マンガ・ラノベ
『モンスターアンドゴースト』(著・ヒメミコ)魂を揺さぶる魅力とは?

“たった一人でも自分を分かろうとしてくれる存在が居る”──BLアワード2024「次に来る部門」第𝟏位を獲得『モンスターアンドゴースト』の魅力を解説! 化け物と恐れられる孤独な高校生×美しすぎる幽霊|魂を揺さぶる純愛ストーリーを描く

鬼才・ヒメミコ先生が描く『モンスターアンドゴースト』。一気に惹き込まれる圧巻の画力と心に刺さるストーリー、登場人物も魅力の人気作品で、BLアワード2024「次に来る部門」第𝟏位に輝くなど高い支持と評価を獲得しています。待望のコミックス第2巻が、2024年4月25日に発売されました。

化け物と恐れられる高校生×美しすぎる幽霊の切ない純愛ストーリーを描く本作。誰からも理解されない孤独な青年・戸純 椿(ことんつばき)と、綺麗な顔をした幽霊・勇樹 兜(ゆうきかぶと)が出会い、いつしかお互いに必要な存在となっていきます。

本稿では、そんな大注目を集める『モンスターアンドゴースト』の魅力を解説。魂を揺さぶる究極の人間愛に、ぜひ触れてみてください。

 

魂を揺さぶる画力とストーリー! ヒメミコ先生が描く『モンスターアンドゴースト』とは?

 
2023年8月にコミックス第1巻が発売された『モンスターアンドゴースト』。作者のヒメミコ先生が「他人に理解されないモンスターヤンキーが顔の良い高校生幽霊に理解される話」と題して本作をX(旧Twitter)に投稿し、10万をはるかに超えるいいねが集まるなど大反響を呼びました。

本作のメインとなるキャラクターは、高校生の戸純 椿と幽霊の勇樹 兜。暴君と恐れられる孤独な椿は、不器用な優しさが全て裏目に出てしまい、誤解されて傷ついて、誰にも期待しなくなっていました。そんなある日のこと、息をのむほどに美しい幽霊・兜が椿の前に現れたのです。

自分のことを理解して肯定してくれる兜によって溶かされていく椿の心、それぞれ求めていたものを見つけて惹かれ合っていくふたりを描くと同時に、兜はもうこの世にはいない幽霊だという切なさに胸が締め付けられる本作。

圧倒的画力で繰り出される純愛ストーリーの深い魅力に一気に惹き込まれたという読者も多く、さらに今後どのように物語が展開していくのか非常に気になる作品です。

 

 

化け物と恐れられる高校生・戸純 椿×美しき幽霊・勇樹 兜

【攻め】戸純 椿(ことんつばき)

 

〈プロフィール〉
誕生日:11月23日
学年:高校1年生
身長:193㎝
体重:91㎏
好きな食べ物:肉
イメージカラー:ダークレッド・ブラック

長めの黒髪で顔を隠し、体は大きくて暴力的。化け物と恐れられ、誰からも理解されない孤独な椿は、高校の転校初日から暴力沙汰で注目を浴びていました。

過去にある暴力事件を起こしており、実家を出てひとり暮らしをしている椿。路地裏で困っていた女性を救うために喧嘩をした彼の家に、なんとも美しい幽霊が訪ねてきたのですが、その幽霊・勇樹 兜に取り憑かれて一緒に過ごすように。兜は女性を助けた椿が格好良すぎて憑いて来たそうです。

椿は圧倒的な“強”が備わった攻め様で、喧嘩がめちゃくちゃ強くて実は優しい。筋肉美が素晴らしく、半袖Tシャツから伸びる立派な腕も格好良くて、胸筋がとにかく凄い……夏服の白シャツ姿になると、ボタンが飛びそうなくらいミッチミチではちきれそうです!

 

 

【受け】勇樹 兜(ゆうきかぶと)

 

〈プロフィール〉
誕生日:4月10日
学年:高校1年生
身長:168㎝
体重:58㎏
好きな食べ物:唐揚げ、プリン
イメージカラー:ホワイト

椿に取り憑いている幽霊。椿からは「カブ」と呼ばれており、幽霊なので滑るように椿に憑いて来ます。髪色はシルバーベージュで、宝石のように輝く美しい瞳が印象的。綺麗で可愛い最強の顔面を持っているけれど、己の顔面に無関心です。

人を助けようとして殺されてしまったという兜。基本的には取り憑いている椿にだけ兜が視えているようで、椿と会話することはできますが触れることはできません。さりげなく食べ物いいなと言った兜の言葉をちゃんと覚えていた優しい椿のおかげで、ある方法により食事をすることが可能に。

椿の部屋はすごく生気に満ちているらしく元気になるものの、椿から離れると意識が保てなくなるそうです。

 

 

何かが変わる瞬間、心奪われるシーン

見た目や噂のせいで周りから恐れられ、人を助けるために喧嘩をしても誤解されやすい椿。不器用な優しさがいつも裏目に出てしまい、孤独で誰にも理解されない諦めの日々を送っていました。

誤解されることに慣れすぎている上に、決めつけられても否定しない椿。誰も本当の自分を見ないし期待なんて初めからなかったけれど、ある日突然現れた兜だけは違っていました。

椿が不器用に人助けをしていることをその目で見た兜は、彼の外見や誰かの言葉に惑わされず、最初から偏見なく椿を見つめています。

そんなある日、バスケ部の助っ人として誘われた椿は、兜が見たいというので練習試合に参加することに。体を動かすことは大抵何でも出来るようですが、誰にも望まれず暗い闇の中にいた椿は、いつからかそんな“まともな場所”から遠ざかっていました。

