この記事をかいた人
- 笹本千尋
- 1998年生まれのフリーライター。アニメ文化とアンティーク雑貨と絵を見ることが好きです。
2024年4月19日(金)より公開となる映画『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』。本作は、『ブルーロック』の凪誠士郎にスポットを当てたスピンオフ作品 『ブルーロック -EPIOSODE 凪-』の物語が描かれています。
本作は「凪誠士郎」視点ではありますが、凪の隣にいつも居る「御影玲王」が気になる! という方も少なくはないはずです。映画ではかなり玲王の感情が振り回されていましたしね……。
そこで本稿では、映画『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』を御影玲王視点で解説していこうと思います。
※本稿には映画『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』のネタバレが含まれております。完全初見で楽しみたい方は本作をご覧になったあとに本記事をご覧ください。
誕生日:8月12日(しし座)
血液型:B型
身長:185cm
高校:白宝高校
出身:東京都
総資産7058億の御影コーポレーションの御曹司で、頭脳明晰・運動神経抜群。望むものを何でも手に入れてきた玲王は、サッカーと凪誠士郎に出会い、「W杯優勝」の栄光を欲し“青い監獄”に参加。全てを高水準でプレーできる器用さを活かした「複写」能力を開花させる。
『劇場版 ブルーロック -EPISODE 凪-』は「凪誠士郎」というキャラクターに完全にスポットが当たっていると思いきや、そんなことはありません。玲王の心情描写もふんだんに描かれていました。個人的にはもう1人の主人公(裏主人公)なんじゃないかな? と思っています。
凪(宝物)を見つけた時の心の底からの喜び、2人で高校サッカーをしている際の楽しさ、そして第二次選考で凪に選ばれなかったことへの怒り・悲しみ、というように感情の起伏が大きく、“喜怒哀楽”を一番視聴者に見せていたキャラクターです。
そういった部分もあり、映画を鑑賞しているととても感情移入しやすかったんですよね。
だから潔世一と出会ったことによる凪の変化に、「人が変わっていくってことが、こんなにも残酷だなんて…」と玲王が動揺し大粒の涙を流す(宝物を失った絶望に近いのかもしれません)シーンでは視聴者の涙をそそったし、玲王が抱えている「辛さ」「悔しさ」といったマイナスな感情がダイレクトに伝わってきたのだと思います。
あの泣きのシーンは玲王の感情がぐちゃぐちゃで見ている側もしんどかった……はず。そこから、自身ではなく潔を選んだ凪を見返すべく、國神錬介&千切豹馬らとチームを組み第二次選考へと進みます。
そしてストーリー終盤で浴場で凪に「俺を選ばなかったお前を、俺はここで叩き潰す」と明言したことで、「ああ、本当に“凪”しか見ていないんだな」と思いました。潔に対して嫉妬してもおかしくない(していたとしても描写があまりない)状況なのに感情のベクトルは常に凪にしか向いていなくて、「執着」のようなものを感じてしまいます。
『エピ凪』はまずはじめに、凪誠士郎&御影玲王の白宝高校での出会いからサッカー部に入部しダブルエースに輝くまで、そして時間軸はTVアニメでいうところの第7話終盤〜第11話(第一次選考「チームZ(潔たち) vs チームV(凪たち)」の試合終了まで)へと代わり展開されていきます。
劇場版ではもちろん凪視点なのですが、アニメ(第8話)だと玲王視点で学校の階段で凪と出会うシーンが描かれていました。
お互いに出会った際のキャラクターの心情描写が「(凪)この人、何に熱くなってるんだろう。俺に?」「(玲王)俺の人生は退屈に満ち溢れていた サッカーと凪誠士郎に出会うまでは」となっているので、この2つを見比べてみると、よりストーリーの深さが増すのではないでしょうか。
ストーリー序盤で「ブルーロック(青い監獄)」の会場を訪れた際に、凪は玲王に「俺よりすごい奴がいたらどうするの? そいつと組んだ方がいいんじゃない?」と尋ねていました。
そして、第二次選考で凪が潔を選んだことを踏まえると、この発言は「自分だったらそうするかもしれないのに」というような意味合いが含まれていたのかな? と感じてなりません。
そんな発言に玲王は「しねえよ、そんな薄情なこと」と返事をしているところからも、今の玲王から見たら凪は“薄情な奴”なんだろうな、ということが窺えます。
とはいえ、みなさんご覧になられた方は分かる通り、エンドロール後の凪と玲王のオリジナルシーンでは「ふたりのこれからの関係」に希望が見えましたよね。今後、この2人がどのような形で描かれていくのか、良い未来に思いを馳せましょう。
[文/笹本千尋]