『ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション HD リマスター』上映記念舞台挨拶レポート|鈴村健一さんが「シンをもっと褒めてあげてほしかった」と振り返る
鈴村さんが選んだベストエピソードは、やはりあの伝説の回!
シン・アスカというキャラクターについては、「当時は(演じるのが)大変でしたが、今思うとてもとかわいいですし、もっと皆褒めてあげて欲しい」と語る鈴村さん。これには吉田さんも「ずっと怒られてましたもんね。アスランとかに……」と同意し、頑張っているはずのシンが、とくに上司であるアスラン・ザラになかなか認められない歯がゆさを感じていた様子。
また、当時の鈴村さん自身も、『SEED DESTINY』でのアフレコ現場で褒められた思い出が一切なく、シンとシンクロしていた部分もあったのだとか。
『SEED DESTINY』のアフレコ時は、普段口数が多い鈴村さんが、ほとんど周囲と喋らなかったそうなのですが、その理由は、「喋る分のエネルギーも全部芝居に注がないと、ついていくのが難しかった」ためで、かなり緊張感のある現場だったことが明らかに。
一方で、アフレコ時には福田監督から「お芝居の癖をつけて演じて欲しい」という、自分にしかできない表現をディレクションで求められたことが印象に残っているそうで、『SEED DESTINY』の収録は「自分の個性は何なのか?」を見つめ直すことができた時間だったとも振り返っていました。
その後には、『SEED DESTINY』の印象的なエピソードを紹介するコーナーもあり、そこで鈴村さんが選んだのは、伝説の回とも言える第34話「悪夢」。
シンの視点から見れば、敵であるキラの乗るフリーダムを撃墜するという悲願を達成したにも関わらず、その回のタイトルが「悪夢」なのはどういうことだと、当時のオンエアを見ながらツッコミを入れていたのだとか。
それまで子供っぽさや、ネガティブな感情ばかり描かれていたシンが、一つの目標に向かってひたむきに努力するというポジティブな感情を抱いて物事を成し遂げたことも嬉しかったそうで、このエピソードでのシンへの熱い想いが語られていました。
劇場版『SEED FREEDOM』のアフレコは完了!気になる劇場版の情報は……?
気になる劇場版『SEED FREEDOM』についての話題も飛び出し、改めて劇場版の制作発表を聞いた時には、「本当にやるの?」と、驚きと共に半ば信じきれない想いが残っていたと明かす鈴村さん。その後、制作決定の連絡を正式に受けた時からようやく実感が湧くようになり、そこからは純粋に作品が楽しみになっていたのだとか。
そんな今回の劇場版については、「19年前の作品にもう一度関われるって、早々ないこと。それだけ役者を続けていないとできないし、20年先にも通用する作品のポテンシャルとか、いろいろな条件が重なった、ものすごく奇跡的な作品」と表現します。
また、すでに劇場版のアフレコが完了していることも判明。トークでは吉田さんが何からの情報を聞き出そうとしますが、鈴村さんは「全部知ってます。けど、言うと明日から生きていけなくなります」と、自身の安全のために回答を避け、客席の笑いを誘います。
一方、そんな制限の中で「観れば、“おお!”と高まります。劇場版らしい作品になっていると思いますし、その中でしっかりとカタルシスを味わえるようになっています。……何も喋るんじゃないぞと強く言われているので、これくらいしか言えないです」とぼかしつつも、「必ず、皆さんの期待に答えられる作品になっていると思います。その予習のためにも、」まずは今回の上映会を楽しんでもらえれば」と力強くコメント。劇場版の公開に向けて、ファンの期待を膨らませていました。
[取材・写真・文/米澤 崇史]
関連情報
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション HDリマスター』
10月6日(金)~11月30日(木) 4部作連続上映中
●10月6日(金)~10月19日(木) 第1部『砕かれた世界 HDリマスター』
●10月20日(金)~11月2日(木) 第2部『それぞれの剣 HDリマスター』
●11月3日(金)~11月16日(木) 第3部『運命の業火 HDリマスター』
●11月17日(金)~11月30日(木) 第4部『自由の代償 HDリマスター』
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