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- 藤崎萌恵
- 数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。
魏無羨の魅力はまだまだたくさん! 深い絆で結ばれた藍忘機との関係においても彼の魅力が大いに発揮されていますので、ここで魏無羨の恋愛事情にも迫ってみましょう。なんとなくお兄ちゃん気質な魏無羨&ちょっぴり弟みのある藍忘機を得られる場面もあると思います。
魏無羨にとって、藍忘機は少年時代から気になる存在でした。本作は主に魏無羨視点で描かれるため、彼が藍忘機の容姿や風格をいかに好んでいるかは明らか。さらに現世に蘇ってからはこれまでとは違った感情も芽生えていきます。
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十五歳の時、雲深不知処で藍忘機と運命の邂逅を果たした魏無羨。早速掟を破っているところを見つけられ、初めて出会った日に彼と手合わせもしています。
その後も気になる存在である藍忘機に何かとちょっかいを出すもつれない態度でほとんど相手にされず。そんななか、玄武洞で生死を共にした二人きりの数日間で、魏無羨はこれまで見たことのなかった藍忘機の一面を知ることに。玄武洞での藍忘機は珍しく感情の起伏が滲み、やけに怒りっぽくて乱暴をしたりも。
藍忘機が恋に落ちて自覚したのがいつだったのか想像するのも本作の楽しみのひとつだと思いますが、魏無羨は藍忘機の心を乱している自覚がないようで、彼の想いを知るのはずっとずっと先のこと。この時、魏無羨は唐突に藍忘機に噛まれており、思わず悲鳴を上げています。
“藍忘機が彼の肘の内側に深く顔を埋めて、あろうことか、そこに思いきりがぶりと噛みついてきたのだ”(日本語版小説第2巻「絶勇」より引用)
その当時、確かに藍忘機の心は平常でなかったのでしょう。雲深不知処が焼かれ、父は危篤、兄は失踪という状況のなか、藍忘機の胸中は計り知れず。彼は魏無羨の前で涙を流しています。
熱を出していた魏無羨に藍忘機が歌ってあげた曲は彼自身が作ったもので、その名は「忘羨」。後に曲名を知った魏無羨からは、お前の気持ちが全部バレバレじゃないかと言われています。
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第二期 第十一話
CAST
魏無羨:#鈴木達央
藍忘機:#日野聡 他#魔道祖師
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鈴木達央&日野 聡「忘羨」
十数年の時を経て魏無羨が復活してからというもの、藍忘機の様子が彼の記憶とは明確に異なり、戸惑いを感じていました。
「含光君みたいな男が好きだ」と嫌がらせのために言ってみても何故か姑蘇に連れて帰られ、痴れ者のふりをして寝床で嫌われるようなことをしても藍忘機の体の上で密着して寝かせられる始末。昔のように恥ずかしがったり怒ったりしてくれず、見事に変貌を遂げた藍忘機に驚愕しながら、共に過ごすうちに無自覚に惹かれていくようでもありました。
「俺にここで寝ろってことは、こういう事態は予測済みのはずだ」#魔道祖師日本語版ラジオドラマ #魔道祖師 pic.twitter.com/V4IJjs0XDD
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お酒で酔った藍忘機に抹額で縛られたときには、甘美で愉快な追いかけっこの末に魔が差したように藍忘機の唇に口づけています。その後、魏無羨は自省しながら藍忘機の初めての口づけの相手になってしまったことに思い至っていますが、藍忘機にとってはこれが初めてではありません。また、魏無羨も前世で口づけを経験していました。
🐰🐰🌸🌸
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「……満足した?」
「もう一回だ」
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◆前世でキスの経験あり
過去に百鳳山巻狩で目隠しをしていた魏無羨は、近づいてきた何者かによって凄まじい力で木に押さえつけられながら濃厚で情熱的な口づけをされています。必死で目隠しを外そうとするも、相手が微かに震えているようだと気づいて抵抗をやめました。襲われているにも関わらず相手を気遣うんです。
“この女の子、力持ちの割に怖がりで恥ずかしがり屋なんだな? 緊張してこんなふうになっちゃうなんて”(日本語版小説第3巻「将離」より引用)
★墨香銅臭原作「#魔道祖師日本語版ラジオドラマ」
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第三期 第一話
CAST
魏無羨 #鈴木達央
藍忘機 #日野聡
藍曦臣 #森川智之
江澄 #緑川光
江厭離 #竹達彩奈
金子軒 #高橋広樹
金光瑤 #石田彰
金光善 #速水奨
ナレーション #三木眞一郎 #山本兼平 他https://t.co/YLckqySgym#魔道祖師 pic.twitter.com/w9ITp5TV6P
百戦錬磨と豪語する魏無羨にとって、実はこれが初めての口づけでした。激しい口づけの最後に魏無羨の下唇を甘噛みして、唇をこすりつけてから名残惜しそうに離れているのも萌えポイントですよね。当時、藍忘機が鬼気迫る表情で樹木を斬り倒していたのは、大きな過ちを犯したと自身に腹を立てたからだったようです。
