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ジャパンエキスポ2023に行ってみた!パリ現地レポート

【ヨーロッパ・フランス発】日本エンタメの祭典ジャパンエキスポ2023に行ってみた!パリ現地レポート

目次

INTRODUCTION

2023年7月13日から7月17日にかけ、フランスのパリで第22回ジャパンエキスポ(Japan Expo)がパリ・ノール・ヴィルパント展示会場にて開催されました。

今回は現地フランス人ライターが独自の視点で取材した、ジャパンエキスポのレポートをお届けします!

 ライタープロフィール 
N.L 日本在住フランス人(女性26歳) 日本に興味を持ったきっかけはアニメや漫画。一番好きな作品はコードギアスと黒執事です。 フランスに住んでいた時に毎年ジャパンエキスポに通っていたものですが、今回は久しぶりに行ってみました。

ヨーロッパ最大級!日本文化の情報発信イベント

端的に言うと、ジャパンエキスポは様々な日本の文化に触れることができる大型のコンベンションです。

フランスでも日本製のアニメやマンガ、ゲームの人気は高く、ファンがとても多いです。
また、ジャパンエキスポでは、エンタメ以外にも文化を紹介しており、日本の料理や、観光、ファッション、スポーツなど幅広いテーマを扱っています。
そのため、参加者のバックグラウンドも実に多種多様です。

最初のジャパンエキスポが開催されたのは1999年。その時は小さなガレージの中でスタートしました。

そして歴史は続き、コロナ禍の影響があり2020年、2021年には開催されなかったものの、3年ぶりに開催された2022年には、25万人以上の来場者を記録しました。
ここには、コミケに勝るとも劣らない熱気があるのです。

▲入場前は入口付近が非常に混雑していました。

▲入り口まで運行しているシャトルバスの待合所には、最近フランスでも人口が増えつつあるコスプレイヤーの姿がちらほら。


取材日となった7/14はフランスの革命記念日ということもあり、開場前から多くの来場者が詰めかけていました。
(ちょっと歴史のおさらいをすると、フランス革命は1789年の7月14日、バスティーユ監獄の襲撃事件に端を発して起こりました。夜にはエッフェル塔付近でたくさんの花火が打ち上げられ壮観! 多くのフランス人が楽しみにしているイベントです。)

▲プレミアムチケットの購入者へ配られる缶バッジ


ジャパンエキスポでは1日券と、全日券(4日分)の2種類があります。いずれもネットからのみの申込です。
今年は通常よりも早く入場できる「ファストパス」と、ファストパスよりも更に早く入場でき、再入場可能、限定グッズがつく「プレミアムチケット」が登場しました(通常の券と、ファストパスでは再入場ができません)。

▲チケットの種類で列が分けられるのは、日本のアトラクションでも良く見かけますね。


8歳未満の子供は入場無料で、多くのお子様連れの来場者が見られました。未来は安泰です!

会場で大きな地図やイベントスケジュール等を確認することもできますが、なにせ巨大イベント。
効率良くイベントを回るために、事前にジャパンエキスポのアプリをインストールし、気になるイベントはチェックしておくと良いかも知れません。

▲イベントに良いねを押しておくと、プッシュ通知を送ってくれます


▲ジャパンエキスポの地図

▲天井にも大きい案内図があり、迷った時はこちらを参考にできます。

▲イベントが山程あるので、計画的に会場を巡る必要がありますね。

▲入口で、ジャパンエキスポのマスコットに会いました!Chibi Dino(チビディノ)という可愛い恐竜です!

