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『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』連載:大西健太監督【第6回】

「こんなにかわいい子が家にいたらお家に帰りたくなる」という画づくりを意識──『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』リレーインタビュー 第6回:監督 大西健太

4月より放送がスタートし、ついに最終話を迎えたTVアニメ『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』(以下、『天使つき。』)。本作の魅力を掘り下げるリレーインタビュー最終回は、本作の監督を務めた大西健太さんが登場。

本作をアニメ化するうえで大事にしたところやキャラクターの魅力を引き出すうえで心がけたことなど、制作にまつわる裏話をたっぷり伺いました。

 

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懐かしくて、かわいくて、温かい。そういう部分に魅力を感じました

――ついに最終話の放送を迎えました。制作もひと区切りついたところだと思いますが、率直な手応えはいかがでしょうか?

大西健太監督(以下、大西):制作にあたって、matoba先生が描く優しい雰囲気、温かい空気感をどこまで映像で表現できるかを目標にしていたんです。どこまでできたかは皆さんの判断にお任せしますが、スタッフの皆さんが全力で頑張ってくれたおかげで、納得のできるものをお届けできたなと感じています。

 

 

――監督は原作を読まれた際にどのような印象をお持ちになりましたか。

大西:実は、最初に読んだのは第1巻が出てすぐくらいだったんです。とても絵が綺麗で、タッチが繊細。キャラクターも個性的で、巻数が進むにつれて季節ごとのイベントも描かれ、その空気感もいいなと。そして、何より懐かしいなと感じたんです。

――懐かしいというのは、どのような部分でしょうか?

大西:いわゆる“落ちものヒロイン”というところですね(ヒロインが突然主人公の前に現れるような作品。空から降ってくる、というのがその典型とされている)。懐かしくて、かわいくて、温かい。そういう部分に魅力を感じました。あとは、森太郎は前世でどれほどの徳を積んだのだろう、と(笑)。こんなに素敵なヒロインたちに囲まれるなんて、相当なレベルですよね。

――(笑)。原作第1巻から読まれていたということは、アニメ化の話の前からご存じだったということですか?

大西:そうですね。『天使つき。』の連載は、月刊「少年ガンガン」ですが、「ガンガンONLINE」の漫画をよく読んでいたこともあり、お話をいただいたときにはすでに作品を知っているというタイミングでした。

 

 

――本作の魅力をアニメで表現するにあたって、どういうことを意識されましたか?

大西:もちろん絵の綺麗さ、繊細さは大事なのですが、何より「とわをかわいく描く」に尽きます。こんなにかわいい子が家にいたら絶対にお家に帰りたくなるよね、と思ってもらえるヒロインにしたいと考えていました。

そのためには綺麗な画づくりをしないといけないので、エフェクトをつけていただく撮影さんに柔らかい撮影処理を入れていただいたり、色彩設計さんと美術監督さんに薄く柔らかい色味を意識していただいたりしました。原作の表紙やカラー口絵のような白っぽさ、光の加減をいかに出していけるかというところですね。

それからmatoba先生は、華奢だけどスタイルのいいキャラクターや女の子の丸みを帯びたラインを描くのがお上手なので、キャラクターデザインの上武(優也)さんにも、そういうところを意識してほしいとお願いしました。

――画面から優しさ、柔らかさが伝わってきて、毎回、画面づくりがとてもリッチだなと感じていました。

大西:ありがとうございます。特に第12話のラスト、森太郎がバイトから帰ってきてとわが迎えてくれるシーンは、撮影監督と電話で直にやりとりをして、どれくらいの光の加減がいいか細かく調整しながら何回も効果を確認していきました。

 

 

――各話の決めカットも力が入っていましたね。

大西:原作でも大ゴマでキャラクターを見せることが多いので、なんとか映像でも再現したかったんです。水着に温泉という第11話がわかりやすかったかなと思います。

――第11話の水着は、原作だとのえる、つむぎ、ひすいの登場シーンが一コマの中で表現されていましたが、それぞれじっくり水着姿を堪能できるようになっていたのが嬉しかったです(笑)。

大西:そうですね、それぞれなめるように映しました(笑)。

――では、森太郎ととわについても伺っていきたいと思います。まず森太郎について監督はどのような男の子だととらえ、どのように描いていこうと考えたのでしょうか?

大西:一番大事にしたのは、穏やかさや優しさも含めた懐の深さがあるところです。とわとはまた別の心の広さ、器の大きさがありますよね。たまに抜けているところもありますが、相手のことをちゃんと気づかって、受け入れられる。実年齢よりもずっと精神年齢が高い子なんです。その一方で、迫ってくるリリーシュカにツッコミを入れるような年相応の男子感があるので、そういう部分で親近感がわくような描き方を大事にしました。

 

 

――キャラクターデザインの面ではどのようなことを大事にされましたか?

大西:森太郎に関しては、意外と背が高くないところでしょうか。よくある高身長イケメンではなく、女の子たちと近い目線で接することができるような身長感と、横に跳ねた髪の毛、筋肉質ではなくやや丸みを帯びた輪郭で親しみやすい印象になるようにしました。気をつけたのは、髪の毛の色味です。青に近い紫なので、ひすいと並んだときに被らないようにしました。

――確かに森太郎は親しみやすさがありますよね。

大西:ヒロインたちから人として慕われていますし、つむぎには好意も抱かれています。そういう部分も含めて、女の子に好感を持ってもらえるような清潔感は意識しました。

 

 

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