「写真集」のように様々なシーンを切り取った1枚──3rdミニアルバム『POLAROID』の魅力や初ホールワンマンライブへの意気込みをNACHERRYの2人が語る! 村上奈津実さん・田中ちえ美さん対談インタビュー
声優の村上奈津実さんと田中ちえ美さんのユニット、NACHERRY(ナチェリ)の3rdミニアルバム『POLAROID』が2023年8月2日に発売!
今作は「写真集」のように様々なシーンを切り取った1枚というコンセプト。リード曲「テレポーテーション」はフジファブリックのキーボード、金澤ダイスケさんによる作詞作曲で、さわやかでせつなくて、でもエモいという今までのNACHERRYの新たな引き出しを魅せます。
新曲「WE ARE THE “HEROES” !!」はアメコミヒーローチック、「Queen bee」では気高くも寂しがりやの大人の女性を歌い、更にファンクラブソング「NACHERRY PARK」に、なっちゃん盤とちぇみー盤にはそれぞれのソロ曲も収録。二人が「自信作」と声を合わせるほどの1枚に!
10月8日には初のホールワンマンライブ『NACHERRY 2nd LIVE 〜WE ARE THE “NACHERRY”!!〜』も開催。注目の1枚『POLAROID』やライブについて、お二人に解説していただきました。
写真集のようにいろいろなシーンを切り取った1枚に。NACHERRYの幅ももっと広く大きく
──まず3rdミニアルバム『POLAROID』のコンセプトやタイトルの由来を教えてください。
村上奈津実さん(以下、村上):今回は「写真集」のように、過去も未来も、現実もファンタジーもいろいろなシーンを切り取った1枚にしたいと思いました。
田中ちえ美さん(以下、田中):またサウンドに関しても、今まで私たちはアメリカンロックを掲げてきたけれど、それにとらわれない楽曲もいろいろと歌うようになっていて。なので、幅広いジャンルの曲を歌っていくことで、よりNACHERRYの可能性に挑戦していきたいという想いも芽生えてきました。
村上:チアソングっぽい曲も歌いたいねという話もありました。
田中:その結果、チャレンジングな楽曲が増えたけど、でもみんなが「好き!」と言ってもらえるアルバムになったかなと思っています。
──その挑戦の1つはリード曲「テレポーテーション」かなと。今までのポップで明るいNACHERRYとは違う一面が見えてきて。
田中:初めて聞いた時、私が好きな雰囲気と世界観だなと。そして海を舞台にした青春ストーリーが頭に浮かんできたり、懐かしさも感じて、清涼飲料水のCMソングにもピッタリかも! と。
今までこういうタイプの曲がNACHERRYにはなかったので、嬉しかったです。また、寄り添う感じの歌い方をすることで、みんなを励ましたり、勇気付けられたらいいなとも思いました。
村上:イントロを聴いた瞬間、「この曲を私たちが歌うんですか?」とスタッフさんに尋ねてしまいました(笑)。それくらい今までのNACHERRYの楽曲のイメージからかけ離れていて。
驚いたのと同時に「めっちゃ、いい曲じゃん!」と。メロディだけでもすごく好きになれたので、これで歌詞と合わさったら、新たなNACHERRYをお見せできるのと同時に、人気な曲になるだろうなという手応えも感じました(笑)。
──作詞・作曲はフジファブリックの金澤ダイスケさんで、さわやかで疾走感のあるイントロやBメロからエモーショナルにビートが上がっていき、サビでは帯びた熱さがあって。
田中:フジファブリックのファンの方が聴いても「なるほど」と思っていただけるのではないでしょうか。メリハリがしっかりしている曲だからこそ、世界観に入り込みやすいし、サビの盛り上がりを感じてもらうために、私たちもA、Bメロでは少し抑え気味に歌っています。
今までは「みんな、盛り上がろうぜ! 楽しもうぜ!」という曲が多かったけど、この曲ではどっぷり世界観に入り込んでもらえるように意識しています。
──歌詞も1サビの「走れ私 息切らして あの夏にもどれ」~「テレポーテーションしてこの気持ち伝えなきゃ」など青春っぽさやエモさがあって。全体に「だった」など過去形の表現が多いのも意味ありげで。
村上:過去を振り返って後悔みたいなものもあるんでしょうけど、でもそれは決して悪いことではなかったと思えるような、主人公の成長も歌詞から感じられるところがエモいんですよね。
またA、Bメロで過去の話をしているのに、サビで現在の話をしていたり、最後は未来の話をするという流れもエモいです。
田中:私は過去を振り返ると、「あの時、ああすればよかった」と後悔することが多くて。でもこの曲では過去を振り返った後、「私は今を生きていく」と前向きになれるし、歌っている私も成長していける気がします。
NACHERRY初のサマーソングは切なく、エモーショナルな楽曲に
──お気に入りのフレーズを挙げるとすれば?
