この記事をかいた人
- タイラ
- 99年生まれ、沖縄県出身。コロナ禍で大学に通えない間「100日間毎日映画レビュー」を個人ブログで行いライターに。
主人公であるラジャーの魅力を尋ねられた寺田さんは「この映画を通してラジャーから、諦めない心を教えてもらいました。彼との共通点は信念の強さ、違うところは自分が反抗期に入り始めて斜に構えてしまうところです。ラジャーのように真っ直ぐに素直でいたいです」と魅力を紹介し、役を自分に重ね、しっかりと向き合っていることが伝わります。
仲さんは「ラジャーのような息子が欲しいですよね。心くんもいい子です」と母親としての感想を吐露。アマンダの持つ朗らかさと寂しさの2面性が魅力だと語る鈴木さん、幼少期にはTVドラマに出てくる登場人物の似顔絵を書き会話をしていたことがあり、アマンダがイマジナリを生み出すことと似ていたかもしれないと語りました。
それに対して、寺田さんは「僕のも黄色のくまのぬいぐるみ、ころちゃんというイマジナリがいました。学校や仕事の悩みをよく話して励ましてもらっていたんです。小学5年生ごろにころちゃんの声が聞こえなくなってしまったんです。きっと僕の成長を見守っていて、教えてくれたんじゃないかなと思います」と過去に体験した不思議な思い出を振り返りました。
安藤さん演じるリジーは現実を生きる大人として描かれており、実際に子を持つ親である安藤さんは自分の日常を重ねお芝居をしたと言います。
そんなリジーのシーンで、母親として共感し号泣してしまったと言う仲さん。自身が演じるエミリについて「イマジナリたちのリーダー的存在で、テキパキとみんなをまとめる役なんです。皆さんが想像する私のイメージってエミリのように元気でボーイッシュな女の子なんじゃないかな?と思っていて、ぴったりで嬉しいなと思いましたね」と話しました。
ラジャーを導く役どころである猫のジンザンを演じる山田さんより「落ち着いていて不思議な魅力があります。ラジャーを導く役ですが、背中を押しすぎないように、何事も最後は自分で一歩を踏み出すしかないということが伝わるように演じました」と演じる上での意識が語られ、「猫の王子様と、猫のスナックのママ、夜回りしている猫に続き、今回は4回目の猫です。もう何だったらアニメーションじゃなくても猫をやりたいです、猫になりたいです」と続け会場を和ませる山田さん。
先程、少年時代を思い出したと語ったイッセー尾形さんは「僕にそっくりでしょ? 顔を見た途端にこの役は僕にしかできないな、任せなさいと思いました。見た目は滑稽なおじさんなんですけど、中身はね……。また、素敵なパートナーも登場します」と本編への期待を煽りました。
キャラクターの魅力がたっぷりと語られたトークパート、フォトセッションが終了すると登壇者を代表して寺田さんと、西村さんよりご挨拶。
貴重な体験をしたことを熱く語る寺田さん、西村プロデューサーは「僕の友だちの話をさせてください」と偉大なアニメ監督である高畑勲さんとの思い出を語りました。客席からおふたりに盛大な拍手が送られ、舞台挨拶は終了となりました。
寺田さん:本作は原作の帯にも書かれていたように”子どもに忘れられていくこの物語を君たちはきっと忘れない”という思いから作られた作品だと西村さんからお聞きしました。僕はオーディションを受けたこと、ラジャー役に決まって泣いたこと、本気で映画を作る方々の姿、完成した映像を見たこと、こうして皆さんに映画を届けることができたこと。僕はこの映画に出演できたことを一生忘れません。沢山の人の思いが詰まった作品なので、皆さんぜひ劇場に足を運んでください。
西村プロデューサー:最後に友だちの話をしたいと思います。40歳くらい歳の離れた友だちがいました。それは高畑勲というアニメ監督です。一度高畑さんの奥さんが入院したことがあって僕も病院に向かいました。看護師の方から、高畑さんとの関係を聞かれて説明が難しいので友だちです、と伝えて面会したんです。すると、高畑さんが”友だちっていうから、西村くんかもねなんて話していたんだよ”と笑ってくれました。そんな彼のアニメが大好きで、スタジオジブリに入社して、それから奇跡が起きて一緒に『かぐや姫の物語』を作ることができました。実はその後もう1本映画を作る約束をしていたんです。でも、この原作で企画を練っている時に高畑さんは亡くなってしまい約束を果たすことができなかったんです。高畑勲という人がいなかったら、アニメーション業界を志すこともなく、百瀬監督や素晴らしいキャストやスタッフと出会えていませんし、『屋根裏のラジャー』という作品も生まれていない。人はいずれ消えていくんですけど、その後何が残るのか考えながら企画をしていました。今日は僕のイマジナリー高畑勲のために空席をひとつ用意してもらっています、一番手厳しい友だちに見てもらっているんです。皆さんもぜひ友だちと劇場でも見に行ってください。一生懸命、作りました。
99年生まれ、沖縄県出身。コロナ禍で大学に通えなかったので、「100日間毎日映画レビュー」を個人ブログで行い、ライターに舵をきりました。面白いコンテンツを発掘して、壁に向かってプレゼンするか記事にしています。アニメ、お笑い、音楽、格闘ゲーム、読書など余暇を楽しませてくれるエンタメや可愛い女の子の絵が好きです。なんでもやります!