『火の鳥 エデンの花』「望郷編」初の映像化記念！　手塚治虫先生が未来に残した『火の鳥』映像化の歴史を振り返る

STUDIO４℃が、手塚治虫先生の伝説的な原作『火の鳥』望郷編をエンディングが異なる2作品（映画版、配信版）にアニメ化！

『火の鳥 エデンの宙（そら）』（旧タイトル『PHOENIX:EDEN17』）全4話を、2023年9月13日よりディズニープラスにて世界独占配信中（中国本土を除く）。エンディングが異なる劇場版『火の鳥 エデンの花』は、11月3日より全国公開となります。

今回、映画をより楽しむために、『火の鳥』映像化の歴史を振り返る特集をお届け！　上映前に「望郷編」がアニメ映画化されるまでの軌跡をたどります。

手塚治虫先生が未来に残した『火の鳥』映像化の歴史を振り返る！

手塚治虫先生のライフワークにして未完の名作『火の鳥』。

その中でも今まで一度も映像化されなかった「望郷編」を初めて映像化した『火の鳥 エデンの花』は、数々のアニメーション映画を手掛けたSTUDIO4℃渾身の企画にして、これまでも積極的に映像化されてきた「火の鳥」映像化の歴史の最新作。

巨匠・手塚治虫先生が生涯をかけて描き続けたライフワークは、全12編という一大巨編であるが、深遠なテーマ性・壮大なテーマ性がクリエイターたちの心を惹きつけ、手塚作品の中でも特に積極的に映像化が行われてきました。

『ビルマの竪琴』、『炎上』、『犬神家の一族』など日本映画史に燦然と輝く名作を残してきた巨匠・市川崑氏が実写映画化に挑んだ『火の鳥』（1978年）、手塚先生自身が自ら監督を務め漫画で描かれていないオリジナルストーリーが展開された長編ア二メーション映画『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』(1980年)、手塚プロダクションが制作しNHKで放送されたテレビアニメ版『火の鳥』（2004年）など、映像表現の技術を体験してきた個性的な作品群が残されています。

手塚治虫が未来に残した『火の鳥』映像化の歴史を振り返りましょう。

巨匠・市川崑監督が手掛けた実写とアニメーションが融合した超大作！『火の鳥』(78)

原作「火の鳥」において古代邪馬台国を舞台にした第一部「黎明篇」を元に初めての映像化作品となった映画。

監督は『ビルマの竪琴』『炎上』など日本映画史に残る傑作を手掛けた市川崑氏が担当し、若山富三郎さん、草刈正雄さん、林隆三さん、大原麗子さん、由美かおるさん、高峰三枝子さん、草笛光子さん、江守徹さん、仲代達矢さんら、そうそうたるキャストが集結。

スタッフも大物揃っており、脚本に詩人の谷川俊太郎氏、衣装は世界的デザイナー・コシノジュンコ、テーマ曲を米アカデミー賞歌曲賞を受賞した作曲家 ミシェル・ルグラン氏が担当しました。実写とアニメを合成した画期的な構成が話題となった超大作です。

手塚先生が原案・構成・総監督を務めたオリジナル映画『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』(80)

公開当時発表済の『火の鳥』を原作とした作品ではなく、創造主の手塚治虫自らが映画用に書き下したオリジナル作品。

手塚先生がアニメ『鉄腕アトム』で確立した日本アニメで主流の手法リミテッド・アニメとは異なる、ディズニー的なフル・アニメーションに挑戦した意欲作。原作の世界観と地続きの未来の宇宙空間を舞台に、人間の業を背負った宇宙パイロットのゴドーが謎の超生命体火の鳥を追うSFアドベンチャーです。

角川春樹氏が製作、原作の人気編を映像化 劇場版&OVA『火の鳥 鳳凰編』『ヤマト編』『宇宙編』(86-87)

