音楽
斉藤朱夏にとっての“愛”の形|キミが<愛してしまえば>って言ったら平和になる。虹がかかる。

楽曲を通して、一人ひとりの愛や恋を全肯定をしていきたい――斉藤朱夏が“キミ”に送る、純度100%の夏のラブソング。3rdミニアルバム『愛してしまえば』に込められた、さまざまな愛の形、今の思いを明かす【超ロングインタビュー】

<ありえないぐらいに君が好きです>

──そして4曲目に「伝言愛歌」が。さきほどにもお話がありましたが、改めて制作を振り返るといかがでしたか。

斉藤:これは本当に大変でしたね(苦笑)。プリプロまで時間が少なかったこともあって、ほぼ1日で覚えました。今回、ギリギリまで制作をしていたんです。このミニアルバムがより良くなるためにと、ギリギリまで曲を作っていて。そうした中でこの曲が届いて頭を抱えました(笑)。「すっごいむずい! いろいろな展開する!」って。

できる限りの時間で物語や感情を読み取りつつ、歌い方を考えていきました。例えば<ちくり ちくり><あいたたた>の部分とか。この曲、本当に言葉がかわいいんですよね。今まで自分が出してこなかったかわいさ、みたいなものをこの曲には詰め込みたくて。

──<やっぱこんな顔 見せらんない>ってところもかわいいですよね。

斉藤:「女の子ってきっとそうだよね!」って思いました。「待って、こんな顔見せられないよ!」って。男の子もそういうところがあるかもしれないですけど、常に完璧な状態を見せたいので、それはすごく分かるなって。私自身もライブで完璧な姿を見せたいからこそ「え。待って!」ってタイミングもありますし。だから片思いの曲ではあるんですけど、恋愛ではなく、人生においても重なる曲だなって。

──ライブだとまた違う輝きを放つんだろうなと思います。例えば<もう準備はいいですか>とか。

斉藤:ライブでは相当変わると思いますね。今練習していますけど……本当に無理だ!ってなってます(笑)。

──<ありえないぐらいに君が好きです>を聴けるのを楽しみにしています。

斉藤:(笑)。自分自身もドキドキしながら歌うんだろうなって思っています。1サビ、2サビはファルセットにしていますけど、3サビは「伝える!」って言ってるからこそ、地声でパーン!と出しているので。ライブでは見どころになると思います。私、展開が早いと「今どこ歌ってたっけ!?」ってなることがあるんですよね。

──へえ! 

斉藤:なるんですよ、本当に。「イッパイアッテナ」は一時期よくテンパってました。頭が追いついていなくて、でも楽曲は進んでいくし「待って待って!」って。テンパる瞬間もあります。

──でもそれすら楽しんでる感じがする……。

斉藤:楽しんでますね(笑)。ちょっと噛んじゃうとニヤニヤしています。「噛んじゃったよ、バレてないかな」って。この楽曲も掛け合いがすごく多いので、みんながどう歌ってくれるのかが楽しみです。

──また、Panさんから愛が込められた曲だからこそ、愛で返したいですよね。

斉藤:そうなんですよ。Panくんのこだわりも聞いていましたし、話し合いながら作っていって。すごくフレッシュな愛という感じがします。ケイさんとは長い間一緒に作っているので熟年感がありますけども(笑)。

これまでとは違う愛のベクトルだからこそ、自分も違う返し方をしています。ケイさんの場合は本当に他愛もない会話から楽曲にしてくれることもあるんです。「あの時、ああ言ってたじゃないですか」とか言われると「そんなこと覚えてたの!?」とビックリします。

ケイさんの愛の表現の仕方ってきっとそういうものなんだろうなって。ケイさんって不器用なので。直接的には言わないし、一つ一つをパーツにして、投げて、歌で返してくれるという感じがします。

