一撃必殺の技を舞台でどう表現するのか!?　スパイたちが作り上げる“極上”な時間をお楽しみに――舞台『スパイ教室』リリィ役・横山結衣さん＆エルナ役・佐倉初さんインタビュー

2024年1月20日から28日まで、銀座博品館劇場にて開催される舞台『スパイ教室』。「世界最強のスパイ」を自称するクラウスのもとに集まった、個性溢れるメンバー。彼女たちは落ちこぼれとされていたが、全員、一撃必殺の特別な特技を持っていた。

「灯」のリーダー、コードネーム：花園、毒を操るリリィを演じる横山結衣さん。そしてコードネーム：愚人、不幸を引き寄せるエルナを演じる佐倉初さんに、舞台『スパイ教室』への意気込みなどを聞いた。

自身と役の共通点は？　似ているところはここ

――『スパイ教室』という作品に触れた印象をお聞かせください。

リリィ役・横山結衣さん（以下、横山）：落ちこぼれと言われていた少女たちが集められて、訓練をして、ひとつのチームを作って任務に挑む話ではあるんですけど、最初にアニメを観たときすごく元気をもらえて、私もこのくらい頑張らないと！って思いました。

そのくらいパワーを与えてくれる作品だなと率直に感じたんです。そんな作品を舞台としてお届けできるのはすごく嬉しいですし、私自身、とても楽しみにしています。

――女の子がたくさん出てくるところはいかがでしたか？

横山：素直にかわいい！って思いながら見ていました。みんなで和気あいあいしているところも、劇中で演じられたらいいなと思っています。

エルナ役・佐倉初さん（以下、佐倉）：すごく個性豊かなキャラクターたちですしね。私は、ひとりひとり信念があって、過去を持った女の子たちがひとつのところに集まって、そこからストーリーが始まっていく展開が、とっても分かりやすいし、感情移入もしやすいなと思いました。それに、これだけのキャラクターがいたら、絶対にひとりは推しキャラができると思うんですよ。

横山：絶対できますね！

佐倉：しかも悪役もどこか憎めないところがあったりしたので、作品として純粋に好きだなと思いました。

――自身の演じる役柄については、どう思いましたか？

横山：リリィは天真爛漫でお調子者っていうファーストインプレッションだったんですけど、リリィなりの考えがベースにあるんですよね。彼女の過去もしっかり描写されているので、そういう彼女の奥にある気持ちや考えが見えたときに、うわっ！って思ったんです。

この子を演じられるんだ！と嬉しく思いましたし、繊細な演じ分けですけど、そういうところをしっかり皆さんに届けられるような演技をしたいなと。かわいいのはもちろんなんですけど、かわいいだけでなく、スパイになろうと思ったきっかけといった部分は、繊細に表現できたらいいなと思っています。

――ちなみに、リリィは「灯」のリーダーなんですけど、横山さんは、リーダー気質だったりしますか？

横山：いやぁ、アイドルとして活動しているときは、端から見ているようなタイプだったんですよね（笑）。だから私で大丈夫かな？と思うところはあります。でも、リリィ自身もリーダーシップがあるタイプではないじゃないですか。ただ、いざというときには強いメンタルを持っている子なので、みんなの助けを借りながら、素敵なチームにできたらいいなって思っています。

――エルナはどうですか？

佐倉：エルナちゃんは、自分の思っていることを素直に言えない性格で、みんなと仲良くなろうと思ってはいるけど、自分からは言い出せない……。最初は「灯」のメンバーともちょっと距離があるところがアニメでも描かれていたと思うんです。

でも、そこから周りのみんなが気持ちをわかってくれて、エルナも徐々に心を開いていき、エルナ自身もみんなのために動きたいってなるところがすごく好きで。素直になれなかったりするところは私もよくあって、すごく似ているなと感じたので感情移入はしやすかったです。

あと、作品が好きすぎて小説も全巻買ったんですよ。短編集もあるんですけど、それも読んだことで、より『スパイ教室』について知ることができました。私、トマトが苦手なんですけど、なんとエルナちゃんもトマトが苦手で、その共通点がすごく嬉しくて！（笑）　アニメでは描写がなかったと思いますが、それだけで小説を読んで良かった！って思いました。

――共通点があったんですね。ちなみにエルナみたいに不幸体質ではないですよね？

佐倉：不幸体質かもしれない！　あの、よく帽子が飛ばされるんですよ。

横山：かわいい（笑）。

佐倉：私、地方出身なんですけど、東京って車両が多いからホームで最後尾に立っていると、結構すごいスピードで電車が入ってくるんですよね。それでふっと気づいたら帽子がなくなっていて！　周りを見渡してもないことがあったんです。多分線路に落ちちゃったかもしれないんですけど、それがショックでショックで、不幸だ！って思いました。そこも共通点ですね（笑）。

エルナちゃんはみんなをお姉ちゃんとして見ている妹気質なところがありますが、私もリアルに妹なので、そのあたりも似ているのかなって思いました。

――ちなみにリリィは共通点はあったりしますか？　毒じゃ死なないとか。

横山：残念ながらその能力は持っていないんですけど（笑）、私も結構すぐに調子に乗っちゃうところがあるので、お調子者なところは似ていると思いました。それとリリィはお菓子につられちゃったりするんですけど、私も誘惑に負けがちです。そういうところは、わかるわかるって共感しながら見ていました。

――演じるときって、共通点があったほうが演じやすかったりもするのですか？

横山：どうなんだろう！　私は共通点とかはあまり考えたことがなかったかもしれないです。完全に役と分けて考えていたから。でも確かに、共通点を多く見つけることはすごくいいかもしれないですね。