この記事をかいた人
- タイラ
- 99年生まれ、沖縄県出身。コロナ禍で大学に通えない間「100日間毎日映画レビュー」を個人ブログで行いライターに。
7月14日より、宮﨑駿監督の10年ぶりとなる長編アニメ映画『君たちはどう生きるか』が遂に公開! あらすじや場面写真、TV・劇場用予告、グッズ展開や街頭広告など一切なしという異例の状況の中、公開された本作を皆さんはすでにご覧になったでしょうか?
全国で上映が開始されると、公式や各種メディアサイトから主題歌「地球儀」(米津玄師さん)のニュースが公開されるなどし、「#君たちはどう生きるか」がTwitterトレンド上位を獲得するなど、話題になっていた一方で、事前情報がなく鑑賞する勇気が出ない方もいるかと思います。
本稿では、そんなあなたの背中を押すべく本作の見どころや、過去の書籍、ラジオで語られていたこととあわせて、鑑賞後のレビュー・感想をお届けします。
筆者の個人的な考え方ではありますが、「宮﨑駿監督の最新作を映画館で観た」という経験自体がプライスレス! ぜひ本作を鑑賞して、賛否に関わらず自身の言葉で家族や友人と語りあいましょう!
あなただけの『君生き』が、そこにある!
※ストーリーの核心的なネタバレはありませんが、制作サイドの発言やファンの感想、公式・他サイト(インタビュー等)で公開されている情報などが含まれますのでお気をつけください!
公開前から、「冒険活劇ファンタジー」と銘打たれていた本作。それに違わず、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』など、数々の名作で見せてきた宮﨑監督渾身のファンタジー世界が描かれており、その世界にどっぷりと浸ることができます。
また、2011年8月にNHKにて放送されたドキュメンタリー『ふたり/コクリコ坂・父と子の300日戦争~宮崎駿×宮崎吾朗~』にて、宮﨑監督は「ファンタジー作品の難しさ」について語っていたことがあります。
国民が浮かれていて、終末の臭いに気づいていない時こそファンタジーがヒットする、みんながこの先ダメだと思っている時代に、何が作れるか。
宮﨑監督にとって、本作はその解答となる作品なのかもしれません。説明セリフは必要最低限に抑え、画で見せる。常に画面が、不思議で、不気味で、楽しく、可愛らしくて、どんなシーンも飽きがこない。とにかく常に次の展開が気になるんです。この独特の雰囲気はやっぱり、宮﨑監督にしか出せないものだと思います。
スタジオジブリ最新作公開記念!
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 7, 2023
3週連続 #夏はジブリ✨
今夜9⃣時
宮﨑駿監督の原点 #風の谷のナウシカ🌳
ひとりの少女が未曽有の危機に立ち向かう…‼️
未来へ希望をつなぐ物語🌱 pic.twitter.com/EE6CK3BAqj
本作には、宮﨑監督作品のオマージュと見られるシーンや、設定、演出が数多く見られました。
『未来少年コナン』、『カリオストロの城』のようなジブリ以前の作品から、『千と千尋の神隠し』、『もののけ姫』、『ハウルの動く城』などお馴染みの作品までほぼ全ての作品の要素が散りばめられており、該当シーンを探すだけでファンの皆さんにとっては楽しいはず! 作品を鑑賞した方が"集大成"という言葉を感想に用いるのも、このオマージュの影響があるでしょう。
最後までご覧頂きありがとうございました🙌
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 14, 2023
来週もスタジオジブリ‼️#宮﨑駿 原作・脚本・監督の『#もののけ姫』を放送します🎉
本日、最新作『君たちはどう生きるか』が公開された#宮﨑駿監督🎬が全身全霊をかけて描く
スペクタクル超大作です‼️お見逃しなく🤗#金曜ロードショー pic.twitter.com/SWcnKgqux2
そして、劇伴を務めるのは久石譲さんです。様々なジブリ作品で音楽を担当している久石さんの素敵な楽曲たちが作品を彩ります。特に本作では、現代的な雰囲気の曲が多い印象で、作品の不思議さや不気味さを強調するものになっていました。
ジブリ・久石楽曲らしさもありつつ、緊迫感やリアリティのある音楽を良い音響で楽しんでみてください。
一部のファンの間では『君たちはどう生きるか』のタイトルから、何らかの「教訓」を得れるような作品なのでは?という予想が立てられていました。
しかし、教えや指導というよりは、「自身がどのように生きてきたか」の開示とも取れるような作品でした。ジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫さんの著書「ジブリの文学」では"自分の等身大をさらけ出したものを最後にやりたい"と宮﨑監督は語り、実際に絵コンテを見た鈴木さんも少年時代のことを描いてあると言及。
小説『君たちはどう生きるか』の著者・吉野源三郎さんの孫である吉野太一郎さんの初号試写の感想や、企画時に行われた宮﨑監督の打ち合わせの様子を書いたコラム記事にも、宮﨑監督が「じぶんのことをやるしかない」と語っていたと記されています。
作品には、宮﨑監督やその周辺の人物、ジブリを表現したと思われる(あくまで解釈)キャラクターや出来事が描かれており、その生き方を見た上で、どう生きるのか?という作品になっていると思います。
また、ポスターにも登場する「青い鳥」の劇中最後のセリフには、宮﨑監督が兼ねてから語っているメッセージが込められているため注目です!
カヘッカヘッカヘッ pic.twitter.com/uUYHjaNMsX
— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) July 13, 2023
数々の作品のタイアップ曲を制作してきた米津玄師さんが、本作の主題歌「地球儀」を担当しています。近年では『チェンソーマン』の主題歌もヒットし、その楽曲のかっこよさだけではなく、作品への理解度の高さも話題になっていますよね。
今回の「地球儀」も例にもれず、作品への解釈とそれを楽曲に昇華させる米津さんの才能が炸裂! 楽曲を聞いていると、見終えたばかりの物語の主人公だけでなく、宮﨑監督の姿まで浮かんできて思わず泣いてしまいました。
本楽曲は、7月26日より販売開始です!
まだ本作は公開されたばかり。これからパンフレットの発売などが控えているので、今後の展開が楽しみで仕方ありません!
こんなことを言っては、本末転倒ではありますが、誰かの感想を待たずに、できる限りはやく見て欲しいです。信頼できる人の感想や、評論家たちの評価を見る前に視聴して自分だけの『君たちはどう生きるか』評、自分だけの生き方みたいなものを発見してから、感想や評価を比較するのもまたおもしろい!
本作は、それだけ特別な作品ですし、鑑賞した人の数だけ様々な楽しみ方、発見、感動があると思います。今すぐ劇場に行きましょう!
99年生まれ、沖縄県出身。コロナ禍で大学に通えなかったので、「100日間毎日映画レビュー」を個人ブログで行い、ライターに舵をきりました。面白いコンテンツを発掘して、壁に向かってプレゼンするか記事にしています。アニメ、お笑い、音楽、格闘ゲーム、読書など余暇を楽しませてくれるエンタメや可愛い女の子の絵が好きです。なんでもやります!