マンガ・ラノベ
『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』志馬なにがし先生インタビュー

ヒロインは視覚障がい者。きっかけは道下美里選手のリオパラリンピック銀メダル獲得――第15回GA文庫大賞《大賞》受賞作品『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』原作者・志馬なにがし先生インタビュー

自分で書いて、こんなに泣いた作品はありません

――街で見かけた横断幕から、ここまで解像度の高いストーリーに膨らませるなんて、月並みですが、すごいという言葉しか出ないです……そうすると、あのラストシーンも最初から構想にあったのでしょうか?

志馬先生:ラストシーンは当初から想定していまして、むしろラストシーンに向けて本作を書きました。ラストシーンを書きながら、私の心にもヒロインである冬月小春という少女が心に焼き付いていき、ボロボロ泣いたことを覚えています。自分で書いて、こんなに泣いた作品はありません。

――私も拝読させていただき、号泣しました。著者自身も涙したラスト、沢山の方に見ていただきたいですね。さてここからは、先生ご自身のことにも触れていきたいと思います。先生が好きな作品やジャンルなど、ご自身のことについてお伺いしてもいいでしょうか?

志馬先生:漫画・アニメ・映画と、さまざまなジャンルが好きです。小中高生のときはゲーム(FF、ドラクエ、テイルズ、パワプロなど)をたくさんしました。テイルズ オブ ファンタジア、デスティニー、エターニアはとくに好きでした。朝早起きして、レベル上げしてから学校に行くような小学生でした。

ゲームをしつつ、漫画を読み漁りました。桂正和先生、赤松健先生、あだち充先生は私の青春でしたし、うすた京介先生のシュールなギャグも大好きでした。

大学生のときは家の近くに個人経営のDVDレンタルショップがあって、店長さんと仲良くなったことがきっかけで年間100本くらい映画を観ていました。大学の終わりかけ~社会人ごろからは、ライトノベル、小説、アニメを嗜んでいます。

今は「推しの子」「あかね噺」「彼女、お借りします」などなど続刊を心待ちにしている漫画も多いですし、「無職転生」のアニメ2期含め、今期見たいアニメが多いですし、10月から小林湖底先生の「ひきこまり」のアニメも楽しみにしています。

「りゅうおうのおしごと!」「ミモザの告白」など個人的に推しているライトノベルの続刊にも期待を寄せております。あと吉田修一先生が新刊を出されているので、そちらも読みたいと思っています。……と、このように、エンタメが好きすぎて、人生が足りないといつも思っています。

――確かに(笑)。読書時間、プレイ時間ともに圧倒的ですね。

作風に関しましては、さまざまなライトノベル・小説を読んで勉強させていただきました。最終的には、(すごく恐縮な思いではありますが)参考にさせていただいた方として、ライトノベルからは白鳥士郎先生、平坂読先生、伏見つかさ先生、ライトノベル以外からは、吉田修一先生、奥田英朗先生などから勉強させていただいて、今の私の作品があると思っています。

――ジャンル問わず、様々な作品を読まれているからこそ、本作のような「いい意味でライトノベルっぽくない」作風が出せるんですね! さて、これでついにプロ作家デビューとなるわけですが、今後書いてみたい物語やジャンル、本作の続編など、今後の執筆活動についてお伺いしてもいいですか?

志馬先生:今後書いてみたいジャンルは明確には決まっていませんが、ずっと、がんばる人を書いていきたいです。そして、がんばる人が、読んでくださった方の心に残る作品になったらいいなと、目標にしていきたいと考えています。

小説は、登場人物の人生を読みやすく切り取った作品だと思っています。それこそ、登場人物が死ぬまで、もしくは登場人物が残した想いが消えるまで、作品にしていけるものだと思います。つまり、本作の余白はまだまだありますので、何らかの形で皆さまにお届けしたいと考えております。

――楽しみにしています! ぜひ、アニメイトでも先生を応援していきたいと思っているのですが、「アニメイトでやってみたいこと」とかありますか?

志馬先生:アニメイト様は私の青春にいつもあった店舗様なので、自作が並ぶのか~、と思うとうれしい反面、少しくすぐったくもなる不思議な感覚があります。

よく伺わせていただいた小倉と秋葉原の店舗はご挨拶させていただきましたが、発売後も再度ご訪問させていただきたいです。

また、サイン会も是非という気持ちです。母親に話すと「私も行く」と張り切っていますので、「大人になってめちゃめちゃ恥ずかしい参観日」になるかもしれませんが、ぜひやらせていただけると幸いです。

――ぜひ、サイン会やらせてください。お母さまにもぜひ来ていただけると嬉しいです(笑)。話は尽きないのですが、残念ながらこのあたりでお時間が来てしまいました。最後に、読者の皆さんに一言お願いいたします。

志馬先生:本記事をご覧いただきありがとうございます。「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」が、貴方様にとって、かけがえのない作品になれば、これ以上のしあわせはないと思っています。よろしければ手に取っていただけると幸いです。

作品情報

GA文庫 2023年8月10日頃発売
『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』
著:志馬なにがし イラスト:raemz

▼試し読み▼
http://ul.sbcr.jp/GA-YGv56

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