「おジャ魔女カーニバル!!」は子供の素直な気持ちを表現してほしいという発注をしています―― 『おジャ魔女どれみ』ができるまで | 東映アニメーション 関弘美プロデューサーインタビュー【後編】
『おジャ魔女どれみ』を古い作品ではなく、普遍的な作品だと思ってもらえるように
――いよいよ第1話が放送されるまでの宣伝についてもお伺いさせてください。メインターゲットである子供たちに見てもらうために、当時の宣伝で工夫や戦略があれば教えてください。
関:ひとつはメディアミックスという形で、たかなししずえ先生の漫画をなかよしさんに連載していただきました。2月7日が『どれみ』の第1話の放送日なんですが、なかよしは2月1日が発売日だったので、第1話を掲載するタイミングはそこに揃えさせていただきました。
ただ、こちらは毎週の放送がありますが、向こうは月刊誌なので登場人物をそんなにべらぼうに増やせないという事情はありましたので、あとはベテランのたかなし先生におまかせして先生の感受性で描いていただくという感じでしたね。
もうひとつ宣伝で言うと、『どれみ』の前にやっていた『夢のクレヨン王国』で流す予告編ですね。しかも、普通は放送2週前に15秒予告、1週前に30秒予告を作るだけなんですが、あの頃は気合を入れていましたから、1ヶ月前から色々と映像が違う15秒予告をうっていたんです。
世間には原作漫画があるわけではないので、こうやって期待値を上げていくしかないんですよ。だから、放送1ヶ月前の1月から15秒予告を、それも全部違うシーンにしたものをうっていって、最後は30秒予告をうつという流れでした。
――そしてついに第1話が放送されるわけですが、当時の反応で印象に残っているものはありますか?
関:第6話の放送後に発売されたアニメージュさんで、あさりよしとおさんが『どれみ』のことをすごく褒めてくださるコメントをいただいたので、それは私たちスタッフにとっても励みになりましたね。
「魔法で悪い子をやっつける話になると思ったら、この作品は違うんだよ」みたいなコメントでしたが、変身して悪い奴をやっつけるような誰でも知っている王道のパターンではない、そういうところを評価していただいたのは嬉しかったです。
――大人の目線でも楽しめる作品なのが、25年たっても人気がある要因ですね。
関:子供の時は気付かなかったけど、大人になって見返してみると「こういう子いたよな」と思い出したり、劇中と同じようなことをやっていたとか、よく言われます。あの時みんなで話し合ったことが、そういう形で戻ってきてくれて嬉しいです。
――それでは最後に、25周年を迎えた『おジャ魔女どれみ』のファンに向けてメッセージをお願いします。
関:『おジャ魔女どれみ』を古い作品ではなく、普遍的な作品だと思ってもらえるように、これからも色々な形で情報を発信していこうかなと思っているんです。
どういう形になるのかはわかりませんが、「AnimeJapan 2024」で発表する映像の反響を見て、次のステップに踏み出せると良いなと思っているので、ぜひ応援していただけるとありがたいです。
企画・取材・記事:岩崎航太、編集:石橋悠、写真:胃の上心臓
関連情報
▼25周年公式サイト
https://www.doremi-anniv.com/
▼おジャ魔女どれみ新作映像 MAHO堂「おジャ魔女カーニバル!!」
早くも250万再生を突破! ※2024年4月30日現在
https://youtu.be/i3mzMFy3dBg?si=TbMPbNz5NN6EC3JN
作品概要
あらすじ
キャスト
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