一方で、Panくんはケイさんとは違って、自分の意図をしっかりと伝えてくれるんです。「僕の中ではこうです」っていうのがPanくんの中である。「伝言愛歌」は仮歌もPanくんが歌ってたんですよ。Panくんバージョンで聴きたいなと思うくらい、私は好きで。ふたりがミックスされるとこうなるんだなぁと、面白いですね。

キミがいれば夏は始まる

──最後は「夏唄」。ここまでガッツリと夏を歌材にした曲というのも、珍しいですよね。

斉藤:砂、海、水平線、南風……といったワードはソロの歌にはなかったんです。だから新鮮でしたね。ここまで季節に寄り添った曲ってなかったと思います。新鮮でいて、懐かしさもある。最初に聴いたときに「懐かしい!」って思いました。歌っているときも「な〜んか懐かしいなぁ」って。だから歌い方も母音をはっきり出して、少し懐かしい雰囲気にしました。こういう思い出があったわけじゃないんですけど……。

──私もあったわけじゃないんですけど、あったような気持ちになりました。「あの海で砂浜に落書きしたな」とか。ないんですけども……。

斉藤:そうそう、そうなんですよ! 「LOVE」とか書いて、波に消えたかな?とか! 当然やってないんですよ!(笑) というか、私は暑いのが苦手なので、そもそも外に出ないから、まったくもって海に行った記憶もない。家族旅行くらいで。でも「懐かしいなぁ」なんて思ってしまって。なんか、とても不思議です。ない思い出だけど、あるように思ってしまう。歌ってても不思議でした。でもそう思わせるのがすごいなって。

懐かしさも感じつつ、自分自身が今までライブで言ってきた、この瞬間を大切にしよう、っていう思いも、この楽曲には込められているんです。自分が今、そしてこれから先の未来でも伝えたい言葉もあります。それを楽曲にしてくれたケイさんにまずは感謝ですね。ケイさんが毎回ライブでMCを聞いてくれて、それを切り取ってくれたおかげで、自分の思いがしっかりと入った曲になったなって。

──<飛ばされないように失くさないように どうかちゃんと捕まえていてね>という言葉もMCで聞いたことがあるような気がして。

斉藤:そう言われると、言ってそう(笑)。私はこの曲の中で<季節が巡ってしまっても つなぐ手と手 交わす目と目 君がいれば夏ははじまる>という歌詞がすごく好きで。季節がどんなに巡っても、手はつないでいくし、目もしっかり交わしていく。自分自身の願いでもあります。

──<君だから夏があふれてく>という言葉はなんだか泣きそうになりました。

斉藤:斉藤朱夏としての夏の思い出ってたくさんあるんです。キミという存在がいるからこそ、夏がどんどんあふれていく。キミに対しての曲だなって思いながら歌っていました。「ちょっとここは切なく歌ってほしい」というリクエストがあって、あえてファルセットで切なさのニュアンスを出しています。でも全部に切なさを入れてしまうと悲しい曲になりすぎてしまうからこそ、サビでは明るく、と一つ一つを工夫して。

──でも朱夏さんらしい眩しさもある。他の曲でもファルセットがありますが、表現力をもはや制作陣から試されている……?

斉藤:そう! 今回のミニアルバムはずっと試されているような気がするんですよ。特にPanくんの曲なんですけども。自分としては常に挑戦をしていきたいし、悔いを残さないようにしたいという思いがあるからこそ、作家陣からも挑戦の楽曲が届くんだろうなと。

「夏歌」も、プリプロのときに「キーが高いかも」と思って「下げる?」って話になったんですよ。そうしたらケイさんが「朱夏さんだったらいけますよ。そのままでいきましょう」と。「何その自信!?」って(笑)。無事に歌えたので、ケイさんを信じて良かったです。

──「夏歌」は小松一也さんが手掛けた編曲もとてもドラマティックで。

斉藤:楽曲自体にエモみが溢れていますよね。そして優しい。包んでくれるかのような……海風が自分のことを包んでくれるかのような、そういうメロディになったなと思います。インストだけの状態でも聴いてもらいたいです。

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