【PR】五千円の関係は、いつしか二人を底知れぬ程まで深く沈めてゆく――このラノ新作7位入選の話題作『週に一度クラスメイトを買う話』これは、読み手すら歪んだ愛に踊らされる、そんな共依存百合だ。
名前のない二人だけの歪な関係。だからこそ、心地良い。
クラスでは大人しく目立たない少女「宮城志緒理」と、先生からも男子からも人気が高い優等生「仙台葉月」。学校では一切交流を持たない二人が、あることをきっかけに週に一度五千円で命令する権利を売買するようになったところから物語は始まります。
最初は「漫画を読んで」や「お菓子を食べさせて」などのちょっとした命令だったはずが、何度も秘密の放課後を過ごす中で、命令の内容は少しずつ過激なものに変化していきます。どのラインまで許してくれるのか――それは、相手への想いを素直に口にできない二人ならではの独特な距離の探り合いなのです。そんな二人の“友情”とも“恋情”とも名付けられない関係を、五千円と命令を通して描く。丁寧な筆致で綴られた一筋縄ではいかない感情の応酬が本作の特徴であり見どころです。
一見正反対。けれど二人揃って素直じゃないし、めんどくさい。
五千円で“命令する側”に立つ少女・宮城志緒理は、特殊な家庭環境ゆえにどこか寂しさを抱えた一面があります。寂しいけど、それを素直に認めることはできない。仙台との関係の中で見え隠れする、彼女の拗れた感情を是非読み解いてください。Web版から書籍化される際に加筆されたエピソードでは、宮城の面倒くさ可愛い内面がよりピックアップされていますのでこちらにも注目を。
一方、そんな宮城に“命令される側”である仙台葉月もまた、かなり複雑な内面を持つ少女です。普通であれば嫌悪感を示すような命令にも従順な彼女ですが、心の中では「宮城の命令を聞いてあげている」というスタンスで想像以上に強か。宮城へ強気に迫る場面もあり、思わぬ反撃に動揺が隠せない宮城の姿もこの関係性ならではの推しポイントです。
迫る契約の期限。名前のない二人の関係の行方は如何に――。
12月20日に発売した最新3巻では、いよいよ卒業後の進路を考える二人の姿が描かれます。週に一度の契約は卒業まで――迫りくる期限を前に、それとなく互いの進路を気にする様子を見せる二人。関係が深まるごとにルールは曖昧になっていく一方、それでもどこか踏み込めない距離がとにかくもどかしい。複雑な感情のあわいで揺れ動く二人の関係がどこへたどり着くのか、是非その目でお確かめください。