フランスでもやっぱり大人気!の企業ブース

ファストパスで入場し、早速多くの人が注目している企業ブースへ。

今年3D映画が大ヒットした任天堂は注目度が高いのか、新作ゲームの体験イベントに多数の参加者が集まったほか、LUSHとコラボした販売ブースでは、おなじみのキャラクターをイメージした石鹸を興味深そうに手に取る人がちらほら。

『原神』の大ヒットに続き、『崩壊:スターレイル』をリリースしたばかりのHoyoverseも大型ブースを用意し、大勢のファンが並んでいました。

その他ARのe-sportsを試遊できるブースがあり、開場直後から既にプレイしている方が。

マンガのエリアでは、数多くの出版社が出展!
意外と知られていませんが、「フランスは日本を除きマンガが一番販売されている国」とも言われています。それだけに、どの出版社も力を入れています。
Kadokawaのような日本ではお馴染みの会社もありますが、多くはMeianやKana、Pikaなどのフランス語でのマンガ出版社が出展しています。

日本ではもはやジャンルとして確立した感のある、いわゆる異世界転生ものも、最近フランスでは人気が出てきているようで足を止めている方が多く見られました。

Pika書店のブースでは、2021年にアニメ化された『ホリミヤ』のキャラと一緒にARで記念写真を撮ることができました。

▲堀さんと宮村くんと一緒に写真を撮ってみました。


『ホリミヤ』の作画担当、萩原ダイスケ氏がライブドローイングするイベントもありました。
ファンが目を輝かせながら描きあげられていく作品に見入っている様は、どれだけ日本の作品が世界に受け入れられているかを象徴するようです。

こういったARなどの最先端技術や、ライブイベントに触れられるブースが近年増えていますね。ファンにとっては嬉しい限りです。
少年ジャンプ掲載作品などの翻訳、出版を数多く手掛けるフランスの出版社Kanaのブースも注目度は抜群。

大人気の『ワンピース』、『NARUTO』のキャラクターがブースに設置されていて、ファンが記念撮影しようと盛り上がっていました。


▲ワンピースの巨大ルフィの風船

Webtoonもフランスでは既に多くのファンを獲得していて、ブースは注目を浴びていました。

ブースで紹介されていた、Toon Filterというサービスでは漫画のキャラクターになりきって写真を撮ることができます。手軽にキャラクターに扮することができて、写真を見た方は皆一様に笑顔に!

ピッコマのブースでは、一風変わったイベントが開催されていました。
配布している扇子に記載されているQRコードと、会場内に隠されている複数のQRコードを見つけるとガチャポンでアイテムを貰えるというもの。

さすがに会場内を探している時間はないし、どうしようかと迷っていると、会場内のQRコードを全て見つけたという猛者がブースに帰ってきました!許可を得て、何が入っていたのか見せてもらうと

キャラクターのステッカーが複数入っていました!猛者は大喜びでこちらも嬉しくなります。

各社それぞれに趣向をこらして、来場者に楽しんでもらおうという意図が伝わってきました。
こういった創意工夫が、多くのフランス人に受け入れられる理由なのかも知れません。


▲mangas.ioが作った「漫画の町」の入り口にある赤い鳥居

▲少女マンガを扱うブース自体をキュートな作りに

毎年恒例の目玉企画、大規模展示会

ここ最近のジャパンエキスポでは、大規模な展示イベントも開かれます。
今年の主賓は、『シティーハンター』『キャッツ♥アイ』の作者、北条司氏。

フランスで『シティーハンター』が実写映画化されて人気を博し、日本に逆輸入(?)されたことも記憶に新しいとおり、フランスで絶大な支持を得ている作家です。
カンファレンスやサイン会が行われた他、作中で度々描かれる喫茶キャッツアイを再現したブース、新宿駅の掲示版や冴羽獠の愛車と一緒に写真が撮れるコーナーなど、ファン垂涎の展示会となり、参加したファンの方は皆感激した様子でした。

他にも、『ラブひな』『魔法先生ネギま!』作者の赤松健参議院議員も登壇し、ヨーロッパへのマンガの影響や、国際関係におけるマンガの役割、製作時の経験について、作家と国会議員双方の視点を交えて語っていました。

クオリティは本場に負けない! 盛り上がりつつあるコスプレ熱

日本ほどメジャーではありませんが、フランスでもコスプレイヤーの数は増えてきており、ジャパンエキスポでも数多くのコスプレイヤーが参加しています。
ショップで衣装を購入し気軽に楽しむ方もいれば、衣装、カツラまで全て一から自作する人もいるなど楽しみ方は様々です。
今年は『鬼滅の刃』『原神』のコスプレが多く、北条司氏が主賓で招かれるということもあり、『シティーハンター』も見受けられました。

