魔法が使えない“無能者”が大事な人との約束を果たすため、魔法界の頂を目指す――夏アニメ『杖と剣のウィストリア』ウィル役・天﨑滉平さん×エルファリア役・関根明良さん×コレット役・天野聡美さんインタビュー

ウィルは演じながらも背中を押してくれる心強い存在

ーーご自身の演じるキャラの印象と魅力を感じた点をお聞かせください。

天﨑：ウィルは本当に真っすぐで、魔法至上主義の世界の中で魔法を使えないというハンデを抱えながら、あそこまで努力し続けて。エルファリアと交わした一つの約束のために、ここまで努力できるなんて、すごい精神力を持っている子だなと思いました。努力し続けられる胆力、そしてどんな困難にも立ち向かえる勇気があるんです。オーディション後にウィルを演じられると知らされたとき、「やらなきゃ」という身が引き締まる思いでした。実際に演じていると自分が鼓舞されているような感覚になって、ウィルが寄り添って、背中を押してくれる感じがして、とても心強いです。

天野：コレットちゃんはウィルに対して真っすぐな想いを持っていますが、ウィルがエルファリアとの約束を叶えるために頑張っていることを知ったうえで、ウィルを思い続けていて、すごく強い子だなと。またコレットちゃんは魔法学院の中でも優秀で、強力な魔法も使えるのに、ウィルへの好意を隠し切れない、かわいさのギャップが魅力的だなと感じているので、そこを大事に演じています。

関根：現在公開されているPVでも、とっても綺麗な子なのがおわかりいただけるのかなと（笑）。ネタバレになってしまうこともあり、まだ多くは語れないのですが、“至高の五杖（マギア・ヴェンデ）‟としてのみんなから憧れられる強さやウィルの幼なじみとしての可愛さなどギャップのある子です。演じる際はウィルへの思いを大切に、芯がブレないよう気をつけています。

ーーご自身と演じるキャラクターとの共通点を教えてください。

天﨑：ウィルは真っすぐで努力家で芯が強くて、折れない心を持っているんですけど、僕は全てが真逆です（笑）。だから演じる中でウィルに憧れたり、考えが変わったり、勇気をもらうことがあります。共通点がない分、ちょっとでも近づきたいと思って、アフレコの途中からはウィルと同じ丸メガネをかけるようにしています。もしかしたら、そのうちコスプレして収録するようになるかも？

関根：ゴーグルも付けたりして？

天﨑：そうなったら、おふたりが僕を止めてください（笑）。

天野：「現場は暗いから危ないよ」って（笑）。

天﨑：たぶん声のマッチングで選んでいただいたところはあるので、声のニュアンスという共通点はあるかもしれません。他は真逆なので、学ぶことばかりです。

天野：私もコレットちゃんと似ているところは少なくて、どちらかといえば憧れの存在なんです。これだけ真っすぐで、一途な気持ちを持ち続けられる子って素敵ですよね。私は気持ちが内側に向いてしまいがちだけど、コレットちゃんは矢印の方向を前に向けて、想いを伝えようと思っています。そんな風に人と接することができる女の子は素敵だなと憧れながら演じているんです。だから私もちょっと髪を切って、コレットちゃんの髪の長さに寄せてみました。あと今日の撮影のネイルも土属性を意識して。

天﨑：キャラクターに近づきたいと思いますよね。

関根：まずい。私だけ何もしてない（笑）。

天﨑：コスプレはどうですか？

関根：エルファリアちゃんの衣装は露出がすごいので（笑）。

天﨑：そういう問題があるのかぁ。ウィルの衣装は布が多いから大丈夫だけど（笑）。

ーー今日の衣装は3人共、演じるキャラのイメージカラーになっていますよね。

関根：ありがとうございます（笑）。私もエルファリアちゃんと性格的に似ていると感じるところはあまりないんです。ただ収録の際、学院での様子や戦いなど、みなさんの収録を後ろでながめていることが多いので、エルファリアちゃんもこんな感じなのかなぁと思うことはあります。関根としては作中のキャラクターは努力を怠らない子ばかりなので、その姿勢や熱さは学ぶことばかりです。

エルファリアを演じるときはウィルへの想いを大切に

ーー演じるときに意識されたことや、収録時に受けたディレクションで印象的だったものをお聞かせください。

天﨑：幼少の頃に交わした約束がウィルの原動力になっているので、それがなくなるとウィルでなくなってしまう気がして、どんなシーンでも心の中にしっかり置いておくように意識しています。あとエルファリアやコレット以外にも魅力的なキャラクターがたくさんいて、演じられるキャストさんも素晴らしいお芝居をされるので、発せられるひと言ひと言を聞き逃さないように、うまくウィルとして反応できるような瞬発力を持たなければと思っています。

また、言葉を発するONゼリフと頭の中で考えているモノローグのセリフがあって、他作品の場合、モノローグのセリフの時は抑えてお芝居をすることもありますが、この作品ではモノローグも熱いんです。「心の中が一番熱い子なので、ONゼリフ以上に熱く、！（エクスクラメーションマーク）が付いている部分を意識してほしい」というディレクションを何度かいただきました。

ーー天野さんはいかがですか？

天野：私自身が「コレットちゃんはすごく可愛い子だな」と思っているので、どうしてもセリフのひとつひとつを可愛らしくしたいという気持ちが演技にのってしまうことがあって。そんな時、「そういう可愛らしさではなくて、気持ちを真っすぐにぶつける姿が可愛いから、意識した可愛さは必要ないんだよ」とおっしゃっていただいたので、気を付けて演じていました。真っすぐさが芯にあるキャラクターであることを念頭に置いて、演じています。

天﨑：それは“声優あるある”かもしれないですね。担当しているキャラクターに親心みたいなものが芽生えてきてしまって、お芝居に入れようと思っていなくても、つい入ってしまうという。

天野：そうなんです！　愛なんです。

ーーコレットは登場するキャラクターの中で、一番感情が忙しそうですね。

天野：ギャグシーンもすっと挟まってくるし、PVの中でもコミカルな表情になっているところもあって。ウィルに対する反応の可愛らしさをしっかり出しつつ、学院の中ではしっかり勉強を頑張って、塔を目指している女の子で、ウィルの隣にずっといたいという気持ちを真っすぐに持っている子という切り替えも大事にしています。

関根：コレットは表情がコロコロ変わって、可愛いですよね。

天﨑：一生懸命さが本当に愛おしい。

ーー関根さんは、ディレクションはありましたか？

関根：……あまりなかったと思います。

天﨑＆天野：すごい！

関根：違うんです！（笑）エルファリアちゃんは謎めいている子でもあるため、まだお伝えするのが難しくて…！ただ、最初にキャラクターの説明を受けたときに「ウィルくんに対しての想いが強い子なので、そこは大切にしていきましょう」とディレクションをいただきました。

ーーアニメの公式サイトのキャラクター説明ページでは、「聖女として崇（あが）められているが実は……」と書かれています。

関根：そうなんです。そこはオンエアを見てのお楽しみということで……（笑）。

天﨑：早くから“至高の五杖（マギア・ヴェンデ）”になっているから、みんなの憧れの存在であるのは確かです。

天野：みんなが「すごい！」と言ってますからね。

関根：すごい人だと思って見てください（笑）。