『機動戦士ガンダムSEED』は何がすごかったのか？なぜ今も『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』がこれほどまでに騒がれているのか？当時の世代だからこそ見える世界をみんなに伝えたい、共有したい！

楽曲と紐づいて名場面も記憶されている

やっぱり『SEED』シリーズといえば音楽も忘れられません。作曲家の佐橋俊彦さんによる劇伴は名曲揃いで、本作の楽曲を作中だけでなく様々な媒体で聴くことがあったように思います。

「GUNDAM出撃」や「出撃!インパルス」は後述する『機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T.』や『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合 VS. Z.A.F.T.II』でよく聴いていたので、あのメロディを聴くといまだにワクワクするくらいです。

また、主題歌と挿入歌に紐づいて名場面が思い出されることもポイント。例えば『SEED』のエンディングのひとつSee-Sawの「あんなに一緒だったのに」なら、PHASE-01「偽りの平和」ラストシーンの爆炎の中で立ち上がるストライクガンダムや、キラとアスランの切ない再会を描いたPHASE-28「キラ」のエンディングなど、印象に残る名場面と名曲がセットになっていました。

T.M.Revolutionによる挿入歌「Meteor -ミーティア-」は、やはりPHASE-35「舞い降りる剣」でしょうか。『SEED』の名場面を問われたら、あのフリーダムガンダムの勇姿を上げる人は少なくないでしょう。

もちろん、第1クールオープニングの「INVOKE -インヴォーク-」も忘れられない名曲です。10周年時のHDリマスタープロジェクトで映像が刷新されたのですが、終盤が新たな戦闘シーンになっていて興奮したことを思い出しました。

後は『SEED』『SEED DESTINY』共にオーブ連合首長国が関わるシーンで流れる、FictionJunction YUUKAの楽曲たち。FictionJunctionはあの梶浦由記さんのソロプロジェクトだそうで、『SEED』で流れる「暁の車」、『SEED DESTINY』で流れる「焔の扉」共に名曲といって差し支えありません。

【主題歌】TV 機動戦士ガンダムSEED HDリマスター挿入歌「暁の車～ReTracks」/FictionJunction YUUKA

　
『SEED DESTINY』では、やはりT.M.Revolutionによるオープニングテーマ「ignited -イグナイテッド-」でしょうか。もう20年前の楽曲だというのが信じられないのですが、PHASE-01「怒れる瞳」冒頭の鈴村健一さん演じるシンの慟哭からこの曲が流れた瞬間に鳥肌が立ったことを今でも覚えています。

そこから第1話だけのつもりが、その後も『SEED DESTINY』をリアルタイムで見るために毎週土曜日はしょっちゅう部活をサボるようになり、結局退部したのも今となってはいい思い出です!

もうひとつ『SEED DESTINY』で筆者が印象に残っている主題歌が、有坂美香さんによる楽曲の「Life Goes On」です。切なげなメロディと共に関係性のあるキャラクターが上下に流れていく映像が、ずっと記憶に残ってしまっているんですよね。

また映像に入る前のイントロが特徴的で、このイントロが流れ出すと今週の放送はもう終わりかと次回に想いを馳せる時間になっていました。

他にも、筆者が個人的に『ガンダムSEED』シリーズで一番好きな楽曲に、ステラ・ルーシェ役の桑島法子さん（※『SEED』ではフレイ＆ナタル・バジルール、『SEED FREEDOM』でもアグネス・ギーベンラート役）が歌う「深海の孤独」という曲があります。

現在各種配信サイトで見られるHDリマスター版でもPHASE-32「ステラ」で流れるので、ぜひ一度聴いてみてください。第1話冒頭もそうですが、シンが泣いたり叫んだりするシーンは本当に胸に突き刺さります。やはり鈴村さんはすごすぎる。

【サウンドトラック】TV 機動戦士ガンダムSEED DESTINY ORIGINAL SOUNDTRACK 2

　
ここはシンに感情移入し過ぎて当時ガチ泣きしたものですが、後々そんな彼が一部の方に嫌われていたことを知って驚いたものです。

『SEED DESTINY』の頃には携帯電話（※スマホではなくガラケーです）を持たせてもらえるようになったり、インターネットを使ってもいいと親から許可が出ていたので内緒で匿名掲示板で作品の反応をチェックしてしまったのですが、あまりにもショックで以降はなるべく見ないようにしていた記憶があります。

あとは、後藤リウさんによるノベライズのあとがきを鈴村さんが務めたものがあり、そこに書かれていた内容も本当にショッキングで……。

シンはいろいろな人に反発したり食ってかかったりしているし、キラやアスランの側から見ると嫌な人間に写ってしまうのも、自分が大人になった今だからわかる面もあります。

しかし、当時の筆者の周りにはシンやインパルス、デスティニーが好きな子の方が多かったので、ネット上の反応は本当に信じられなかったのです。やっぱり少年時代には、主人公というものは無条件でかっこよく見えてしまうものなのでしょうか……。

話が逸れてしまいましたが、「Believe」「Realize」などを歌っていた玉置成実さんもすごかった。自分たちと殆ど年齢の変わらない方が主題歌を歌っていると、友人間で話題に上ったことがありました。『SEED FREEDOM』でもオフィシャルサポートソングの「Reborn」を担当されており、嬉しく思った方も多かったのではないでしょうか。