お客さんと作り上げた第1弾。高まった期待値を、原作への愛とリスペクトで乗り越える! 『舞台「リコリス・リコイル」Life won’t wait.』河内美里さん、本西彩希帆さん、石井美絵子さん、大渕野々花さんインタビュー
オリジナルTVアニメ『リコリス・リコイル』の舞台化第2弾『舞台「リコリス・リコイル」Life won’t wait.』が、2024年6月7日(金)〜16日(日)、東京ドームシティ シアターGロッソにて上演される。
昨年1月に上演され大好評を博した第1弾『舞台「リコリス・リコイル」』では、アニメのラストまで描かれていなかっただけに第2弾の上演を待ち望んでいた人は多かったのではないだろうか。
ここでは、喫茶リコリコの女性キャスト、錦木千束役の河内美里さん、井ノ上たきな役の本西彩希帆さん、中原ミズキ役の石井美絵子さん、クルミ役の大渕野々花さんに集まっていただき、第1弾の振り返りや、第2弾への意気込みを語ってもらった。
※オリジナルTVアニメ『リコリス・リコイル』のネタバレを含みます。
第1弾の舞台。体力的にしんどかったのは、あのシーン
ーー『舞台「リコリス・リコイル」Life won't wait.』の上演が決まったときの率直な思いを聞かせてください。
中原ミズキ役 石井美絵子さん(以下、石井):みんなアニメを最後まで見ていたので、ハワイに行きたい!という想いがあって、第1弾の本番期間中も、隙があれば「ハワイ、ハワイ」と言っていたんです。だから決まったときは、ハワイに行けるかもしれないと思いました(笑)。脚本も演出もまだですけど、「アイドンスピークイングリッシュ」って言えるのかなぁ……。
一同:(笑)
クルミ役 大渕野々花さん(以下、大渕):真っ先に思ったのは「またこの座組で、1ヶ月半過ごせるんだ! イエーイ!」でした。第1弾の最初の2週間は、席が近かった井尻晏菜さん(蛇ノ目エリカ役)と話すくらいだったんですけど(笑)、公演を経てみんなと仲良くなれたんですよね。だから今回の稽古もまた特別なものになるんじゃないかなと思っています。
物語的には、アニメ後半の千束とたきなの絆がわかるヒリヒリとしたシーンをどう再現するんだろう!って思いました。イチファンとしても、本当に楽しみです!
錦木千束役 河内美里さん(以下、河内):第1弾を一緒に作ってきたメンバーで、第2弾をできることがとても嬉しいです。お客様にも愛していただけた第1弾だったので、その熱量を繋げられたらいいなと思っています。
今回、千束とたきなもそうですけど、クルミやミズキも誰かを想って、誰かのために奮闘する展開になります。DA(※Direct Attack、犯罪を未然に防ぐ秘密組織のことで、千束とたきなも、そのライセンスを有している)チームも、ミカ(演:北村圭吾)やよしさん(吉松シンジ/演:小野健斗)も、真島(演:仲田博喜)も、みんながそれぞれのベクトルへ向かって、それが善か悪かはわからないけど一生懸命行動している。その中で、ぶつかり合っていく後半のクライマックスシーンは、舞台でも見どころだと思いますし、それがどう会場全体に広がるんだろうと、今からワクワクしています。
井ノ上たきな役 本西彩希帆さん(以下、本西):3人が言ってくれたことがすべてなんですけど、第1弾は舞台を観たことがない人がたくさん劇場に足を運んでくださった印象があるんです。それが私たちにとってはすごく嬉しいことでした。
アニメも舞台も一緒に愛してくださった方々がいてこその続編だと思うので、すごく嬉しかったし感謝しています。いろんな見どころがある続編を、楽しみにしてくださっている方がたくさんいると思うので、今は妥協することなく真摯に向き合って、カンパニー全員で素敵な作品にするべく頑張るのみです。
ーー第1弾の反響はどのようなものだったのでしょうか?
