アニメ

2024-02-03 19:00

冬アニメ『姫様“拷問”の時間です』姫役・白石晴香さん×エクス役・小林親弘さんインタビュー｜「姫役が白石さんと聞いたときこの作品は成功すると確信しました」

姫役が白石さんと聞いたとき、この作品は成功すると確信しました

――お互いが演じるキャラクターの印象も教えてください。

白石：エクスは状況説明などをしっかりしてくれて、ストーリーを締めてくれる存在だと思っています。剣だから表情はないはずなのですが、アニメになったときにエクスの表情みたいなものがより見えてきたんですよね。それは演出に加えて、小林さんのお芝居があったから感じられたことだと思っていて。

――実際、小林さんのツッコミぶりはいかがでしたか？

白石：すごいです！　エクスって、ほとんどのツッコミが「姫様！」なんですよ。でも、小林さんはものすごいバリエーションの「姫様！」でツッコんでくださって。もうアフレコの終盤あたりからは「姫様！」だけのボイスを集めた音源を出してほしいと思うようになったくらいです。

小林：その音源、必要!?

白石：聞き比べたくなるほど、巧みなんです！（笑）　回を増すごとにバリエーションも増えていき、驚くばかりでした。そのツッコミに耳を傾けてしまった瞬間、感情がボロボロって崩れると思って。実はアフレコ中は、できるだけ聞かないようにしていたんです。

小林：えっ、そうだったの!?

白石：はい（笑）。それでも笑いを堪えられなくなりそうなときがあって。それくらいインパクトのあるツッコミをたくさんしていただきました。

――「姫様！」サウンドボイス集のリリースが楽しみです。

白石：それだけは絶対に作ってほしいです。ぜひ！

――小林さんは姫様にはどのような印象をお持ちですか？

小林：エクス役が決まった段階では誰が姫様役になるのかは知らなくて。しばらくしてから、「白石晴香さんです」と聞いたときに、この作品は成功すると確信しました。僕は違う作品でも白石さんと共演していて、ボケにゆるぎない信頼を置いていたんです。実際、すごかったですね。もう姫様そのもの。予想していないボケを常にしてくださるというか。

白石：「ボケ」って言われるとちょっと……（笑）。姫様は本気なんですけど！

小林：そうね（笑）。もうその本気がめちゃくちゃ面白い。本当にどんな出方をするのか予想できなかったので、後半の話数からは、姫様との掛け合い部分は事前練習せずに本番へ臨んでいました。どう出るか分からないから、決め過ぎてもしょうがないですし。乗っからせていただきました。

白石：姫様は心の声が漏れちゃうタイプなので、全力でその様子を表現しました。それをエクスが全力でツッコんでくれるんです。私も小林さんに絶対的な信頼があって。だからこそ生まれた掛け合いもあったんじゃないかな。

小林：それはあった気がします。現場で「ここ、アドリブお願いします」と急にお願いされることもありましたが、すんなりできて。面白かったですよね。

――スタッフさんもお二人の掛け合いが面白くて、アドリブを急に振るようになったのかもしれませんね。

白石：ありがたいことに収録中、スタッフさんはずっと笑ってくださっていたようで。たまにディレクションも笑いながらされることがありました。

小林：ありがたいよね。

白石：すごく嬉しかったです。

――アフレコ現場はどんな雰囲気でしたか？　もし公表できるエピソードがあれば……。

白石：あります！　毎回美味しそうな差し入れを用意してくださって。みんなで休憩時間などに楽しく食べていたんです。ただ、私はアフレコ期間はずっとダイエットをしていて……。それこそ姫様と同じく「屈しないぞ」という気持ちで収録に臨んでいました。それなのに、一部のキャストさんが私の目の前にやってきて……。

小林：一部のキャストさんがね、白石さんの目の前で差し入れをわざと食べるんですよ。

白石：……。その一部のキャストさんって誰のことですかね!?

小林：誰だろうね？　きっとここにはいないでしょう。

白石：ですね。小林親弘さんっていう方なんですけど。あとは“拷問”の天才であるトーチャー・トルチュール役の伊藤静さん。主にその二人が私の目の前で、すごい顔をしながら差し入れを食べるんですよ。もうまさに“拷問”。リアルにその感情を収録にぶつけることができたので、ある意味よかったかもしれないですけど！

小林：とてもいい姫様でした。

白石：くぅ！　二人からされた仕打ちを忘れずに収録に臨んで、叫びました。

小林：あのときはごめんなさい（笑）。でも本当に毎話美味しい差し入れがあったよね。

白石：ドーナツとか、あとは作品に関わる差し入れも用意していただけて。私がダイエットをしていることに気づいた（原作の）先生が、箱に入っている「シルバニアファミリー」を連れてきてくださったのも、嬉しかったです。みんなで「シルバニアファミリー」を交換してワイワイしていました。

