楽曲を通して、一人ひとりの愛や恋を全肯定をしていきたい――斉藤朱夏が“キミ”に送る、純度100%の夏のラブソング。3rdミニアルバム『愛してしまえば』に込められた、さまざまな愛の形、今の思いを明かす【超ロングインタビュー】
「愛ってなんだろう?」
──すごくカラフルな作品になりましたよね。それぞれの曲に「色」を感じるんです。実際に歌詞にも登場しますし。そこで気になったのは『愛してしまえば』を色で例えると、何色だと思いますか。
斉藤:虹色ですね。テーマが「愛」に決まってから、愛のことを考える時間が増えたんです。もともと私は「愛ってなんだろう?」「恋ってなんだろう?」とか、答えのない問いをよく考えているんですけど、ここにきて「愛ってなんだろう?」って改めて考えたときに……答えがひとつもなかったんですよ。
もしかしたら、人生を懸けて考えても答えが見つからないのかなと。「これが愛なんだ」って思う瞬間は人によってあると思うんです。それを考えると「待って、ジャンル多すぎない?」って(笑)。
さまざまな愛、さまざまな恋の形があるからこそ、どれかひとつが正しいってないなって。本当にいろいろな形があるので面白いんですよね。それを色で表すとしたら、虹がいちばん正しいのかなって思いました。楽曲を通して、一人ひとりの愛や恋を全肯定をしていこうと。それが私の中のひとつの答えです。
──それについてはケイさんに話したんですか?
斉藤:してないです。
──なのに「愛してしまえば」の歌詞が完成してしまうってすごくないですか。
斉藤:(笑)。そうですね。もしかしたら、ケイさんからいただいた楽曲がヒントになっていたところもあるのかもしれません。でも、今話したことは言ったことがないです。ただ、私は基本的には人に対して全肯定したいんですよ。だって肯定されたいじゃないですか(笑)。否定されたくない。
──それなのに、朱夏さんはストイックじゃないですか。いつも「もっと難しい曲ください」って。
斉藤:そうですね(笑)。私の場合……自分自身を肯定されたい思いもあるんですけど、それ以上に、自分が肯定することで、きっと誰かが肯定してくれるだろうなって思っているんです。
愛も同じなんですよ。自分のことを愛して、自分のことを愛せるからこそ、人のことも愛せるんじゃないかなと。でも「愛」ってなんだろう、とはずっと考えてると思いますけどね。ラブソングを通して、これからもみんなを肯定できたらと思っています。
──なるほど。
斉藤:でもその一方で、ラブソングを歌い続けることの難しさも、今回改めて感じました。aikoさんってずっとラブソングを歌っているわけじゃないですか。時代と共に変わっていく愛や恋を汲み取りながら、ラブソングをずっと歌い続けるってすごいなって思います。
──さきほど自分自身を肯定するという話がありましたが、朱夏さんは、自身のことを褒めてあげる瞬間はありますか。
斉藤:めっちゃ褒めますよ。「今日もよく頑張ったね〜!」って(笑)。じゃないと、やっていけないので。でも私自身は人に褒められることが苦手で。恥ずかしいんです。どうすれば良いのか分からなくなっちゃう(笑)。素直になれば良いんですけど、素直になれない。一生そうだと思います。
──さきほど答えのない問いを考えている、というお話がありましたが、愛について考えようって思ったきっかけは何かあったんですか。
斉藤:なんだろう? 少女漫画がすごく好きなので、それがきっかけかもしれないです。でも漫画によってそれぞれ恋愛の仕方が違う。じゃあ愛や恋ってなんなんだ?と思いました。人に対して愛しいって思う気持ちって、どのタイミングで生まれるんだろうとか、そういうことを考えてしまうんですよね。考えることが好きなんだと思うんです。
──以前、矢沢あいさんの作品が好きとお話されていましたよね。
斉藤:好きなんですよ。矢沢あい先生の漫画はいちばん勉強になります。リアリティもあって、ドロドロもしていて。私にとって愛のひとつの教科書。だから愛や恋がわからなくなったら「矢沢あいを読め!」って思います。もう『天使なんかじゃない』を読むと、苦しくなるほど涙が出るんですよ。なんで行っちゃうの?って。私は彼に恋をしてたんですよ。
──晃ですね。インドに行ってしまうところ?
斉藤:そう(笑)。私は翠の気持ちになっていたので「なんで? 本当に嫌い!」って思っていたんですけど(北海道に)来た瞬間に「やっぱり好き!」って(笑)。
──(笑)。
斉藤:でもそういうことだよなって思います。みんなも読んだほうがいいですよ!(笑)
なにも準備しなくても楽しませる自信があるから大丈夫です
──もう間もなく朱演2023 LIVE HOUSE TOUR「愛のやじるし」がスタートします。リハーサルはこれからですか?
