須堂への恋心は“子犬”っぽくならないように注意しました!│アニメ『AIの遺電子』樋口リサ役・宮本侑芽さんインタビュー【連載第3回】
野崎の“ダメ男感”が、もう最高
――第5話まで演じられ、リサのとらえ方が深まったり、変わったりしたエピソードやシーンはありますか?
宮本:「なりきりドラマ」のあった第4話は、病院以外でのリサが見られたという意味で、リサを演じるうえでの一つのピースになりました。特にレオンとの会話は、「友達といるときはこんなにフランクに喋っているんだ!」という新たな一面を知ることができました。
――第4話終盤のレオンのセリフも意味深でした。
宮本:心の機微が細かく描かれているので、いろいろ想像しては切なくなってしまいます。この二人の関係も今後また描かれますので、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。
――では、須堂の印象についてもうかがえますでしょうか。
宮本:一見すると、とっつきにくそうに見えるのですが、意外とお茶目なところもあって。それがアニメになり、大塚さんの声がついたことでよりかわいいなと感じることが増えました。冷静そうに話しているけれど、実はこの状況を楽しんでいるんだろうなと伝わってくる場面が結構あるんです。それがたまに出てくるフランクな喋り方、語尾に表れるのが好きです。リサを演じているからかもしれませんが(笑)。
――しかも、すごく優しいお医者さんですよね。
宮本:そうなんです。患者さんにしっかり寄り添っていますし、子どもに対しても同じ目線で話しているのがいいなと思います。私もリサと同じにように「もっと違う顔が見たい!」って思うようになりました。後半になるとリサとの過去も描かれ、彼女への思いも見えてくると思うので、須堂がますます魅力的に見えると思います。
――カオルについてはいかがでしょう?
宮本:「急に強敵が現れた!」と思いました。演じていてもリサを通して大きな壁を感じて。リサからすれば自分が知らない須堂の一面や過去を知っているというだけで嫉妬心が生まれますし、そんな人が急に現れたらやっぱりそわそわしてしまいます。どこかこなれた感じの二人の会話を見て、リサはそこに大人と子どもの壁のようなものを感じたようにも見えました。カオルもキーパーソンなので、ぜひその存在にも注目してください。
――アフレコで思い出に残っていることは何かありますか?
宮本:アフレコは分散収録でゲストの方とは一緒に録れたり録れなかったりだったのですが、第4話は野崎とナナと一緒に録ることができました。そのときの野崎の“ダメ男感”が、もう最高で(笑)。あのキャラクターをどう演じられるのか、野崎役の宮瀬(尚也)さんとは初めましてだったこともあって、収録前からずっと楽しみにしていたんです。そしたらダメ男でもこんなに愛くるしくなるのかと。お芝居もそうですが、宮瀬さんは同年代でお芝居が大好きな方だったので、そういう意味でもたくさん刺激を受けました。
――野崎はAR恋愛ゲーム『ラブドリーム2』のナナにハマっていきますが、現実でこのゲームが実現したら実際に起こりそうでぞわっとしました。
宮本:私も、本当に実現したらちょっと怖いなと思いました。理想がどんどん高くなって人間相手にも完璧を求めてしまいそうで、やっぱり私はいいかな……と(笑)。
――理想的なゲームですけど、のめり込みそうです……。
宮本:好きなキャラクターや人物を再現できるのはすごいですが、のめり込みすぎて、そのAIでよくなったり、ヒトとAIの区別がつかなくなったりしそうなのもちょっと怖いです。
――まさに野崎がそうでしたね。イチカの名前をナナと呼んでしまって。
宮本:あれはもう絶句しました! しかもその相手は自分を模したキャラクター。純粋といえば純粋ですが……やっぱりダメ男だと思います!(笑)
――このほか、ここまで演じられて印象に残っているエピソードを教えていただけますか?
宮本:特に好きなのは第2話のジュンとマサのお話です。いわゆる高校生の部活もの、青春ものとしての面白さに、ヒューマノイドの葛藤、成長という『AIの遺電子』ならではの要素が加わっていて。原作を読んだときから大好きなお話でした。知らないところでライバルが応援してくれていた。それを知ったときのマサへの感謝と、自分への恥じらい、そういう感情が混ざり合ったところが特に好きです。
――ちなみに宮本さんはヒューマノイドとの共生は可能だと思いますか?
