わん＋わん＝わんだふるなデュエット誕生！　『わんだふるぷりきゅあ！』ED主題歌「FUN☆FUN☆わんだふるDAYS！」を歌う石井あみさん＆後本萌葉さんインタビュー

音楽で言葉を表現したい

――〈(ワン！)〉〈(ぷい)〉など合いの手的な表現を石井さんが担当されています。今回、石井さんが今までになく、歌の中でのお芝居的な表現にも挑戦されている印象があって、石井さんは感情や物語を表現されるのも上手なんだなと。

後本：思いました！

石井：えっ、本当ですか？　嬉しい。

――石井さん自身はどのように感じられていたんです？

石井：もっと頑張っていきたいところで。合いの手は実は課題で。最初にいただいた時に「これは課題だから」と（音楽プロデューサーの井上 洸氏）言われていました。私は歌に感情を乗せるところが、まだまだなところがあるので、この歌を通して大切なことをたくさん教えてもらって。もっともっと成長していきたいです。改めて歌わせてもらえたことに感謝しています。

最初に通して歌ったときと、録り終わったときとで、（言葉の響き方が）違うんです。私は最初から感情を乗せているつもりで歌っていたのですが……井上さんは「言葉だけでなくメロディーを表現して、結果的に言葉が伝わるように」というディレクションをしてくださっていて。一つひとつのディレクションがすんなりと入ってきました。言葉で歌うのではなくて、音楽から言葉やメッセージを伝えたいという気持ちになれました。それは、今後の課題でもあると思います。

――歌の中でのお芝居というと、後本さんの印象も強くて。

後本：確かに「ようこそ、お子さま♡ドリーミア」（『映画デリシャスパーティ♡プリキュア　夢みる♡お子さまランチ！』主題歌）は1曲を通してお話を表現するというミュージカルのような曲だったので、そういうイメージがあるかもしれません。ただ、私自身はまだまだお勉強不足といいますか……あみちゃんにこれからも教えていただきたいなって思っているんですけども。

石井：いやいやいや……！

――表現方法という意味では、ものすごく興味深いおふたりがバディを組んだなって。

石井：そうなんです！　良い意味で全然違うふたりなので、それが合わさったとき、どんな感じになるんだろう？と想像していて。

最初に合わさったものを聴いたとき、ビックリしました。お互いの声の良さがお互いを引き出していて。掛け声はもちろん一緒に言ってるんですけど、萌葉ちゃんがAメロを歌って、私が合いの手を入れて、サビ前でふたりの声が合わさって……「一緒に歌えたね！」って気持ちがサビでも表現されているように感じていて。私はそこからワクワクしてしまうんです（笑）。

――曲の中にも物語がありますよね。

石井：そう思います！　私はふたりが一緒にお散歩しているイメージでした。1番はふたりで並んで歩いているような印象で、2番は私がツッコミを入れてるような（笑）、そういう感じのイメージがあります。落ちサビがすごく良いですよね。グッとくるポイントがあって。今までと同じメロディだけど、全然違う歌い方というか。心の中を出しているような気持ちになります。

そこでワクワクが戻って、手をつないで歌っているような気持ちになって。

後本：うんうん！　なれますね。

石井：そして、間奏がめちゃくちゃ良い！　

後本：わかります！

　
石井：ワクワクがたくさん詰まっている音がして。アトラクションのように楽しい気持ちになります。

――ヒゲドライバーさんならではのリズムと、石塚玲依さんの編曲が素敵ですよね。石塚さんは『Go！プリンセスプリキュア』の楽曲も担当されていました。

石井：そうなんですよね！　石塚さんとは初めてレコーディングでお会いしまして、ものすごく優しい方で、見守ってくださいました。ヒゲドライバーさんとはお会いしたことはまだないんですけど、SNSはいつも拝見しています。いつかお会いしてみたいです。マイクさんもリモートで参加してくださっていて。

――マイクさんは沖縄在住ですものね。

石井：沖縄のお話をしてからレコーディングをしました（笑）。「シーサーを見てみたい」っていう話をしたかったんですが、私がシーサーという言葉を思い出せず、それこそ井上さんにもその話題に参加してもらって。私はレコーディングがいちばん緊張してしまうタイプなので、この日もものすごくガチガチで行っていて、沖縄のお話をできたことで、少し肩の力を抜くことができました。「それ、シーサーね」って言われて（笑）。

後本：（笑）。私も石塚さんとマイクさんとお話させてもらいました。マイクさんとは同じくリモートで。でも私、マイクさんとリモートがつながった瞬間に、お菓子を頬張ってまして……。

石井：（笑）

　
後本：「あっ、今ですか？　あっ！」という感じで、お菓子が口に入っている状態で「お疲れ様です！　すみません！」って（笑）。ものすごく優しい方で緊張をほぐしてくださいました。石塚さんとはものすごく温厚なイメージです。あみちゃんも言ってましたけど、見守ってくださるような。ちょっとしかお話することは叶わなかったんですけども、本当に優しい方なんだろうなって。

