また違う「ライオン」に今日出会えたような気がしています──「ANIMAX MUSIX 2024 SPRING」で『マクロスF』の名曲「ライオン」をサプライズで届けた、その瞬間の熱量の高さ。終演直後のMay'n×中島愛にインタビュー
終演直後のMay'n&中島愛にインタビュー! 「感慨深い思いがある」
──まずは、今回「ANIMAX MUSIX 2024 SPRING」でおふたりで「ライオン」を歌われることになった経緯から教えて下さい。
May'n:「ANIMAX MUSIX」は立ち上げの時からお世話になっていることもあって、とても思い出のある大切なイベントです。個人的には8年ぶりという久しぶりのタイミングでしたが、こうやって、大事な節目となる「ANIMAX MUSIX 2024 SPRING」のトリを任せていただいたことを本当に嬉しく思っています。
愛されているアニメミュージックがたくさんある中で、この「ライオン」もたくさんの方に愛していただいています。そんな中、多くの方から「ライオン」を聴きたいというリクエストをいただきました。「ライオン」をふたりで歌うのであれば、この人とじゃないと歌えないぞ!という曲なので、だったら「愛ちゃんと歌わせてください」とお願いしてふたりで歌わせてもらいました。
中島愛(以下、中島):以前から、その気持ちをMay'nちゃんから聞いていて、すごく嬉しいなって。それぞれのソロバージョンがあるので、一人ひとりで歌うことはあると思いますけど、ふたり揃って披露するのは限られた空間でしか実現していなくて。ついに「ANIMAX MUSIX」で「ライオン」を歌えるんだと思うと感慨深かったですし……いやー……なんかすごかったですね。
May'n:イベントの同日に、ソロのアーティストとして出演していることがあっても、「ライオン」は作品の楽曲なので、実は簡単に歌える楽曲ではなくて。でも放送や発売から時間が経ってもこうやって愛していただいている楽曲を皆さんが歌ってほしいと思ってくださっているのであれば、大切なイベントだからこそ歌いたいなって。だったら愛ちゃんと歌いたいと思い、いろいろな大人を経由し……。
中島:私は最初難しいんじゃないかなって思っていて。
May'n:うんうん。『マクロスF』関連のイベントじゃないもんね。
中島:でもそれが叶って、すごい!って。
May'n:これが愛です!
──まごうことなき愛ですよね。そしてアニメミュージックへの愛でもあり……。
中島:本当に!
May'n:そうです。楽曲への愛でもあり、「ANIMAX MUSIX」への愛でもあります!
初めての「ライオン」と出会う感覚
──中島さんは、ステージに立ったときどのような思いでしたか?
May'n:愛ちゃんは珍しいくらい緊張してたよね?
中島:うん。シークレットでアタックVTRもなく、急にライトに照らされて、歩いてセンターに行く流れだったので……。
May'n:しかも私が提案したんだよね(笑)。
中島:そうそう(笑)。全部May'nちゃんに相談して、May'nちゃんプロデュースで。
May'n:あはははは、登場の仕方に関してはね(笑)。「あそこで出るのが一番盛り上がるよ!」って。
中島:責任重大というか、ちゃんと盛り上げられるかなぁって思っていたんですけど……「ライオン」ってすごくて。あの音が流れて、ステージに立つと「どうしよう」とか言ってた自分が吹き飛んじゃう。
May'n:ああ、すごいね。
中島:普段ステージに立っていない時は「ライオンを歌っているアーティストです」と思うよりかは、「ライオンはみんなが歌い継いでくれているもの」という意識が強いんですね。でもあの時ばかりは「私たちの曲なんだよ!」って不思議とスイッチが入る。それって一人で「ライオン」を歌ってもそのスイッチは入らなくて。
May'n:そう! 私も本当にそう。
中島:多分「ライオン」以外の『マクロスF』楽曲もそうなんですけど、そのスイッチが不思議と入るので……本番1分前まで、裏で「どうしようどうしよう」って言いまくってたんです。(スタッフたちを見つつ)それをここに入ってから7時間以上聞かされていた方々です(笑)。すみません……。もう最後のほうは受け流されていました。
──「大丈夫だよ」って感じで?