▲鬼滅の刃のコスプレ。右の人は腕輪を自作したと教えてくれました


ジャパンエキスポでは「ECG(European Cosplay Gathering)」と言うヨーロッパ最大のコスプレ大会の決勝戦が行われます。
ヨーロッパ15ヵ国のコンテストを勝ち抜いてきたコスプレイヤーたちが、その年のNo.1コスプレイヤーを争いステージ上で最高のパフォーマンスを見せてくれます。

またコンテストだけではなく、プロがコスプレのコツを教えてくれる講座や、何かしらのキャラに扮してさえいれば誰でも参加できるステージなど、多様な楽しみ方を提供してくれるのも、ジャパンエキスポの醍醐味です。

フランスでは中々コスプレ専用のスタジオを見つけることはできませんが、ジャパンエキスポでは和室やリビングなど、撮影に適したセットを使うこともできます。こういった背景も、コスプレイヤーが集う要因になっているのかも知れません。

もし人ごみに揉まれて大切なコスプレが破損してしまってもご心配なく!コスピタル(コスプレとホスピタルの造語)のブースで修正できますよ。

幅広いイベントが楽しめる特設ステージ

各特設ステージではライブ、伝統芸能、武道など様々なイベントが開催されています。

まずはライブステージに行くと、取材時にはBanzai Japanというアイドルバンドが曲を披露中で、最前列のファンが歓声を上げていました。

今年のライブステージはとても豪華なプログラムになっていました。
音楽以外のステージはテーマごとに分けられていて、Sakura Stage(サクラステージ)は日本の伝統芸能、Budô Stage(ブドーステージ)は武道、Také Stage(タケステージ)はe-sportといったように、日本人には馴染み深い言葉が割り当てられています。

それぞれ体験はもちろん、インストラクターによるデモンストレーションを見ることもできます。
フランスでは柔道は既に国民的スポーツと言っても過言ではない程に普及していますが、薙刀や弓道はまだ知らない人が多いせいか、デモンストレーションを披露する度に感嘆の声が上がっていました。これを機会に今後広まっていくかもしれませんね。

忘れちゃいけない、日本の自治体ブース

日本の様々な文化を紹介するイベントですから、当然の如く自治体も出展してきています。
JNTO(日本政府観光局)のブースでは国内様々な美しい観光名所を紹介する展示会を開催。

ブースを見ていると…何とくまモンに遭遇しました!
ジャパンエキスポのマスコット、チビディノと連れ立って歩く様子は、まさに日仏国際交流を象徴するようです(大げさ)。

伝統技能を紹介するコーナーもあり、美しい刺繍が入った羽織や、上品な小物などを手に取ることもできます。

留学を支援する企業のブースもありました。ジャパンエキスポをきっかけに日本に興味を持って、来日してくれる人が増えると良いですね。

日本食のフードコートでひとやすみ

お腹が空いたら、複数あるフードコートで腹ごしらえができます!
日本ではおなじみの牛丼やおにぎりなどのファストフードのほか、ベトナムのサンドイッチのバインミー、中国の餃子や焼きそばのようなものもありました。そして当然ながらお昼時には混み合うので注意。前もって用意しておく方がいいかもしれませんね。


おにぎりがとても人気で買えなかったので筆者はバインミーにしました。

まとめ

ジャパンエキスポは毎日18:30まで開催されます。
冒頭で記載した通り、7/14は革命記念日。会場がパリ市街にあるので、ジャパンエキスポを楽しんでからエッフェル塔に向かって夜の花火を楽しむ、なんて贅沢な楽しみ方もできます。

République(レピュブリック=共和国)広場にはマンガ、フィギュアの専門ショップもあります。
マンガ熱が高まったら、足を伸ばしてみるのも有りかもしれません。

日本文化の魅力を余すところなく体験することができ、多くの笑顔に触れられるジャパンエキスポ。

機会があれば、是非参加してみてくださいね。

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