる時間を共に過ごしていた五条、夏油、硝子が別れ、3方向にそれぞれ歩いていく場面です。五条と硝子が光に照らされているところを歩いていくのに対し、夏油は影の方に入っていきます。呪詛師として闇落ちしてしまう彼の行く末を暗示しているように思えてなりません。

このシーンの前には、3人が互いに手を振る様子が1人ずつ映るのですが、五条と硝子は明るい表情で振り返っていますが、夏油だけが振り返ることなくその表情は見えないまま。このシーンがいつ頃のものかはわかりませんが、既に夏油の心が闇に蝕まれ、友達である五条と硝子の顔を直視できない心情だったとすると、呪詛師としての事件を起こす直前なのかもしれません。

▼手を振る五条

その証拠、とまで言い切ることはできませんが、このシーンの直後に誰もいない部屋が映り、そこには3人の写真が残されています。これを見た時、夏油が呪詛師として大きな犯罪を犯して行方をくらませた際「実家はすでにもぬけの殻だった」という夜蛾先生の台詞が思い浮かびました。呪詛師の道を進むと決めた夏油は、高専の思い出を持ってはいけなかったのでしょう。

五条と硝子が、友達として最後に夏油に会ったのがこのときだったのかもしれない……とさえ私は思っています。
 

登場する植物・動物の持つ意味

映像にはいろんな植物・動物も登場します。そこで、それぞれの意味についても調べてみました。

硝子の背景に登場するのは銀杏(イチョウ)です。花言葉は「長寿」「鎮魂」「荘厳」であり、反転術式で他人を治療することができる稀有な能力を持っている硝子に合わせて選ばれたのでしょう。

次に登場するのは金木犀(キンモクセイ)。花言葉は、「謙遜」「気高い人」「真実」「真実の愛」。孤高の強さを持ち、六眼(りくがん)で真実を視る五条のモチーフと考えられます。余談ですが、「あの世」という意味を持つ隠世・幽世(どちらも読みは“かくりよ”)の花言葉もあるそうで、その点も『呪術廻戦』らしいなと思いました。

金木犀の直後に登場する彼岸花(ヒガンバナ)の花言葉は、「悲しき思い出」「諦め」「独立」「情熱」。夏油そのものだと思わざるを得ない意味が並んでいます。高専から、そして現世から彼岸(死後の世界)に行ってしまう彼のモチーフとしてはこれ以上のものはなさそうです。

その少し後に登場する赤い花は山丹花(サンタンカ)です。「熱き想い」「可憐」「喜び」「張り切る」のほかに、「神様の贈り物」という花言葉を持っています。こちらは、呪術界の要である存在「天元」と同化できる特別な存在「星漿体(せいしょうたい)」の少女・天内理子のモチーフと考えられます。

「可憐」の意味を持つ花は、ネモフィラやマツバボタンなど他にもありますが、山丹花が選ばれたのは沖縄の三大花であるからでしょう。なぜ沖縄なのかは今後のストーリーでわかるので、原作未読の方は物語の展開を楽しみにしていただければと思います。

そして、登場する生き物は猫とカタツムリのふたつです。自由、柔軟、気まぐれの象徴である猫は五条といっしょに描かれ、前進しかしないことから幸運、長寿、繁栄のシンボルとされるカタツムリを夏油が指でつついています。カタツムリは固い殻で守られていることから繊細さの象徴とも言われるそうです。深読みしすぎかもしれませんが、両者それぞれに似た部分を持つ生き物のように思えます。

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