石井：うんうん！　安心してレコーディングをすることができました。実は私は、レコーディングをちょっと見学させてもらっていたんですよ。

――へえ！　どちらが先にレコーディングされていたんでしょう？

石井：先に萌葉ちゃんが歌っていて、私は別日でしたが、お邪魔させてもらいました。

後本：そう、来てくれたんです。あの日、忙しかったんだよね？

石井：でもきちんとお話したくて。それまで感謝祭など、ちょこちょことご挨拶はしていましたけど、きちんと「よろしくね」ってするのは初めてでした。

――へえ！　意外！

後本：ちょっと緊張していて（笑）。私としては、一緒に歌う仲間ですし、バディだからと思って「あ、あみちゃん！」って感じで駆け寄ったんです。そしたら「あっ、よろしくお願いします」って（笑）。

石井：申し訳なくなってしまって（笑）。私のほうが緊張していたかもしれないって思うくらい、緊張していました。でもありのままで接してくれて。お歌も本当に、萌葉ちゃんそのままなんですよ。明るくて、素直な心が、本当にそのままお歌にも、レコーディングにも出ていて。「こんなに素敵なものを見させてもらったんだから私も頑張らなければ！」と思って、音楽づくりをさせてもらいました。

ワン＋ワンは、サンになって欲しい

――さきほど石井さんが最初に歌ったときとはふたりの声が合わさったときとで、印象が違ったというお話をされていました。後本さんはどうでした？

後本：どうなんだろう……。（同席していた井上プロデューサーに）違いました？

井上：いや、むしろ変わらず。そもそもこの曲は、後本さんの声色にぴったりの曲なんですよ。だからありのままでOKです、というお話をしていていました。

後本：そう言っていただいていて。表現の方法などは井上さんからディレクションをいただき、ちょっとずつ作っていきました。「それは違うよ」って否定されるようなことは言われず、「そういう解釈なら、こうしたほうがいいよね」ってポジティブな方向に持っていってくださっていて。皆さん本当に温かくて優しくて。素敵な環境で録らせていただいたなっていう印象があります。

――　一方、石井さんはいかがでしたか。

石井：今回、実はめちゃくちゃ時間をかけてしまっていて……。

井上：僕から少し補足をさせていただくと、ふたりの声の声色にはそれぞれ違った個性があるんですね。後本さんの場合は、声を発するだけでかわいい。つまり、歌うだけでかわいくなるんです。それはもしかしたら、いろいろな曲を歌っていく上では課題となるところなのかもしれませんが、こと『わんぷり』に関してはピッタリです。

一方で石井さんの場合は、色を足していく作業になりました。石井さんは音大で歌の勉強をされてきた方ですが、声楽科の授業ではイタリア語で表情をつけていくことが主なんです。日本語で表情をつけるという意味では、とても苦労したとは思いますが、期待を込めて石井さんにお願いしました。

石井：レコーディングブースに入って、慣れるまでに時間が掛かるので、1番歌って、2番を歌いはじめたあたりで「最初からこれでやってくれ」と言われるくらい、なかなか定まらなくて。そのあたりでやっと身体に馴染んでくる、という感じです。毎回、そこから1番を録りなおさせてもらっています。

後本：そうなんだ……！

――妥協せずそれだけ向き合ってくださるプロデューサーがいるということも素晴らしいですよね。それこそバディです。

石井：本当にありがたいです。レコーディングも日々進化していて、昔は「一発録り」が当たり前のようにあったと思います。でも根気強く、何度も何度も、挑戦をさせてもらえる。その環境がとてもありがたいし、そこに甘えることなく、自分を超えていかなきゃって毎回思っています。

――井上プロデューサーは「色を足していく作業」とおっしゃっていましたが、私は勝手に、お互いの良いところを盗んでほしいという狙いもあるのかなと思っていました。

井上：それはありますね。お互いに長所も短所もあります。足して2ではなく、足して3になってほしいんです。

後本：すごく良い言葉……。私はあみちゃんから学ぶことがたくさんあって。私とは全然似ていないからこそ、この曲で混じり合ったときに新しいものが出来ていくんじゃないかなって思っていました。ライブの裏で努力されている姿も見てきたので、あみちゃんの歌に対する姿勢もすごく尊敬しています。あみちゃんからこれからたくさん吸収させてもらい、足して3になるように、ふたりの絆を皆さんにお届けできるように1年間頑張っていきたいなと思いました。

石井：『わんぷり』はかわいさもありながら、それだけではなく、グッとくる気持ち、ふたりがお互いを思い合う気持ちと、たくさんの気持ちがあって。それを音楽で表現したら、聴いてくださっている方々も、より『わんぷり』を好きになってくれるのかなと思っていました。自分なりにそれを表現できるように頑張ろうって思っていたのですが、今おふたりからお話を聞いてもっともっと頑張りたいと思いました。足して3ってすごく良い言葉です。ワン＋ワンで、サンに（笑）。

――素敵な表現！

石井：期待に応えるのではなくて、期待を超えられるように頑張ります。