『犬神家の一族』『時をかける少女』『セーラー服と機関銃』ら大ヒットを連発し一世を風靡した角川春樹氏が製作を務めた劇場アニメ映画とOVA作品。

原作でも屈指の人気を誇る第三部「鳳凰編」を、『幻魔大戦』を手掛けたりんたろう監督×マッドハウスの組み合わせで劇場版アニメ化。原作漫画とは異なるキャラクターデザインが賛否を呼びましたが、ストーリーを省略し原作が訴えたいメッセージを凝縮した物語が高評価を集めました。翌年にOVAとして発売された『ヤマト編』『宇宙編』と合わせて根強いファンを持ちます。

初のＴＶアニメ・シリーズとなったNHKハイビジョンアニメ『火の鳥』(04)

原作全12編の中から《黎明編》《復活編》《異形編》《太陽編》《未来編》の5編がセレクトされ初のテレビアニメシリーズとしてNHKで全13話が放送されました。

美麗なビジュアルと5.1chサラウンドの高音質で制作され、当時としてはいち早いハイビジョンで放送され大きな話題に。

スタッフには、虫プロ出身の気鋭クリエイターたちが集結。『装甲騎兵ボトムズ』を手掛けた髙橋良輔が監督を務め、『ブラック・ジャック』や『ユニコ』『ジャングル大帝』など多くの手塚作品のアニメ化に参加した杉野昭夫氏がキャラクターデザインを担当。NHKでは様々なチャンネルで何度も放送されています。

STUDIO４℃最新作！　「望郷編」初の映像化『火の鳥 エデンの花』がついに11月3日(祝・金)公開！

『火の鳥』原作の最新映像作品となる『火の鳥 エデンの花』。数々の名作劇場アニメ作品を手掛けアニメファンのみならず映画ファンたちをうならせてきた“クオリティスタジオ”STUDIO4℃による最新作は、「望郷編」初の映像化。

原作ファンからも熱い支持を集める人気編に大胆な現代的アレンジを施しつつ、アニメーションならではの魅力が横溢する作品世界を構築。かけがえのない地球という故郷の美しさと、果てしない宇宙を、壮大なアニメーションと圧倒的音響で表現する、時空を超えた愛のスペクタクルアドベンチャーをとなっています。

『火の鳥 エデンの花』作品情報

放送情報

11月3日（祝・金）新宿バルト9ほか全国公開

STORY

あなたは、生きなさい。

荒涼たる辺境惑星エデン17に１台のロケットが降り立った。わけあって地球から逃亡してきたロミ（声：宮沢りえ）と恋人のジョージ（声：窪塚洋介）は、この星を2人の新天地にしようと誓うも、未開の惑星での生活は厳しく、ジョージは井戸掘り中の事故で命を落としてしまい、ロミは一人息子のカインとAIロボットとともに、孤独なサバイバル生活に送ることに。

ロミはカインのために自分の命を少しでも引き延ばすこと決意し、コールドスリープに入る。だが、機械の故障で1300年間も眠り続けることに。ようやく目覚めたロミは、新人類が築いた巨大な町・エデン17の女王となる。

そんなある日、心優しい少年コム（声：吉田帆乃華）は、宮殿で悲しみに暮れる女王ロミと出会う。ロミの望郷の想いを知ったコムは、一緒に地球に行こうと、無謀な挑戦と知りながら、2人で広大な宇宙に飛び出していく。

旅の途上で、地球人の宇宙飛行士・牧村や宇宙のよろず屋・ズダーバン（声：イッセー尾形）、そして人智を超えた未知の生命体の数々との出会いを重ねながら、故郷の地球を目指す。

STAFF

監督：西見祥示郎
音楽：村松崇継
原作：手塚治虫「火の鳥」（望郷編）
キャラクターデザイン・総作画監督：西田達三
脚本：真野勝成、木ノ花咲
美術監督：木村真二
演出・CGI監督：斉藤亜規子
色彩設計：江上柚布子
編集：重村建吾
音響監督：笠松広司
プロデューサー：田中栄子　
アニメーション制作：STUDIO4℃　
製作：「火の鳥 エデンの花」製作委員会　
配給：ハピネットファントム・スタジオ

CAST

宮沢りえ
窪塚洋介
イッセー尾形
吉田帆乃華
浅沼晋太郎
木村良平

公式サイト
公式ツイッター（＠hinotori_eden）