『鋼の錬金術師』あらすじを簡単にご紹介! 何度も映像化された不動の人気作の結末を知っていますか?【ネタバレあり】
「月刊少年ガンガン」にて2001年から2010年まで連載された荒川弘先生による漫画『鋼の錬金術師』。錬金術が発展した世界で、人体錬成の禁忌を犯し、身体を失った主人公兄弟が身体を取り戻すための旅を描いた物語です。
ダークファンタジーでありながら、人間の温かさ、ギャグといった暗くなり過ぎない作風が人気で、これまでに幾度もアニメ化、アニメ映画化、実写映画化されており、連載終了から10年以上たった現在も高い人気を誇っています。
有名な作品なので、だいたいのストーリーは知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、どんな結末かご存じない方も多いのではないでしょうか。
本稿では『鋼の錬金術師』のあらすじを簡単にまとめてご紹介していきます。「死生観」や「人間の本質」について深く描かれた本作は、子どもから大人までぜひ手に取っていただきたい作品です。
※本記事にはネタバレが含まれます。
目次
- 旅の始まり(コミックス1~2巻)
- 賢者の石の真実とうごめく陰謀(コミックス3~4巻)
- 人造人間と大総統(コミックス5~10巻)
- 黒幕との対峙(コミックス11~14巻)
- 「来たるべき日」に向かって(コミックス15~20巻)
- 最後の決戦(コミックス21~27巻)
- 人と人との繋がりが描かれた作品
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旅の始まり(コミックス1~2巻)
史上最年少で国家錬金術師となった“鋼の錬金術師”の二つ名を持つエドワード・エルリック(エド)と鎧の姿をした弟アルフォンス(アル)。彼らは幼い頃、亡くなった母を蘇らせるため人体錬成を試みるも失敗し、その代償としてエドは自身の左足とアルを失ってしまいます。
エドは自身の右腕を代償にアルの魂だけを錬成し、鎧に定着させることに成功。エドは失った手足に機械鎧(オートメイル)と呼ばれる特殊な義手を付け、弟とともに元の身体に戻る手がかりとなる“賢者の石”を探し、国中を旅しているのでした。
エドたちはイーストシティに滞在中、国家錬金術師ばかりを殺害する正体不明の連続殺人犯“傷の男(スカー)”に襲われますが、間一髪のところで“焔の錬金術師”マスタング大佐とその部下たちに助けられます。
“豪腕の錬金術師”アレックス・ルイ・アームストロング少佐らの加勢もあり、スカーを追い詰めますが、あと一歩のところでスカーは逃亡。しかしその正体が国東部の部族・イシュヴァールの生き残りであることが判明したのでした。元々国と衝突していたイシュヴァールの民は、数年前に大きな内乱の末、国から大規模殲滅を受け、その際に国家錬金術師も殺戮兵器として投入されていたのです。
スカーによって機械鎧を破壊されたエドはアームストロングに付き添われ機械鎧技師のいる故郷・リゼンブールへ向かいます。その道中で、錬金術を医療に応用する研究をしていたというマルコーと遭遇。マルコーは先の内乱中、政府の元で賢者の石の研究をしており、エドは彼の研究資料の隠し場所を教えられます。
賢者の石の真実とうごめく陰謀(コミックス3~4巻)
リゼンブールで幼馴染のウィンリィとその祖母ピナコに機械鎧を修理してもらったエドは、賢者の石の資料が隠されているセントラル「国立中央図書館 第一分館」へ向かい研究書の複写を入手。
研究書を解読したエドとアルは、賢者の石の材料が生きた人間であるという衝撃の事実を知ります。しかも、石1つにつき複数人が必要だというのです。絶望するエドとアルでしたが、まだその先に隠された何かがあることに気が付きます。
兄弟は、旧第五研究所が怪しいと睨み、潜入。そこでエドの前に現れたのは、人造人間(ホムンクルス)のラストとエンヴィーでした。彼らと戦おうとするエドでしたが、機械鎧が故障し、気絶させられてしまいます。人造人間たちは意図してエドを殺さなかったようです。その後、爆破された研究所から何とか退避したエドとアルでしたが、エドは怪我で入院を余儀なくされます。