斉藤:7月末あたりからバンドリハが始まります。今までにない緊張感がありますね。ミニアルバムの新曲も5曲ありますし。ライブって一生緊張しますね(笑)。でもみんなと愛と叫べたらと思っています。
──みんなからのやじるしが槍のように飛んでくると思いますよ(笑)。このタイトルはどこから?
斉藤:自分自身も愛してほしいし、愛することで、人を愛することが出来たら良いなと。それをライブを通して伝えたいなと思っています。私自身がキミに対して向けてる矢印があるからこそ、「愛を投げる」という表現より、「やじるし」と言ったほうが向けている感じがわかりやすいかなと。それで「やじるし」という言葉を選びました。
──イラストもすごくかわいい。
斉藤:ギャル味マシマシでめちゃくちゃかわいい! 田中かえさんの描くイラストが好きで、ずっと描いてほしいなと思っていたんです。田中かえさんはNetflixの『クィア・アイ in Japan! 』というリアリティ番組に出演されていて。
お会いしたことはないんですけど、番組で見て「ああ、なるほど!」と。漫画やイラストを見ていて思うんですけど、その先生の性格がすごく出るものなんだなと、対面したときに感じるんです。「この先生だからこそ、この作品が生まれたんだな」と。そう考えるとワクワクします。
──その他、準備しておいたほうがいいことはありますか。
斉藤:声出すパートをぜひ覚えておいて、と(笑)。繰り返しになりますけど、かなり多いので。よく初めましての方から「何を(準備を)してライブに行けばいいですか?」と聞かれるんです。でも「なにも準備しなくても楽しませる自信があるから大丈夫です」って。楽しむ心だけを持って会いにきてくれたら、って思っています。
──ちょっとだけヒントをください。セットリストにはこれまでの曲の、声出し曲も?
斉藤:結構入ってますよ。とんでもないセットリストになっているので、先にバンドメンバーには謝らなきゃなと……。この間のツアーでも(ドラムの今村)舞さんが汗がすごくて、サーキュレーターを増やしていたので。それくらい、体力を使うものだったので「ごめんなさい!」と。
──でもバンドメンバーの皆さんも、新たな挑戦を楽しまれているのではないでしょうか。
斉藤:結構長いことみんなとやっているので、そういうところもあるのかも? 私は毎回「ソロパートを入れたい」と言っていて。みんなが楽しくやっているところをただただ見ていたいっていう気持ちなんですけども(笑)。
この間、ギターの(ひぐち)けいちゃんが出ているライブにお邪魔させてもらったんです。いつも横目でしか見ていないから、すごく新鮮で「うわ、すご! カッコイイ!」って。めちゃくちゃ褒めました。今回のツアーでは、バンドメンバーにも注目して見てもらえたらなと思っています。
[取材・文/逆井マリ]
3rd ミニアルバム「愛してしまえば」商品情報
発売日:2023年8月9日(水)
①初回生産限定盤<CD+BD>VVCL-2316~7 ¥4,100(税込)
*特製スリーブケース仕様
②通常盤<CD>VVCL-2318 ¥3,000(税込)
CD収録内容 ※初回生産限定盤、通常盤共通
01.愛してしまえば
02.ベイビーテルミー
03.はんぶんこ
04.伝言愛歌
05.夏唄
06.愛してしまえば -Instrumental-
07.ベイビーテルミー -Instrumental-
08.はんぶんこ -Instrumental-
09.伝言愛歌 -Instrumental-
10.夏唄 -Instrumental-
BD収録内容 ※初回生産限定盤のみ
愛してしまえば -Music Video-
配信はこちら
アニメイト特典
アニメイト特典:オリジナルポストカード
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
朱演2023 LIVE HOUSE TOUR「愛のやじるし」ライブ情報
公演概要
(東京) 8月16日(水) Spotify O-EAST
OPEN 17:30 / START 18:30
(愛知) 8月18日(金) DIAMOND HALL
OPEN 17:30 / START 18:30
(大阪) 8月20日(日) GORILLA HALL OSAKA
OPEN 16:30 / START 17:30
(広島) 9月2日(土) HIROSHIMA CLUB QUATTRO
OPEN 16:45 / START 17:30
(福岡) 9月3日(日) DRUM LOGOS
OPEN 16:45 / START 17:30
(宮城) 9月8日(金) Rensa
OPEN 17:30 / START 18:30
(北海道) 9月10日(日) PENNY LANE24
OPEN 16:45 / START 17:30
(神奈川) 9月17日(日) KT Zepp Yokohama
OPEN 16:30 / START 17:30
席種・チケット料金
■8/16東京公演~9/10札幌公演
立見 ¥7,000(税込・ドリンク代別)
■9/17横浜公演
1F立見 ¥7,000(税込・ドリンク代別)
2F指定 ¥7,000(税込・ドリンク代別)
チケット料金:立見 6,000円(税込/ドリンク代別)
※整理番号順の入場 ※未就学児入場不可 ※枚数制限2枚(複数公演申し込み可能)
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