田中:曲頭の「君は風の中で何を伝えようとしたの」も好きですが、ずしんと来たのはラスサビ前の「私たち少しは大人になったの?」です。まだちょっと不安なところもあるけど、自分の中で少しそう思い始めた部分も表しているようで。
この歌の主人公、つまり私たちの成長も感じられる。その前の「あれからどれくらい経ったのだろう」も振り返ることで、どんどん強くなっていく、大人になっていく部分が鮮明に表れていて。
ラスサビ前ということもあり、「伝われ! 響け!」みたいな気持ちで歌ったので印象深いフレーズです。
村上:ラストの「これからも隣にいよう 2人でいよう」です。それまでは会いたくて、走っていたり、追いかけているような情景が続いていましたが、最後にやっと「会えたんだね」と。まさにハッピーエンドという感じで、気持ちよく終われるので好きです。
田中:2Bの「波の歌が記憶を呼んでく」も素敵じゃない? 1つひとつの言葉選びもきれいで素敵で。誌的な表現で、言葉にしたらちょっと恥ずかしいことでも、このメロディで歌っていると美しく聴こえるし、心に刺さるんですよね。これが歌の力なんだなと。
──レコーディングはいかがでしたか?
村上:めちゃめちゃ緊張しました。今まではまったく違うテイストの曲だったので、今までと同じ歌い方ではダメだろうなと思って、「これでいいのかな?」と自信を持てないまま、自分なりに考えながらいっぱい練習しました。
田中:きっとどのアプローチも間違いではないから、なおのこと難しくて。私たちの声の響かせ方や歌い方で聴き手の方の感じ方も変わってくるし。ソロバージョンもレコーディングしましたが、全然聴こえ方が違って。
正解はないけど、自分の中で「こうしたい」という明確なイメージはあるから、いかにそれを出そうか、かなり悩んだ気がします。
──夏・海・青春が描かれていてリリースされる8月にピッタリですね。
田中:NACHERRY初のサマーソングは、既にジャケットが公開されていたこともあって、もっと明るめなお祭りみたいな曲を想像された方が多いかもしれません。
夏に明るく、元気なイメージもあるけど、せつなさやエモーショナルな面もあって、そういう部分を今回歌えて嬉しいです。
村上:この曲から夏の匂いを感じるんですよね。あと「走れ私 息切らして」や「君のシルエット 大きくなる」など臨場感あふれる表現になっていて、情景が連想しやすさもあって。MVも私たちがイメージしていた映像そのものになっていたので、感動しました。
──MVは自然体でくつろぐ2人の姿とポートレイト写真を散りばめた懐かしさも。
田中:エモい表情を意識しつつも、演技っぽくせず自然体で。ただ窓を眺めたり、ベッドに寝転んだり、日常的な表情を見せつつ、情熱的なところも見せるというメリハリが効いた、ドラマみたいなMVになっています。
村上:初めて歌詞を見た時は1人の人物の気持ちが綴られていると思っていましたが、MVができてから、田中が歌っている時に私が映っていたり、私が歌っている時は田中が映っていて、「お互いを想い合っている歌なんだ」という発見があって感動しました。
──1コーラスめは部屋での日常っぽいシーンで、2コーラスめでは外に飛び出して。また随所にアルバム名っぽいポートレイト写真が随所に散りばめられていてドラマチックな構成でした。シーン数が多かったので大変だったのでは……?
田中:1日で撮り終わりました。最初は都内のハウススタジオや公園で撮って、そこから千葉の南房総へ移動したので時間との勝負でした。
村上:千葉に向かっている時は「もう日が沈んでしまうのでは?」と不安でした。
田中:でもラストシーンも最高のロケーションで撮影できたので、早く完成した映像を見るのが楽しみだったし、早く見てほしいなと思いました。
村上:最初から最後まで1つのドラマみたいにつながっているので、ぜひフルサイズで見ていただきたいです。