ある日突然舞い降りた、美しい「天使」との不思議なシェアライフが始まる──鬼才・はらだ先生が描く『ワンルームエンジェル』を実写ドラマ化! 原作漫画の魅力&ドラマの注目ポイントをご紹介
2023年10月19日よりMBSドラマシャワー枠にて、上杉柊平さん&西村拓哉さん(Lil かんさい)W主演で『ワンルームエンジェル』の実写ドラマ化が決定。
原作は、はらだ先生が描く同名漫画。このマンガがすごい!2020オンナ編13位、BLアワード2020 BESTコミック部門1位など数々の賞を獲得している大注目作品です。
人生に投げやりな30代の幸紀と、ある日突然舞い降りた「天使」が織りなす不思議なシェアライフを描き、多くの読者の心を揺さぶる本作。どんなストーリーなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。本稿では、原作漫画のあらすじや魅力、ドラマの注目ポイントをご紹介します。
『ワンルームエンジェル』とは
2019年3月に単行本が発売された『ワンルームエンジェル』(祥伝社 on BLUE comics)。著者は、数々の受賞歴を持ち「BL界の鬼才」との呼び声高いはらだ先生です。『やたもも』(竹書房)をはじめ『ハッピークソライフ』(竹書房)など人気作品が多数。
本作は、デビューまもなく先生ご自身が執筆した短編「止まり木」(『変愛』/リブレ)をセルフリメイクしたもので、はらだ先生史上最も優しい物語です。
ワンルームエンジェル本日発売👼 pic.twitter.com/cZMLhBWRkL
— はらだ (@harada_info) March 25, 2019
あらすじ
趣味なし、友人なし、恋人なし。
生きる価値、なし。
惰性で毎日を送っていたコンビニ店員の幸紀(30代)は、
うっかりチンピラに刺され瀕死になった折、
遠のく意識のなかで、真っ白い羽の美しい「天使」を見たーーー。
お迎えかと思いきや、その後すっかり完治して
帰宅してみると、そこにはあの時の天使が…。
天使のふてぶてしい態度に戸惑いつつ、
記憶もなく、飛べないというのを不憫に思い、
天使をしばらく家に置くことに。
突然はじまった奇妙な同棲生活だったが
天使との日々は、死んだように生きていた幸紀の心に
ある感情を芽吹かせてーー。
あなたは、この関係をなんと名付けますか?
(公式サイトより引用)
男と天使と2019#ワンルームエンジェル pic.twitter.com/v2RKYTxeTl
— はらだ (@harada_info) December 27, 2018
『ワンルームエンジェル』原作漫画の魅力
突然舞い降りた美しい「天使」は記憶がなく飛べない
人生に投げやりになっていた幸紀は、バイト中に絡まれたチンピラに刺されて瀕死の状態に。そんな彼の目の前に突如として舞い降りたのは美しい「天使」でした。その後、退院して帰宅すると部屋にはあの時の天使が……!
「遅いじゃないですか 待ちくたびれましたよ」(コミックス『ワンルームエンジェル』より引用)と、堂々と家主である幸紀を家で待っていた天使。とても厚かましい上に、天使らしからぬ言葉を口にしたりも。しかも不法侵入をしてラーメンまで食べさせてもらってくつろいでいるわりに、天使は繊細だと言います。
確かに繊細なのはその通りで、天使は側にいる人間の感情の変化をモロにくらいます。正の感情であれば生気が溢れ、負の感情であれば羽が抜けるなど弱体化。そして重要な事実──彼には記憶がなく、どうして瀕死の幸紀がいた場所に降りたったのか、なぜ幸紀の前だったのか、まったく思い出せないようです。そして、羽があるのに天使は飛べません。天使に秘められた謎が本作のキーポイントでもあります。
天使自身の見立てでは、自分の役職は「大天使」。何の根拠かは分かりませんが、「熾天使ウリエル」あたりじゃないかなと大胆な予測をしているのもユーモラスで面白い。この天使はちょっぴり生意気で可愛いくて、天使らしくないところもまた魅力です。
📷 掲載情報 10/25 on BLUEvol.31 「ワンルームエンジェル1」 34p 表紙,特集42p https://t.co/o1mMw5mdlC pic.twitter.com/qfBi3akWiH
— はらだ (@harada_info) October 25, 2017
天使は感情を共有し、欲しい言葉をくれる
ふてぶてしい天使に戸惑いながらも、幸紀はこのファンタジックな現実を案外あっさりと受け入れています。面倒なことになったと感じながらも、記憶もなく飛べないというその天使を一晩泊まらせてあげるだけでなく、飛べるようになるまで住まわせることに。優しいですよね。ここから二人の不思議な同居生活が始まります。
感情が伝わるので幸紀に元気がないと天使にも影響が出るのですが、気持ちを共有してくれる人がいるのって大事なことなんですよね。生きる価値がなく、別に死んでも構わないと思っていた幸紀は、天使と過ごすことによって心に変化が。天使がくれる言葉は幸紀の心に、ある感情を芽生えさせていきます。
「価値を見出すのは貴方じゃないですか」(コミックス『ワンルームエンジェル』より引用)
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— はらだ (@harada_info) April 12, 2019
人生の闇と光を描く、優しい愛の物語に感涙必至
物語が進むにつれて、天使はいつか幸紀の前からいなくなるのだろうかというのも気になるところだと思いますが、とあるきっかけで天使が何者なのか謎が明かされていきます。序盤から伏線が綺麗に敷かれているので、あぁ…そうだったのかと、回収しながら筆者は震える思いでした。天使は記憶がないながらも身に染みついたものがあって、読み返すとまた感慨深いです。
本作は人生の闇、現実社会の重みを描きつつも、光が心にしみる優しい愛の物語でもあります。幸紀の変化は、読んでいるこちらも嬉しくなるほど。また、天使が見せる極上の笑顔もとてもいい。
読む人によって感じ方や刺さる部分が違うかもしれませんが、お互いを引き寄せた理由や物語の展開、はらだ先生の描写が秀逸すぎて、ラストに向けてきっと涙が止まらない人も多いでしょう。さらに読み終わったあとに、またじわじわとこみあげてくるものがあると思います。
📷 掲載情報 10/25 on BLUEvol.37 「ワンルームエンジェル6」 30p https://t.co/OGFGghLQXF pic.twitter.com/HgynAiXhwU
— はらだ (@harada_info) October 26, 2018