河内:舞台を観たことがなくて、『リコリコ』で初めて舞台に触れるお客様が多いなと感じました。だからこそ最初は、「アニメは面白いけど、舞台版リコリコはどうなの?」という方がたくさんいらっしゃったと思うんです。
そんな中で初日を終え「舞台版も面白い!」とお客様が感じてくださったことがすごく嬉しかったです。実際そういう意見が私たちにも届きましたし、噂も聞いていたんです。なので公演を重ねるにつれてお客様のポジティブな反応を実感していくような日々でした。
一同:でした!
大渕:初日くらいだと、初めて舞台を観る方にとって、声を出して笑っていいのか、劇場だから静かにしなければいけないのかとか、わからないことが多かったと思うんです。実際どっちなんだろうという空気にもなっていましたが、公演が進むにつれて、ちゃんと気持ちよく笑ってくださったりして、嬉しかったです。
ーーお客さんもどんどん成長していく舞台だったのですね。
大渕:お客様と仲良くなったような感覚がありました。友達になったみたいな。
河内:最初は探り合いだったからね。第1弾では、ミズキは客席に向かって話すとか、舞台と客席の境界線を越える瞬間があったんですよ。
石井:それこそ最初は「みんなミズキのこと、見えてないのかな?」って思ったんです(笑)。アイコンタクトはしているんですよ。見えてるよね?みたいにやってたんですけど、ただただ私を見ている感じだったんです。
2〜3日それが続いたから、演出の山崎彬さんに本気で相談に行ったんですよ。「ミズキ、ヤバいんです。思い切りやればやるほど、皆さん私のことが見えていない感じがするんです……どうしましょう?」と言ったら「ミズキはそれがいいんだよ!」と言われて、「そうですか! じゃあ頑張ります!」と。
ーーあははは(笑)。後半は反応してくれたのですね。
石井:そうですね。だから千秋楽はすごかったです。折り返しくらいから微笑んでくれる方が増えて、「見えてたー!」ってなりました。とっても嬉しかったです。
大渕:私は、ミズキは残念美人だけど、実際に美人を目の前にすると、人間ああなるのかって思いながら見てました(笑)。ミズキってイジられキャラだけど、いざ目の前で見たら、きれいすぎて固まっちゃうと思うんですよね。それだな!って思って、私は面白がっていました。
ーー思い入れのあるシーンを挙げるとすれば、どうですか?
河内:それは沢山あります! どうですか?
本西:体力的にしんどかったのはオープニング(笑)。
一同:(笑)
河内:ダンスもあったし、裏動線を走り回って、あっちから出たりこっちから出たり、階段を上ったり下りたり……。それもあって、ゼェゼェハァハァしてました(笑)。OPテーマの音に合わせて登場しなければいけないから結構シビアで……。
本西:ずーっと走ってました。お尻の蹴り合いをしたあと、裏で、ハァハァ〜って(笑)。だから初っ端にピークを迎えていたんです。でも、そこがピークだったからこそ、そのあとに行けたのかもしれない。
河内:確かに確かに。
ーー大渕さんは、いかがですか?
大渕:クルミはトランクから登場するんですけど、稽古は、もうひと回り小さいトランクから始まったんです。実はそれでも入ったんですけど、周りがすごく心配してくれていて、その声で逆に不安になりました(笑)。なので最終的には、転換もあるし、少しゆとりを持たせて、大きなサイズのトランクに詰め込んでもらいました。ただ、クルミちゃんのうさ耳っぽいカチューシャを付けたままだと入らないので、毎回折りたたんで入っていました。
河内:登場したら立てるんだよね。
大渕:そこは舞台オリジナルで、身だしなみを整える時間がありました(笑)。
河内:でもあれは、お客様も絶対にびっくりしてたよね?
大渕:車に置いてあるから、トランクの下に空洞があって、そこに入ってるんでしょう?って。でも違うんですよ。
石井:入れちゃうんですよね、うちの子は。