宮本:どうでしょう……。『AIの遺電子』に出てくるようなほとんど人間と変わらないヒューマノイドなら、共生していてもきっと違いがわからないと思うので、普通に受け入れていると思います。
――大塚さんにも前回のインタビューでうかがったのですが、「ルールや倫理観が最初から根付いているのであれば」当たり前のように共生できるとおっしゃっていました。逆に、急に目の前に現れたら怖いかもしれない、と。
宮本:確かにその通りだと思います。世界がすでに受け入れていればきっと違和感はないでしょうし、でも今の世界で目の前の人に「ヒューマノイドなんです」と言われたらやっぱり驚いてしまいそうです。
――では最後に、第6話以降の見どころを教えてください。
宮本:リサとしてはレオンとの関係、そして須堂への気持ちがどうなっていくのかに注目していただきたいです。須堂はリサにデレてくれるのか!? 私も楽しみにしております!
TVアニメ『AIの遺電子』作品情報
放送・配信情報
2023年7月7日よりMBS・TBS・BS-TBS ”アニメイズム”枠ほかにて放送中!
■放送情報
MBS:毎週金曜日 25:53~
TBS:毎週金曜日 25:53~
BS-TBS:毎週金曜日 26:30~
AT-X:毎週日曜日 23:30~
【リピート放送】毎週木曜日 29:30~ / 毎週日曜日 8:30~
RKK:毎週金曜日 26:23~
■配信情報
U-NEXT、アニメ放題、dアニメストアほか、各配信サイトでも配信中!
・7月7日より 毎週金曜日26:25~ 配信開始
U-NEXT・アニメ放題
・7月11日より 毎週火曜日24:00~ 配信開始
dアニメストア
・7月14日より 毎週金曜日22:00以降 順次配信開始
ABEMA・Amazon Prime Video・DMM TV・Hulu・FOD
バンダイチャンネル・ニコニコチャンネル・MBS動画イズム
TVer・Lemino・WOWOWオンデマンド・クランクイン!ビデオ
Google Play・J:COMオンデマンド・auスマートパスプレミアム
TELASA・milplus(みるプラス)・HAPPY!動画
イントロダクション
これは、私たちの未来の物語――。
21世紀に始まったAIの圧倒的な進歩は、社会の発展に寄与する一方、高い知性を持つ機械を道具として使う是非を、人類に突きつけた。
そして22世紀後半。
人々は「産業AI」とは別格の存在として、人権を持った「ヒューマノイド」を当たり前に受け入れ、共に暮らしている。
須堂光は、ヒューマノイドを治す新医科の医者として、ヒトとAIの共存がもたらす「新たな病」に向き合っていく。
時に、裏の顔も使いながら……。
キャスト
須堂 光:大塚剛央
樋口リサ:宮本侑芽
ジェイ:岩中睦樹
カオル:高森奈津美
スタッフ
原作:山田胡瓜(秋田書店「少年チャンピオン・コミックス」刊)
監督:佐藤雄三
シリーズ構成・脚本:金月龍之介
キャラクターデザイン・総作画監督:土屋 圭
サブキャラクターデザイン:尾崎智美
色彩設計:中内照美
美術設定監修:矢内京子
美術設定:田中 涼
美術ボード:河野 羚
撮影監督:畑中宏信(グラフィニカ)
モニターグラフィックス:加藤道哉(サイクロングラフィックス)
編集:塚常真理子
音楽:大間々 昂、田渕夏海
音響監督:小泉紀介
音響効果:山谷尚人(サウンドボックス)
音楽プロデューサー:水田大介
音楽制作:日音
音響制作:Bit grooove promotion
アニメーション制作:マッドハウス
製作:AIの遺電子製作委員会2023
主題歌情報
オープニングテーマ:「No Frontier」/Aile The Shota
エンディングテーマ:「勿忘草」/GReeeeN