中島:それすら言われませんでした(笑)。でも自分でも「どうしよう」って言いながら「ああ、また言ってるなぁ」って。それでも、ステージに出てしまうと安心してしまう。本当に不思議な曲。
──私の近くにいた人たちが、イントロが鳴った瞬間に「うわあああ!」ってなってたんですけども、中島さんが姿を現して驚きすぎて固まって、確信したとたんにペンライトを落とされていて。
May'n:嬉しい(笑)。
中島:時が止まった感覚は、私もステージに立ちながら感じていたんです。そうした客席をほとんど見たことがなかったので「滑った!」と思ったんですね。それでとっさに手を振ってアピールして。
May'n:あはははははは! 「いますよ〜!」って(笑)。
中島:それくらい「えっ?」という空気になっていたので、動揺してしまったんです。経験したことのないものでした。
May'n:私はあれが本当に驚いた時の反応なんだって今日思いました。コラボならではのどよめきってあると思うんです。「この人とこの人が!?」っていう。でも「え?」っていう驚きって時が止まるんだなって。で、「本当だ!」って声が出る。
中島:その中でMay'nちゃんと目を合わせたら、その瞬間にスイッチが入りました。
May'n:愛ちゃんは絶対にドキドキしてたとは思うんですけれども、目を合わせた瞬間に「これから私達、ライオン歌うね!」っていうワクワクがあったんです。「ライオン」は戦いの中で歌う曲なので、どっしりと歌うことのほうが経験として多いんです。でも今日は「私達のライオン愛されてるね!」「今日だけの最高にしようね!」って一瞬で会話できたような感覚がありましたね。また違う「ライオン」に今日出会えたような気がしています。
中島:楽しかった! 初めてしっかりと目を合わせて歌えた「ライオン」はおそらく「犬フェス」(2019年開催「フライングドッグ10周年記念LIVE-犬フェス!-)なんです。あの時が「ライオン」の歴史が変わった瞬間だったんですよね。『マクロスF』の単独イベントもありましたけれども、目を合わせて歌うことが解禁されたというか。昔はあえて、目を合わさないようにする演出的な部分もあったので。
May'n:戦いの曲だからね。
中島:でも目を合わせることで決して仲良しアピールをしたいわけじゃないんです。そうじゃなくて、自然と合う。だから、ベタベタした感じはなく、爽やかな感覚で。
May'n:一緒に歌えた!って感覚が強いんですよね。それは「犬フェス」の時もそうだったんですけれども。
──確か「犬フェス」の時は「キャラを意識しすぎないで一回やってみない?」と、May'nさんから提案されていたんですよね。そういう意味では、今日はどのような心持ちだったんですか?
May'n:あの時は久しぶりの再会だったということもあって、その時の感情やときめきを大事にしながら歌いたいなと思っていたんです。でも今日は、ある種何も考えていないというか。お互いでランカであり、シェリルである。でもそれをしようとは思っていなくて。
中島:うんうん。そうだし……今日しかないかもしれないな、って思ったのが、最初が「graphite/diamond 」(TVアニメ『アズールレーン』)で、次が「LIES GOES ON」(TVアニメ『ライアー・ライアー』)、そして「ライオン」、最後に「Chase the world」(TVアニメ『アクセル・ワールド』)という流れの中で歌ったこと。『マクロス』曲じゃないMay'nちゃんのステージの中での「ライオン」というのが初めてで。
May'n:確かに! 「ライオン 」の前はいつも『マクロス』の曲だったもんね。
中島:そうそう! だから今日しかない感じというか。ステージに出て皆さんが驚いてくださった瞬間は「ランカちゃんの人だよ〜!」「本人なんです!」なんて思っていましたけれども(笑)。
May'n:あはははは!!!(爆笑) 不安がりすぎでしょ!
中島:今日はMay'nちゃんのオンステージに客演するというイメージだったので……シェリル・ランカではあるんですけれども、それはもう意識しなくても。
May'n:うん、もうちゃんといるよね。
中島:そう、ゴリゴリに意識しなくても、自然体でいられましたね。
──お互いに向かい合ってMay'nさんが中島さんに向かって歌うラスサビ前、中島さんが笑顔で受け止めつつ歌っていたことも印象的でした。May'nさんの歌声を受け止めながら、中島さんはどのような想いだったんですか?
中島:今日はAメロ、Bメロも、自分が歌っていないところを口ずさんでみたんです。今までは絶対にやらなかったんですけれど、今日は良いかなと思って。デュエットで緊張していると、自分のパートばかり気にしてしまうんですよね。でも今日は自分のパートだけではなく、地続きで「ライオン」を歌っているような気分で出来て。だから自分が受け持つパートを懸命に歌いつつも、それをお互いに称え合う……という気持ちで見ていました。