『響け！ユーフォニアム』は私の音楽史に欠かせない──TRUEさんの新曲「アンサンブル」発売記念イベントで6曲熱唱│イベントレポート＆インタビュー

6年ぶりの店舗イベント。この日だけの“アンサンブル”を届けたかった

──本日、開演前はお客さんがいなかったらどうしようか、と冗談交じりに心配されていましたが、会場には多くのお客さんが集まっていました。各地で開催されたリリースイベントを振り返っていかがですか？

TRUEさん（以下、TRUE）：本当にありがたい限りです。店舗さんで行うリリースイベントは6年ぶりくらいなので、すごく貴重な機会でした。

──そんな久しぶりだったんですね。

TRUE：そうなんですよ。今回のサイン会のような対面イベントというものは、皆さんにとっては私に直接思いを伝える機会になっていて、お互いより身近にコミュニケーションをとれますよね。今回のイベントを通して、改めてこういった時間を大切にしたいなと感じました。

──ライブやサイン会で実際にお客さんたちと触れ合ってみていかがでしたか？

TRUE：MCでは頷いてくれている方、ライブ中は涙を流してくれる方がいて、皆さんそれぞれの形で受け止めてくれているんだと思いましたし、励みになります。

歌をはじめとしたエンタメって、一方通行では成り立たないんです。だからこそ思いの受け渡しを直接できる今回のような機会をいただけるのはすごく嬉しいことです。

──お渡し会には小さいお子さんもいました。

TRUE：そうなんです！　ようこそ、という気持ちになりました。

──新たなファンが誕生した瞬間ですね。

TRUE：ほかにも「初めて対面イベントに来ました」「初めてCDを買いました」という人が多かったんです。

コロナ禍が明けて初めてライブに来たという人もいて。たくさんの初めての機会をいただけて嬉しいですね。

──今日は新規の方も多かったんでしょうか。

TRUE：初めてお会いする方もすごく多かったです。やっぱりこういう店舗さんでのイベントは気軽に来られるでしょうし、普段お買い物をしているところで直接音楽を楽しめるのは入り込みやすいのかなと思いました。

──ライブでは6曲歌われましたが、選曲にあたってのポイントはありますか？

TRUE：今回、全6箇所でリリースイベントを行いましたが、全部の会場に来ていただいても飽きないよう、「アンサンブル」以外はセットリストを変えました。SNSでリクエストを募った2曲をセットリストに加えていたりします。

──SNSでリクエストを募っていたんですね。

TRUE：はい、Twitterで。あ、Xですね（笑）。

──（笑）。ライブはアコースティックバージョンで、椿本匡賜さんとの素敵なセッションを楽しませていただきました。

TRUE：ありがとうございます。今回は「アンサンブル」という曲名にちなんで、CDを手にとっていただいた方にこの日だけの“アンサンブル”を届けたくて。その思いのもと、ミュージシャンの方とセッションさせていただきました。

──ちなみに、新しくなったアニメイト池袋をご覧になっていかがですか？

TRUE：びっくりしました！　ステージも広くて！　私がアニメイトに通い出した中学1、2年生の頃は、まだサンシャインの裏側だったんです。当時の建物がこんなにキレイでおしゃれになっていて。それだけアニメやゲームが大きくなったということですよね。

『ユーフォ』とともに歩んだ8年。私の音楽史に欠かせない存在

──「アンサンブル」について伺いたいのですが、今日のライブも生歌を楽しみにされている方がたくさんいらっしゃいました。

TRUE：「アンサンブル」の発売前から大阪日本橋店さんを皮切りに各地でリリースイベントを行いましたが、皆さん、コーラス部分で「ららら」と大合唱してくれて！　発売前なのに覚えてもらえたのはすごく嬉しかったですし、励みになりました。

──皆さん、噛みしめるように聴いていました。

TRUE：「DREAM SOLISTER」のリリース時も今回のようなイベントを行わせていただいたのですが、当時のお客さんたちは曲の感想をお話してくれることが多くて。でも今日は、『ユーフォ（響け！ユーフォニアム）』と皆さんが歩んできた8年間についてのお話をたくさん聞けました。

──どんなお話が印象に残っていますか？

TRUE：「DREAM SOLISTER」で私と出会ってからの思い出話とか、『ユーフォ』をきっかけに人生が変わったというお話とか。

私自身、デビューしてから『ユーフォ』と長い時間を歩ませてもらいましたが、それは皆も一緒なんだなと改めて思いました。だからこそ、その思い出を噛み締めながら「アンサンブル」を聴いてくれていたのではないかと思います。

──2015年の放送から8年経ちますもんね。改めて、TRUEさんにとって『響け！ユーフォニアム』はどんな存在ですか？

TRUE：私の音楽史は、『響け！ユーフォニアム』をなくしては語れない。大げさではなく、それほど私の音楽人生を変えてくれた作品です。

──大きな存在ですね。

TRUE：『ユーフォ』と出会った時期は、自分自身がどんな音楽をやっていくのか、どうやって生きていくか悩んでいたんです。でもそこで、「もっと音楽に対して素直になっていい、自由でいい」「自分が楽しむことが一番」とこの作品に背中を押してもらえたんです。

──音楽をテーマにしている作品だからこそ影響もあったんですか？

TRUE：そうですね。監督を含めてアニメ制作スタッフの皆さんとの付き合いが長くなり、作品とともに絆を深めて成長しているなと感じています。

──歌詞に込めた思いを教えてください。

TRUE：今回、新曲を手掛けることになって、まずミディアムバラードを作ろうという話になりました。そこから、優しく包み込むような温かさ、私が歌う意味となる“熱さ”を表現したいと考えて。

テーマとしてはシンプルだけど「誰かと一緒に音楽を奏でる」とか、「誰かとなにかを成し遂げる」という喜びを詰め込んだ曲を目指しました。すごく思いが強い曲に仕上がったと思います。

──お気に入りのフレーズを教えてください。

TRUE：もちろん全部です。そんな中でも＜右に柔らかな呼吸　左に優しい鼓動　持ち寄るハーモニー＞は様々な場面に置き換えられるんですよ。

──様々な場面ですか？

TRUE：今回のようなイベントでも、皆で歌ったりクラップをするときって、自然と隣の人に合わせていると思うんです。そういう風に、周りの人を感じながら音を楽しむことの大事さは、私自身、アニメの現場で教えてもらって。

それこそアンサンブルの編成や吹奏楽の編成もそうですけど、まずは身近な人の音をよく聴いてその人に合わせる、呼吸を聴く。これからスタートするはずなんです。そういう意味でも様々なところに置き換えられるなと思っています。