入院しているエドの元に、国のトップであるキング・ブラッドレイ大総統が見舞いに訪れ、軍の中に敵がいること、賢者の石について調べることは危険であることを忠告されます。それでも賢者の石に関連する調査を進めていたマスタングの旧友マース・ヒューズ中佐が、エンヴィーによって殺害されてしまいます。友を殺されたマスタングは、敵討ちと国のトップに立つことを誓うのでした。
人造人間と大総統(コミックス5~10巻)
一方、エドとアルは自身強化のために師匠イズミ・カーティスのいるダブリスへ向かいます。彼らが人体錬成の禁忌を犯したと知ったイズミは2人を破門に。しかしそれは、同じ禁忌を犯した過去を持つイズミなりのけじめであり、これからは1人の人間として対等に接するということだったのです。エドたちはイズミとともに身体を元に戻す手がかりを探るのでした。
その後、エドは国家錬金術師の査定のため単身南方司令部へ赴きます。ダブリスに残ったアルは、人造人間のグリードの一味に誘拐され、そこで人造人間の存在を知ります。エドはアルを助けに行きグリードと交戦。
敗戦濃厚となったグリードは逃亡するも、部下を率いて乗り込んできたブラッドレイと遭遇。ブラッドレイは凄まじい剣戟でグリードを圧倒。激しい戦闘で取れてしまった眼帯の下には人造人間の証であるウロボロスの入れ墨が入っていたのでした。
ブラッドレイによってグリードの部下たちは皆殺しにされてしまい、その戦闘の中でアルは自分の身体と魂が持っていかれた時の記憶を取り戻します。壊れた腕を修理するためラッシュバレーを訪れたエドとアルは東の大国・シンから来たリン・ヤオと出会います。リンもとある事情から賢者の石を探しにアメストリスにやってきたというのです。
一方、マスタングは部下たちとともに中央へ異動。そこで旧第五研究所から逃げ出した空洞の鎧姿の元死刑囚バリーと遭遇し、軍が行っていた賢者の石の研究について知り、独自に調査を開始。しかし、そこへ人造人間たちが襲撃。激戦の末、マスタングはラストを倒したものの、部下のハボック少尉が重傷を負いリタイアする結果となってしまいます。
黒幕との対峙(コミックス11~14巻)
その頃エドは、故郷で幼い頃に家を出ていった父・ホーエンハイムと再会しますが、自分たちを置いて失踪した父へのわだかまりは消えることはありません。錬金術師である父はエドたちが母を練成しようとしたことを知り、錬成した人体は本当に母親のものだったかと確認します。
その言葉を受け、エドは墓を暴き、錬成した人体が母親ではないことを確かめ、アルが元に戻れると確信します。セントラルに戻ったエドはこのことをアルに報告し、誰も失わない方法で身体を取り戻すことを共に誓うのでした。
リンの一派とも再会したエドは共同戦線を張り、人造人間をおびき出す作戦に出ます。そこへスカーが現れ、交戦。さらに、スカーを探していたブラッドレイとグラトニーが加わり、戦闘は激化。死闘の末、エドたちはグラトニーの捕獲に成功。しかし、エドは暴走したグラトニーに飲み込まれてしまいます。
一方、賢者の石や人造人間について調査を続けていたマスタングは、ブラッドレイにより人事異動という形で信頼する部下たちと引き離されてしまいます。副官であるホークアイ中尉は大統領補佐官となり、実質人質のような形に。
その頃、何とかエドを救い出したいアルは、グラトニーに連れられ、人造人間たちが「お父様」と呼ぶ人物の元へ赴きます。そこへ何とか自力で脱出することに成功したエドが姿を現し、兄弟は父とそっくりな姿をした「お父様」と対峙するのでした。
酷似しているものの「お父様」はホーエンハイムとは別人。この「お父様」こそが人造人間たちを作り、とある計画を進める黒幕であることが判明します。「お父様」の力で錬金術が使えなくなったエドたちはなすすべなく捕らえられ、同行していたリンは人造人間グリードと同化させられてしまいます。その後、ブラッドレイの元に連行されたエドは、人質としてウィンリィを引き合いに出され、これ以上余計なことはしないよう釘を刺されてしまうのでした。