欠点や弱さも自分の一部だと思えた。“大人”になった富田美憂さんが踏み出す新たな一歩。デジタルシングル『Silent Beat』インタビュー
アーティストデビュー5周年イヤーに突入した声優の富田美憂さん。2023年11月15日(水)より配信中のデジタルシングル『Silent Beat』は、2024年に発売される2ndアルバムからの先行リリースであり、新たな未来への決意を歌い上げた疾走感溢れる一曲となっています。
アニメイトタイムズでは、そんなアーティストとして節目を迎える富田さんにインタビューを実施。5周年に懸ける決意・意気込みや活動を続ける中で感じた自身の成長など、様々なエピソードを伺いました。
23歳は変化の年。24歳では1年間で培った経験や学びをアウトプットする1年に
――今年の11月13日をもってアーティストデビュー4周年、11月15日の誕生日には24歳と、月日が経つのは本当にあっという間だなと驚きました。
富田美憂さん(以下、富田):本当に早いですね……。SNSを見ると、ファンのみなさんも「そんなに経ったのか……」と言っていました……!
本日アーティストデビュー4周年を迎えさせていただきました!
— 富田美憂 (@miyju_tomita) November 12, 2023
5年目の活動の準備を着々と進めていますが、楽しいことばかりでわくわくしています🎤
引き続きよろしくお願い致します! https://t.co/AKsvK8Oc2n
24歳になりました!
— 富田美憂 (@miyju_tomita) November 15, 2023
皆さんのおかげでまた楽しい1年になりそうです☺️
頑張るぞ〜!
そして友達ちゃんが素敵すぎるイラストプレゼントしてくれたから共有させてください、、、愛、、、🫶 pic.twitter.com/4QK27hR6C8
――23歳を振り返ってみて、富田さんにとってどんな1年になりましたか?
富田:アーティスト活動では、フェスに出させていただいたり、コンセプトミニアルバム『Fizzy Night』をリリースしたりと、今までできなかったことにも挑戦できるようになった変化の年だったと思います。
役者としては、以前の自分なら「難しいかも」と思っていたキャラクターに出会うことができたりと、様々なご縁をいただいた1年になりました。
――演じる役柄が広がった要因はどのように考えているのでしょう?
富田:肩の力の抜き方が分かってきたんだと思います。大人なキャラクターを演じるには、自分に余裕がないとできないものなんだと気付いたんですよね。そういう意味では、1つ上の段階にいけたのかなと思います。
また、正直なところ、これまでの私はあまり外交的とは言えませんでした。でも最近は「外に目を向けてみよう」と考えて、色々な先輩とご飯に行くようにしているんです。そのおかげで高橋李依さんとはタメ口で喋る仲になりました!
――おぉ!
富田:人間関係の広さって大事ですよね。家で犬を飼っているので、以前は「ご飯に行こうよ」と言われても断ってしまうことも多かったんです。でも「それって損じゃない?」と気付いて、いただいたお誘いは基本的に喜んでお受けするようになりました。現場でも、台本とにらめっこしていると客観的に見て話しかけづらいからほどほどにしたり。
ほかにも、先輩や後輩とご飯に行くことで新たに感じるものは大きかったです。そういった経験は芝居や歌にも乗ると思うので、自分自身にも様々な変化があった年でした。
――その考え方の変化には何かきっかけが?
富田:弟が2人いるのですが、親戚や母の友達の家に遊びに行ったとき、一番可愛がられるのは長男なんです。全然人見知りしないし、誰にでも話しかけられるし、ずっとニコニコしていて、気遣いもできて。しかも失敗を愛嬌にできちゃうところがあるんです。どこかツンとしていたり、孤高のような印象を持たれていると、1つ小さな失敗をしたときの影響が大きいじゃないですか。長男を見ていてそれが本当に損だと学びました。
――弟さんから学べる富田さんも素敵だと思います。
富田:数年前の自分は、自分を成長させてくれるのは先輩や年上の方だと考えていました。
――「考えていた」ということは今は違うのですね。
富田:周りの人たちのおかげで、色々なことに気が付くことができました。特に印象深いのは声優の小林裕介さんです。ずっとお世話になっているメイクさんが裕介さんも担当されていて、よく3人で集まるんですけど、そのときに裕介さんが私に仕事の相談をしてくれたんですよ。
裕介さんは、私より実力もあるし、年上の先輩だし、私にとっての大人を体現している方なんです。そんな方が私に相談してくれたことに衝撃を受けました。ただ、それと同時に、後輩に相談ができる、弱い部分を話せるのは、自分の弱いところを認めているからこそだと思って。人にはそれを認められないプライドがあるのに乗り越えているのはすごい境地ですよね。
それから私自身、上下関係なくリスペクトできる人になりたいと思いました。むしろ、今まで後輩から学ぶこともいっぱいあったはずなのに、自分は何でそこに目を向けなかったんだと。
――また、先ほどのお話の中で「どこかツンとしていたり、孤高のような印象を持たれていると、1つ小さな失敗をしたときの影響が大きい」とおっしゃっていましたが、詳しくお伺いしてもいいですか?
富田:ストイックだと思ってもらえるのは良いことかもしれませんが、人間関係が大事なお仕事なので、話しかけづらい印象を持たれるのは損だなと。危機感やハングリー精神は持つべきですが、1日中そういう空気を出しても、「お忙しいですよね」って言われちゃうじゃないですか。
私としても気を遣わせるのは嫌なので、忙しくても「今日バタバタしていて」と言わないのが大人だと思っています。「一流の人は、忙しくても忙しいって言わない」とおばあちゃんも言っていたので(笑)。
――おばあちゃんが(笑)。そういった心境の変化はアーティスト活動にも影響を与えそうです。
富田:アーティストの仕事も、この1年は「周りに目を向けてみよう」というモードに入っていた気がします。イベントなどの待機中、以前は自分の出番までずっと張り詰めていましたが、「他の方のパフォーマンスを見てみようかな」と思えるようになって、実際に様々な学びを得られました。だから、24歳はこれまでの経験で培ったものを出していこうと思います。