<ヒロイン“じゃない”><物語の“モブ”>にスポットライトをあてる──コンセプトミニアルバム「本壊」リリース記念ニノミヤユイさんインタビュー|歌詞もたくさんみて、私の気持ちを受け取ってもらえたら、とても幸せです
音楽が私は大好きで、自分を表現する大切なツールだと改めて感じました
──各楽曲の聴きどころや、レコーディング時に意識したこと、苦労したことなどをお聞かせください。ご自身で作曲もされた「ヒロイン」については、作曲作業をする上で大切にしたことなどもぜひお聞かせください。
ニノミヤユイ:M1「Another」は曲調から決まりました。ヒップホップの要素やガールクラッシュ的な要素を入れた曲がほしいと、そういうオーダーから始まり、ヒロインになれないけど、芯が強くて可愛い「負けヒロイン」をイメージして作詞もしていきました。語感やリズムを意識して作詞するのがとても難しかったです。
M2「運命論」は、ストレートにロック、その音と、「ヒーロー」という主人公属性が際立つテーマにすることで、「ヒーローになりきれない、モブヒーロー」を強いイメージで出せるかなと曲調と物語を同時に組み立てていきました。
曲もキャッチーで、語感も楽しいので、作詞していて1番進みが早かったです。すでにライブ映えがしそうな予感がすごいので、ライブで歌うのも楽しみです!
M3「主役のあの娘は友達」は、ボカロ・UTAU系クリエイターの青谷さんに直接お願いした曲です。私が今まで避けてきたキラキラした曲調、そこにニノミヤユイらしさをどれだけ乗せられるかという、今回1番挑戦的な曲だったかもしれません。
青谷さんのつくる、キャッチーだけどどこかほの暗い、ダウナーな雰囲気とイメージが合致したのでお願いしたのですが、本当にいいバランスで作って貰えたなと、曲を聴いてびっくりでした。ボーカルもかなり世界観に合わせて変えたので、ぜひ歌声もチェックしてもらえると嬉しいです。
M4「picture frame」は、コンペで集めさせていただいたのですが、私としては即決だったくらい第一印象から好きな曲でした。最初は歌詞も私が書く案もあったのですが、コンペのときから作ってくださってた歌詞がとても素敵だったので、今回は作詞もイワサキメイさんにそのままお願いしました。
この曲だけはバッドエンドの物語で、私がミステリー小説が好きで良く読むので、本当に古典的な、洋館・密室・殺人…的な雰囲気でイメージしています。ライブで演出しがいがある曲だなと今から楽しみにしている曲です。
M5「ヒロイン」は、この短編集のエピローグ、という立ち位置でつくりました。「じゃない方」の物語を描いていた私自身も、また「じゃない方」で。葛藤し、悩み、進んでいくその様を私の等身大で表したかったです。
今まで感じたことも、全部全部詰め込んで、必ず私は私を越えていきたい、そんな想いをこめて作詞しました。歌詞もたくさんみて、私の気持ちを受け取ってもらえたら、とても幸せです。
──楽曲ごとに、特にお気に入りの歌詞をお聞かせください。(ご自身で作詞した際に思いを強く入れ込んだ歌詞や、他の作家さんに作詞をお願いしたことで「自分からはなかなか出てこないな」と感じた歌詞など)
ニノミヤユイ:M1「Another」は「物語が違えば 君の隣私だったかな」という歌詞がお気に入りです。どうにもならない切なさと、もしどこかでなにかが違えば……というifを考えてしまう苦しさが私のなかで負けヒロインにぴったりかなと思いました。
M2「運命論」はかなりお気に入りのフレーズをたくさん乗せられたのですが、特に「憧れた赤色はどうやら似合ってないな」の部分は、ヒーローといえば赤、そんな赤が似合わない自分。という悲しさというか、切なさというか、諦め的な雰囲気を良いバランスで出せたかなと思っています。
M3「主役のあの娘は友達」は私が考えてたことを本当に良く突かれてしまって、苦しくなるくらい歌詞の持ってる力が強いです。
私だったらここまでストレートには書けないかもというところも、ぐさっと刺されたのがいい意味で私もダメージたくさんくらいました(笑)。特に「いいないいな眩しいな 自分らしいって呪いみたい」というのは最近自分で考えていたことにも通じるところがあったので、かなり響きました。
M4「picture frame」は、歌詞とメロディのハマり方がすごく好きで、メロディがよく立つなと歌っていてよく思いました。サビ前の三拍子の部分は私もすごく好きです。
「可もない 不可もないけど 才はないそんなストーリー」というのは、私的にすごく刺さって抜けないポイントです。
M5「ヒロイン」は、ひとつひとつのフレーズにかなり想いをかけたので、本当にすべて思い入れが強いのですが、「真面目に喜んで 真面目に傷付いた そんなことが馬鹿にされる世界だから」というのは、私がずっと繰り返してる葛藤です。
青臭いとか、大人になりきれてないとか、私も自分のことを思うときはあります。そんな自分を認めたい、認めたくない、いつでも揺れてばかりです。そんな思いが詰まってる部分かなと思っています。
──自身初のコンセプトミニアルバムを製作する上で、これまでとはまた違った形でご自身の内面や、今考えていることに向き合われたかと思います。アルバムの製作を通して感じたことをお聞かせください。(発見したこと、成長したこと、再認識したことなど)
ニノミヤユイ:今回色んなことに挑戦してみて、やっぱり自分はこれが好きだとか、こういう部分が私は苦手なんだと自分を客観視することができたのはすごく大きかったです。
でもやっぱり、どんなに曲づくりが苦しいとなっても、音楽が私は大好きで、自分を表現する大切なツールだと改めて感じました。
──(ミニライブを除くと)直近のライブイベントとして、ARCANA PROJECTとのツーマンライブが8月19日(土)に控えています。ライブへの意気込みをお聞かせください。
ニノミヤユイ:ARCANA PROJECTさんは、毎回曲もすごく力強くて、メンバーさんひとりひとりのパフォーマンス力もすごく高い印象のグループなので、ご一緒できることがとても楽しみです。
やっている曲の方向性も違うからこそ、得られるものがたくさんあるのではとドキドキしています。私も負けないくらい、良いパフォーマンスができるよう今から頑張ります!
──アーティスト活動における、今後の目標をお聞かせください。
ニノミヤユイ:色んな機会を通して仲間を見つけにいきたいです。苦しんでる人や、少しでも前を向くために頑張ってる人たちに寄り添える存在になりたいです。
ニノミヤユイの音楽を好きなってくれた人と、色んな景色を見れるように、私は全力で頑張っていきます!
コンセプトミニアルバム「本壊」商品情報
発売日:2023/08/02
価格:3,080円(税込)
アニメイト特典
■缶バッジ
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
■複製サイン&コメント入りL判ブロマイド
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。