「みなさんの熱演が織りなす狂乱の宴」――『エグミレガシー』江口拓也さん、神尾晋一郎さん、西山宏太朗さんインタビュー|クセの強いキャラクターはもちろん、伏線が散りばめられたストーリーにも注目!
声優・江口拓也さんがキャラクターデザインを担当したカードゲーム「EGUMI LEGACY」を原案とした、TVアニメ『エグミレガシー』が2024年7月9日(火)より放送スタート!
アニメ放送直前を記念し、レジェンダリー・ファイナル・クライマックス・ボム役/江口拓也さん、ウィザード役/神尾晋一郎さん、招かれざる客役/西山宏太朗さんにインタビューを実施しました。
キャラクターとキャストについてや、原作者の江口さんから見た本作について、また収録現場でのエピソードなどを3名が語り尽くした、盛りだくさんな内容となっています!
キャラクターとキャストが引き寄せあっているような作品
――まず、江口さんへ。アニメ化が決定した際や、実際に映像をご覧になった際のお気持ちをお聞かせください。
江口拓也さん(以下、江口):「正気か?」と思いました。普通はアニメ化しないですよね。
一同:(笑)
江口:(僕が)絵を描くことが苦手だったところから始まったんですが、需要があったのでLINEスタンプやTAKALAKAさんとのアパレルコラボ「EGUMI」で商品化されて。
その延長線上で「EGUMI LEGACY」というカードゲームの原案をさせていただいて、それをアニメ化するという経緯になるんですが……逆に(スタッフに)気持ちが聞きたいですね。「何故、アニメにした!?」って。
なので、実際にアニメで動いているところを見たときは、「この世のものとは思えない」って思いましたね。
一同:(笑)
――西山さんと神尾さんは出演が決定した際はどのようなお気持ちでしたか?
西山宏太朗さん(以下、西山):出演は強制的に決まっていた形でして、スケジュールを見たら「エグミレガシー」ってもう入っていたんですよね。
なので、お仕事として受けさせていただいた、受けざるを得なかったというところから始まったんですけれども。実際に蓋を開けて台本を読ませていただいたときに「これは完全に巻き込まれたな」と感じましたね(笑)。
江口:やっぱり、“嬉々として”参加したっていうことですよね? (本作が)どういうプロジェクトかというのを聞いた上で、仕事としてやっているけれど“嬉々として”参加したんだよね?
西山:……(明るく)もちろんです! 本作は非常に読み込み甲斐のある内容でして……。
江口:フハハハ(笑)。
神尾:言葉を選んでいます(笑)。
西山:(笑)。なんていうんでしょう。江口さんが描かれたイラストがアニメでこういう作風になるんだなと合点がいった部分でもありました。(江口さんの)独特なワールドと、(モリ・マサ監督の)独特なワールドは繋がり合うんだなって納得しましたね。
神尾:僕も本当に(西山)宏太朗くんと一緒で、スケジュールを見たところ「エグミレガシー」という言葉を先に見つけて。マネージャーに問い合わせたら、「そういうのがありますよ」と。「イベントですか」と尋ねたら、「いや、違いますよ。アニメです」と言われて、そこからもう逃げられなかった……。
江口:(小声で)“嬉々として”。
神尾:そう……まぁ、嬉々として!
一同:(笑)
神尾:そういえば先日、(うっかりベチバー役の)斉藤壮馬くんに会ったので、本作について聞いたんです。非常に“嬉々として”「参加させていただきました」と言っていました。私たちだけではなく、キャストはみんな嬉々として参加しています(笑)。
――続いて、ご自身が演じるキャラクターについて、自分と似ていると思うところをお聞かせください。
江口:僕が演じるレジェンダリー・ファイナル・クライマックス・ボムは、なんでも「ちぎる」のが大好きなキャラです。……ちぎるって何?っていう。
神尾:ご自身の考えた設定です(笑)。
江口:(笑)。ゲームのときの設定としては、願い事を叶えてくれるキャラクターで、自分がお願いしたものを何でもちぎり殺してくれるので、(自身とは)似ていないですね。筋肉もモリモリですし。
魅力は、「この世にちぎれないものはない」というところ。そういうパワフルな部分が魅力なのかなぁと思いますね。
神尾:多分みなさん、頭の上にハテナが浮かんでいると思います(笑)。
江口:ええ。だけどそれ以上でも以下でもない。
神尾:これも壮馬くんの言葉ですが、私の演じるウィザードと、宏太朗くん演じる招かれざる客は「当て書きだろう。もうそれにしか見えない」と再三おっしゃっていました。
西山:斉藤さんは、「映像を見ていても宏太朗に見えてくる」とか言い出すんです。
江口:(笑)。
神尾:でも、本当に見えてくるんですよ。
西山:収録中も芹澤(ゴールデンレトリバー役・芹澤 優さん)に「西山さんに似てますねー!」って言われました。
江口:(笑)。芹澤さんも言ってたんですねぇ。
西山:なので逆に、芹澤さんにも「レトリに似てるよ」って言ったら「は?」って返されて(笑)。お互いにちょっとなすりつけ合っているみたいなところは、みんながしている気がします。
神尾:嬉々としてね。
江口:もう「嬉々として」っていうワードが怖いんだよね(笑)。
西山:(キャラとキャストが)やっぱり、引き寄せ合っちゃっているんですかね?