けれど、自分の事を知ろうとしてくれて期待してくれる兜の存在により、椿の中で何かが変わっていきます。バスケでダンクを決めた瞬間、そして兜が今どこにいてどんな顔をしているのか見たくて椿が自分の顔を隠していた前髪を上げるシーン。何かが変わるその瞬間を、ぜひ体感していただきたいです。

 

 

たった一人でも自分を分かろうとしてくれる存在が居るということ

椿を見る周りの目は徐々に変わっていき、「かっこいい」「よく見たら体もやばいわ」など、女子からの目線も恐れから違うものへと変化を遂げていきます。

直接言葉にされないから気づかないだけで、兜が言うように、椿に助けられて感謝している人はこれまでにも居たのかもしれないとも思えます。ただ、やはり植え付けられた固定観念は簡単には消えません。ちょっとしたことで、またすぐに悪い噂が広がったりもします。

けれど、兜が分かっているからいいと言う椿。期待してくれて本当の自分を見てくれたことが何よりも嬉しくて、他の誰に理解されなくとも“たった一人でも自分を分かろうとしてくれる存在が居る”だけで椿にとっては救いになっています。

自分を理解してくれる兜という存在によって生まれる椿の初めての感情からも目が離せない本作ですが、読んでいる私たちの心も満たされていくような、強くて美しい作品であると感じます。

 

兜のなかに芽生える独占欲

いつだって自分の目で見て考え、椿を理解する兜。誤解されても黙っている椿の代わりに怒ってくれたり、周りに椿のことを分かってもらえて喜んだり。そんな兜が居るだけで椿の心に光が差していきます。

一方、みんなに椿のことを理解してほしいと願う兜でしたが、椿の周りに人が増えて寂しいという独占欲が芽生え始め、椿への思いが募るなかで自分はもうここには居ない幽霊であるという現実にも直面。

そんな兜に対して、椿が一生懸命言葉にして伝えようとする場面があります。これまでは言葉も行動も意味がないと諦めていた椿が、兜と出会って変わってきたのです。

 

 

生前、“完璧君”だった兜が彷徨っているのには何か理由があるようで、椿にとって兜が光のような存在であるのと同じく、兜もまた椿を知れば知るほどに満たされていきます。兜にとっても、椿は光のような存在。

見た目や行動が変わっていっても椿は椿であり、綺麗事で片付けないところもまた兜にとって大事なことのようです。善人とは言い切れないところにも椿の本質があって、「ダークヒーロー」であることも読者の心を捉える彼の魅力のひとつです。

 

 

尊すぎる悶絶ポイントもたくさん!

椿と兜の体格差をはじめ、本作には悶絶ポイントもたくさん。髪をあげたときの椿の色気も格別で、心を閉ざして長い髪で顔を隠していた椿が、髪をあげて登校するようになるのも注目したいところ。彼の胸筋をはじめ、筋肉美もぜひ堪能していただきたいです!

天使の笑顔が最高に可愛い兜とは対照的に、基本的に椿の表情は怖いです。けれど、兜と過ごすなかで色んな表情を見せ、驚いた顔や嬉しそうな顔、そしていつしかとても優しい眼差しを向けるようになります。

兜にだけ見せる優しい表情が、もうたまらなく愛おしくて尊い! これは本当に、兜だけの特権です。どこか不安定な関係でありながらも、穏やかな表情で見つめ合うふたり。触れることができないもどかしさが切なくもありますが、第2巻で思いがけない希望が見えてくるはずです。

 

 

『モンスターアンドゴースト』はハッピーエンドの作品

本作には、椿と兜の他にも気になるキャラクターが登場。同じ高校に通う同級生で、椿に興味を持って近づいてきた刃渡イビツ(はわたりいびつ)は、幽霊である兜の存在を認識しています。趣味は人間観察だそうです。そしてもう一人、同じく高校1年生で、椿を追いかけて転校してきた彩 七藤(あやななひさ)。過去を引きずっていて、それが椿と関係しています。

狂気を纏うイビツと危うさを抱える彩。これから彼らとどんな関係を築いていくのかも含めて、今後ますます目が離せません。

 

 

ちなみに兜にはとびきり優しい椿ですが、第2巻ではちょっとイジワルをしているシーンがあって、私は萌え転がりました。兜を離したくないんだろうなとも思いますし、椿の兜に向ける言葉や表情ひとつひとつと恋愛面の進展にも胸が熱くなり、やはり惹かれるほどに切なくなる場面も。

カップリングの一人が幽霊ということで、椿と兜が幸せになれるのかどうか心配な方もいらっしゃると思いますが、作者のヒメミコ先生が『モンスターアンドゴースト』は“ハッピーエンドの作品”と仰っています。

ふたりの“究極の愛”に加えて、どんな壁もぶち破る“強い力”が椿にはあるように思うので、素敵なハッピーエンドを掴み取るんじゃないかと期待が膨らみます。

 

数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。

この記事をかいた人

藤崎萌恵
数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。

担当記事

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『モンスターアンドゴースト』コミックス第1巻&第2巻

★モンスターアンドゴースト(1)

 
★モンスターアンドゴースト(2)

 
★モンスターアンドゴースト(2) アニメイトセット【描き下ろし入り20P小冊子付き】

 

ドラマCD『モンスターアンドゴースト1』

〈発売日〉
2024年8月23日(金)

〈出演〉
戸純 椿:田所陽向
勇樹 兜:小林千晃
刃渡イビツ:坂田将吾
彩 七藤:斉藤壮馬

 
★ドラマCD 「モンスターアンドゴースト1」 通常盤

 
★ドラマCD 「モンスターアンドゴースト1」 ツバカブハッピーセット

 

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