小林：記念撮影もしていたよね。面白い光景でした。

――お芝居の面ではいかがでしたか？

白石：みんなピッタリでしたよね。

小林：本当に。陽鬼・陰鬼役のお二人（永瀬アンナさん・井上ほの花さん）は、オーディションのときに仲良く打ち合わせしてオーディションに臨んだそうで。その様子がまさにキャラクターのようで、役を射止める決め手にもなったそうです。

白石：ふだんの現場でふたりが喋っている様子を見ると、もうキャラクターのまんまで。すごくほっこりします。その他のみなさんも含めて、あえて一生懸命にその場で作ろうとしなくても自然と関係値が仕上がるような掛け合いができました。

小林：魔王役の玄田（哲章）さんは叫んでいるだけで面白い。収録中にめちゃくちゃ笑った運動会の回は、ぜひ見て欲しいですね。

「姫とトーチャーの距離が縮まっていく様子を丁寧に描きたい」と監督から聞きました

――先ほど差し入れのお話もありましたが、お二人が目の前に出されたら我慢できないほど好きな食べ物はありますか？

小林：カレーかな。

白石：そうだったんですか!?　収録終わりにご飯食べに行く機会も結構ありましたが、気が付かなかったです。

小林：今までは巧妙に隠してきたから。

白石：なぜ隠す必要が（笑）。

小林：でも、よく考えたらお寿司でも一緒かな。目の前に出されたら我慢できない。

――元も子もない（笑）。

小林：めっちゃ笑うじゃないですか！　でも、中トロとか目の前に置かれたら、もう我慢できなくないですか？

――お、おっしゃる通りです……。

小林：でしょ？　もうね、我慢できないですよ。

白石：確かにね。

小林：あっ、適当に返事しましたよね、いま。

白石：便利な言葉を使っちゃいました。

小林：（笑）。そういう我慢できない食べ物はある？

白石：ありますよ。私、お肉が好きで。特に肉寿司。

小林：旨いよね！

白石：ですよね！　私、お肉をレアで食べるのが好きなんです。だから肉寿司はもう最高の食べ物でして。あと、差し入れでよくいただけるもので「歌舞伎揚」。目の前にあると手を伸ばさずにはいられない。

小林：へぇ！

白石：食べられないときは、ちょっといただいて帰るくらいには好き。我慢できなくて、ついつい食べ続けちゃいます。

小林：そんな勢いで食べるの!?　すごいね。僕はお菓子で言うと「ポッキー」かな。ちょっと聖剣っぽい感じもありますし。

白石：無理やり。

小林：無理やりじゃないよ！　色とかもそうやん？　子供の頃に遊ばなかった？

白石：食べ物で遊ばないでください！

小林：怒られました。もうポッキーで遊ぶことはないです。

白石：よかったです（笑）。

――最後に、それぞれが思う序盤の見どころを語っていただければと思います。

小林：最初は騎士ものファンタジー作品が始まりそうな雰囲気ですが、すぐにトーストを食べ始めて、いきなりシリアスな世界観が崩れます、そういう裏切りがこの作品の面白さですよね。

白石：序盤のみが完全なるカッコいい騎士状態。ただ、それさえも1話のラストにネタバラシがあって。間違いなく1話でこの作品を好きになってもらえると、確信しています。

小林：本作は『サザエさん』枠でいけるくらい、ずっと見続けられる作品だと思っていて。100話、200話続いても、きっと何気なく見ていられる。これ見てから寝たいと思えるぐらいの作品じゃないかな。何の知識を入れずに見てもOK。1話見損ねちゃったからストーリーが分からなくなる、ということも恐らくないです。いい意味で、途中から見ても楽しめる作品なんじゃないかな。

白石：確かに！　一話、一話がちゃんと完結しているので、どこを取っても面白いです。一方で、通して見たら変わっていく関係なども楽しめると思っていて。本作のアフレコが始まるとき、監督から「1話から最終話までの間で、姫とトーチャーの距離が縮まっていく様子を丁寧に描きたい」というお話を聞きました。

“拷問”というワードだけだとあまりいい印象はないかもしれませんが、本作は拷問する側の葛藤や、それに気づく姫様の様子も描かれていくんです。そのなかで、きっと魔王軍も国王軍も好きになっていくんじゃないかな。「なんだ、いい人しかいないじゃん」と分かってからが、第2章のスタートと言えると思うので、楽しみにしていてください。