僕が演じる招かれざる客は、序盤でかなりキーになるキャラクターであり、「ラブロマンス」の中心に居るので、みんなにとって気になる存在になるんだろうなぁ。
「招かれざる客」ということで、みんなから忘れられているような存在なのかと思いきや、彼無くしてこの物語は始まらないぞ、という部分でもあると思うので、ぜひ最後まで注目していただきたいキャラクターです。
――江口さんが描かれた、ご自身が演じるキャラを初めて見た瞬間はどう思われましたか?
西山:なんか、悪意を感じました(笑)。
江口・神尾:悪意?
神尾:服も着ているし、一番人間に近い形をしているよ。江口さんのキャラなんてパンイチだから。
江口:そうですよ。
西山:そっかぁ。でも、うーん……キモチワルイ(笑)。
一同:(笑)
西山:特にこの何を考えているのか分からない目! なにかを要求しているような唇! 風になびいた髪! そして、左手に持ったナイフ……異様ですよ。
神尾:Uninvited Guest(招かれざる客の英語名)。
江口・西山:フハハハ(笑)。
神尾:僕の役は英語名も同じ「Wizard」と、江口さんの描くイラストの中では一番平和です。
名前も一般的にある言葉を使ってくださって、台本をいただいたときからストーリーテラー的な存在なのかなと感じていたので、「可愛いなぁ、この役で本当に良かったなぁ」と思っていました。
江口:(笑)。
――「可愛い」「気持ち悪い」と異なる感想が出ましたね。
江口:そうですね。感じ方は人それぞれですね。
一同:(笑)
江口:やっぱり、そういう多様性というものをキャストそれぞれに感じていただければ良いんじゃないかと思います。
羽多野渉さんが演じる2キャラクターはどちらもインパクト抜群!
――続いては、ご自身のキャラクター以外で気になるキャラを教えてください。
江口:独自の進化を遂げた「村人」や、毛が生えている村人「モヒカン・ドット」など、原作「EGUMI LEGACY」にはいない、僕のキャラクターを元にモリ・マサ監督の独創性から生まれたオリジナルキャラクターがいるんですよ。
あとはメインビジュアルの右下の方にいる、茶色いソフトクリームみたいな「ノグミ」というキャラはみなさん気になられるんじゃないかな、と思いますね。CVは羽多野渉さんという方です。
西山:「まさか、そのキャスティング!?」って。
神尾:羽多野さんが「ノグソ」をやるとは。収録をご一緒していたのですが、キャラクターのカットの割に台詞が多いので録り直しもされていました。
西山:キャラクター名が違いますよ!
江口:クソではない(笑)。羽多野さんが熱演してくださっています。この茶色いソフトクリームは主人を探しているというキャラクターなんです。
西山:挙句の果てに、彼は他のキャラに話しかけても居ないものとして無視されるんです。そのシーンが個人的に大好きで。
江口:そういえば、羽多野さんはノグミの初台詞の収録時に早入りしていただいていたのですが、多分90分ぐらい待ってくださったと思います。
西山:なんという……。
神尾:羽多野さんが演じているもうひとつのキャラ、「ゴッドアイ」に関しては台詞が「ゴ」のみですよね。
江口:満を持して話したら「ゴ」しか言わないので、ちゃんと日本語で台詞があるのはノグミの方だけなんです。
西山:やっぱり「困ったときの羽多野さん」!
一同:(笑)
神尾:特報PVのナレーションも担当してくださっていますし。
――西山さんの気になるキャラは誰でしょうか?
西山:僕は先ほどの話と繋がるのですが、一緒に収録させていただいた芹澤優ちゃんの「レトリ(ゴールデンレトリバー)」がすごい……
江口:役とぴったりだったよね。
西山:僕がいう前に言ってくださってありがとうございます。そうなんですよ、本当にぴったりですよね。
この可愛らしい見た目に反して、途中でとんでもないヤンキー口調のようなブチギレシーンがありまして、そのブチギレ方が本当にナチュラルで素晴らしくて。聞きどころだと思います。
神尾:(キャラクター一覧を見ながら)キャスト解禁時のコメントでは「声優人生をかけて演じた」と書いてありますよ。
江口:すごいですね! 声優人生をかけて……。
西山:収録中の彼女の熱量はすごく伝わってきましたよ。演技が光っておりました。
江口:フフッ、斉藤壮馬さんの「ぼくは"理解"ってしまいました。この世界の真理を。エグミレガシーの真髄を。あなたも早く"こちら側"に来てくださいね。お待ちしております。」っていうコメント、なんか怖くない?(笑)。
神尾:壮馬くんは「この作品で泣いた」って言っていましたよ! 今まで演じた作品の中で一度しか泣いたことがなかったのに、涙を流した2作品目が『エグミレガシー』だって。
江口:(爆笑)
西山:いち視聴者としても没入してしまったんですね。
神尾:ええ。なので、「ひょっとしたら、ひょっとするぞ」と言っていました。
ちなみに僕のお気に入りのキャラは、青山吉能さん演じる「エンドオブザワールド」で、あの虚無な感じがとても好きです。あまり人の芝居を聞いて疑問を持ったことはありませんでしたが、テストでエンドオブザワールドの声を聞いた瞬間、「どうして?」と壮馬くんと目を見合わせた記憶があります(笑)。
江口:話数が進んでいくごとに味わい深くなっていくところが、キャスティングの妙とディレクションの妙のような気がします。