冬アニメ『俺だけレベルアップな件』放送直前！坂 泰斗さん（水篠 旬役）×中村源太さん（諸菱賢太役）インタビュー｜旬と賢太は対照的な存在だからこそ影響し合い、起きる化学反応

旬と賢太は対照的な存在だからこそ影響し合い、起きる化学反応

――ご自身の演じるキャラの印象と演じる際に意識された点をお聞かせください。

坂：僕が演じた旬は、僕自身と共通点が多かったり、似た価値観を持っているなと感じさせてくれるキャラクターです。E級ハンターということで能力は低いけど、心は弱くなく、むしろめちゃめちゃ強いと思います。でもいろいろな要因から心が押しつぶされていく中で、心の内側でドロドロしたエネルギーが煮えたぎっていて。ただ弱々しく、芯がない男ではないというところは、レベルアップする前からちゃんと表現してあげたいなと思いました。

――旬は背負うものが多く、特に序盤は苦悩するシーンが多いので演じるのが大変だったのでは？

坂：努力だけでは変えられない現実があるけど、家族のためには自分がやらないといけないので逃げ場もなくて。それ以外にもいろいろなことが回を重ねるごとに降りかかってきて、そのたびに心や体が変化していきます。常に同じ状態ではいられないため、収録のたびにカロリー消費の激しさを実感していました。

　
中村：賢太はD級ハンターですが、大企業の諸菱建設社長の次男です。でも身分を鼻にかけるような御曹司ではなく、明るくて素直ないい子です。旬と出会った時も少し気にかけるシーンがありましたが、そこから旬とどうして共闘することになったのか、どう一緒に戦っていくのかに注目していただけたら嬉しいです。またオーディションの段階から、彼の素直さや明るさが全面に出るように意識して演じました。

――旬と賢太は対照的なキャラですね。

中村：そうかもしれませんね。

坂：生まれた境遇も性格も違うけれど、それゆえに意気が合ったり、共闘できた部分もあると思います。まったく違う二人が出会って、化学反応を起こすことで、影響を与え合い、お互いに成長しているのかなと。この作品は決して旬だけの物語ではないんですよね。

中村：キャラクターそれぞれにいろいろな物語があって、しっかりバックボーンも描かれています。

坂：話が進んでいくごとに、それぞれのキャラクターの運命の糸が複雑に絡み合っていく、群像劇的な要素もあります。

坂さんの現場での雰囲気作りが良い作品作りの源に

――ちなみにどんな形で収録されたのでしょうか？

坂：まだ分散収録の形でした。源太くんとは掛け合うシーンが多かったので、一緒に収録することができましたが、掛け合うシーンがない方とはなかなかお会いできませんでした。

中村：実は坂さんとご一緒したのはこの作品が初めてでしたが、坂さんが率先して積極的に声をかけたり、雑談してくれたりして、毎回収録しやすい空気を作ってくれました。

――本編中でハードな状況や心理状態の難しいキャラを演じながら、他のキャストにも気を遣えるのは素晴らしですね。

中村：さすが座長です。

坂：いやいや（笑）。でも主人公を演じさせていただく上では必要なことだと思っています。皆さんが気持ちよくお芝居できないと、決して良い作品にはできないし、より良くするために思い浮かぶことはすべてやりたいと思っていました。

　
中村：カッコいい！　その心遣いがありがたかったです。僕らが掛け合うシーンも、前段階で空気を作ってくれたからこそ、自然にやれました。特に最初の出会いのシーンは、緊張感がある会話ではなかったので、演じる僕らが緊張したままでまったく会話がないとちぐはぐになってしまうのですが、それがまったくなくてやりやすかったです。

坂：お芝居をする人同士の関係性は、掛け合う時にも少なからず出ると思います。もちろん緊張感はプラスに働くこともありますが、旬と賢太の初対面のシーンはそれが不必要だったので、みんなで楽しくできればと思っていました。

完成映像のクオリティの高さと熱量に、二人の感想は「すごい！」

――実際に完成した映像をご覧になった感想は？

坂・中村：すごかった！

坂：その言葉しか出てこない。

中村：僕も見ていた時、「わーっ」しか言っていなかったかも。

坂：画がきれいで素晴らしいのはもちろんですが、このアニメの見どころは、やはり戦闘シーンだと思います。制作スタッフの皆さんがハイクオリティですごい熱量の映像を作ってくださっています。僕らの声やお芝居に合わせて描いていただいた部分もあったと思いますが、100％、いや120%汲んだ映像に、劇伴SEなどの音の素晴らしさ、さらにあるシーンでは状況に合わせて少しずつ音が増えていく演出もされていて。感動しましたし、感謝してもしきれないくらいの映像でした。

中村：制作スタッフの皆さんが高い熱量と愛情を持って制作されているのがひしひし伝わる映像だったので嬉しかったですし、我々キャスト陣も「もっと頑張らなくては」という励みになったので、良い相乗効果やサイクルになっていると思います。

――事前に3話まで視聴させていただきましたが、ハリウッドのアクション映画を見ているような、息をのむ展開と緊張感の連続で、見終わった後の疲労感がまた心地よくて。

坂：確かに、生死をかけて戦うさまを見る時は主人公だけでなく、見ている方も同様にのめり込んでしまうし、自然と集中してしまうと思います。

中村：特に序盤は悲壮感や絶望感がすごいし、どうしようもない不条理に翻弄される旬を、坂さんがしっかり汲み取って演じられていたので、リアリティのあるシーンになっていたと思います。

坂：シリアスでハードな局面が多い作品ですが、ホッとできたり、コミカルなシーンもあって、うまく演出していただいています。ずっと生死をかけたシーンばかりではエネルギーも使い果たしてしまうと思うのですが、音楽によって「ここは息抜きしていいんだな」とわかりやすく雰囲気を変えていたりなど、緩急のバランスが素晴らしいと思います。