随便を抜いたことで正体が暴かれた魏無羨。芳菲殿の密室を飛び出すと藍忘機がその後ろから無言で追いかけてきました。このままでは含光君の名声は地に落ちる。「お前はついてくるな!」と言う魏無羨に、藍忘機は彼の腕を掴み何か話そうとしています。
しかし魏無羨は思いがけない相手に腹を刺され、気づくと藍忘機に背負われ避塵で飛んでいました。魏無羨を守りながら闘って長時間の移動をしている彼の息は少し荒いけれど、魏無羨の呼びかけにいつも通りの安定した口調で答える言葉に、未だかつて感じたことのない気持ちがこみ上げてきます。
“どこか悲しみにも似たその感情のせいで、心臓の辺りが微かに痛み、それと同時にじわりと少し温かくなる”(日本語版小説第2巻「狡童」より引用)
夢から覚醒していないなかで、藍忘機の名を呼んで彼の袖を掴む魏無羨の深層心理とも言えそうな一連の言動の描かれ方も秀逸。過去に人知れず抱えていた不安や本音、寄りどころとなっている藍忘機への想いなど、様々な感情が滲み出ているシーンでもあると思います。
過去には藍忘機を「他人」だと冷たく突き放していたこともあり、江澄は自分の隣、藍忘機は相対する側だと思っていました。誰もが魏無羨を恐れ機嫌を取るようになった時、藍忘機は面と向かって非難していたけれど、誰もが彼を激しく憎むようになっている今、味方になってくれているのは藍忘機なのです。
蓮花塢で魏無羨が藍忘機を江氏の祠堂に連れていき、二人で拝礼している場面があります。どうしても藍忘機を連れて来て江楓眠と虞夫人に、会わせたかったのだと。
木から飛び降りた魏無羨を藍忘機がしっかりと抱き止めた場面などでも感じられますが、魏無羨はいつしか自分の想いを自覚するようになっていました。藍忘機がいったい自分のことをどう思っているのか、知りたいけれど答えを聞くのを恐れるくらいに。
ファンの間でも話題になる風呂桶のシーンでは、お互いの劣情を激しくぶつけて絡み合っていました。しかしお酒の酔いが醒めた藍忘機の様子を見て、彼の好意は自分が期待していた好意ではなかったのかもしれないと感じ、魏無羨は藍忘機の感情を推し量るのも怖くなっています。
当たり前のようにずっとこのままの日々が続いて、これからも変わらないのだと思っていた魏無羨は、藍忘機から離れたらもう駄目になると心が沈んでいました。
両片想いで見事に行き違ってしまった二人。その後、藍忘機の深い愛情を知った魏無羨はもういてもたってもいられず愛を告白。かつて、金子軒が皆のいる前で江厭離に愛を叫んだ公開告白も印象深いものとなっていますが、魏無羨もまた時と場所を選ばず藍忘機に想いをぶつけます。真剣に一生懸命想いを伝えているのがとてもいいですね。
物語はクライマックスで緊迫した展開を迎えているところなので感情はめちゃくちゃになるものの、ようやく想いを遂げることができて本当によかったです。二人が随所でイチャイチャしているように見えるのは私だけではないと思います。
驚くことに藍忘機が微かに声に出して笑ったシーンがあるのですが、ほとんど笑うことのなかった彼が口角を上げることを抑えられなくなる原因は、きっとこれからも魏無羨なのでしょう。
過去には魏無羨が江厭離に「人はなぜ誰かを好きになるのか」を尋ねたことがあり、好きな人ができたのかと聞かれると「俺は誰も好きにならない。少なくとも誰かを好きになりすぎたりはしない。だって、それって自分で自分に首輪と手綱をつけるようなものだろう?」(日本語版小説第3巻「将離」より引用)と答えていました。
そんな魏無羨は後に藍忘機への愛を自覚して、二人は道侶の関係に。番外編では、雲深不知処に帰ってきた二人の様子や、気ままに放浪して夜狩をする半隠居と言える暮らしを送っている様子も描かれています。
姿形が変わろうとも、魏無羨の魂を愛し抜く藍忘機の想いの深さも丁寧に綴られている本作。同時に、藍忘機に対する魏無羨の特別な想いも強く感じられます。藍忘機にイタズラすることも彼の怒った顔も大好きな魏無羨。けれど、藍忘機が暴言を浴びせられることや名声を傷つけられることをひどく嫌がり、我慢できません。また、藍忘機の強さに対する信頼のみならず、彼の言動にも絶対的な信頼を寄せていることも窺えます。
本作のカップリングは「藍忘機×魏無羨」。世間のイメージで表現するならば、純潔無垢な玉のように玲瓏な藍忘機と、好色な淫魔と言われる魏無羨。ですが、実際の魏無羨は人助け以外で女の子の手を触ったことすらなかった童子です。
そんな二人のラブシーンは特徴的で、藍忘機はとにかく情熱的で絶倫で噛み癖もあって激しい。魏無羨はやたらと煽っては許しを請うて、また煽ってめちゃくちゃ抱かれています。
小説を最初から読み返してみると、魏無羨が過去に何気なく言っているようなことが伏線になりフラグが驚くほど多く立てられていることに気づきます。魅力的なキャラクターゆえに余白の部分や残された謎を想像したり考察したくなる読者・視聴者も多いでしょう。また、残酷な運命を背負いながらも魏無羨と藍忘機の関係は非常に面白くもあり、様々な側面で人々を夢中にさせる作品となっています。
中国語版:路知行さん
日本語版:鈴木達央さん
中国語版:阿傑さん
日本語吹替版:木村良平さん
中国語版:路知行さん
日本語吹替版:木村良平さん
数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。