交差するヒカルとアキラの想い――歌絵巻「ヒカルの碁」序の一手 ゲネプロレポート|進藤ヒカル・藤原佐為・塔矢アキラによる刀を使った華麗な歌唱&ダンスは必見
歌絵巻「ヒカルの碁」序の一手が、2024年7月5日(金)〜7月14日(日)よりサンシャイン劇場にて開幕しました。
進藤ヒカル&藤原佐為と塔矢アキラの出会いから描かれた本作は、対局シーンや刀を用いた歌唱&ダンスパートなど、見どころ満載な内容となっています!
ヒカルと佐為、そしてアキラとの出会い
「なぜなら私はまだ…神の一手を極めていない」
主人公・進藤ヒカルが藤崎あかりと共に薄暗い蔵の中でひとつの碁盤を見つけ、その碁盤に宿っていた平安の天才棋士・藤原佐為の霊がヒカルの意識の中に入り込むところから物語は始まります。
自身にしか見えていない佐為の登場に驚くヒカルでしたが、佐為のこれまでの過去、肉体が無くなってもなお、神の一手を追い求め碁を打ちたいという佐為の想いを知ったヒカルは佐為を碁会所に連れて行くことに。
佐為を成仏させてあげたいという想いを胸に訪れた碁会所には、ヒカルと同い年の小学6年生にして天才棋士・塔矢アキラの姿が。そんなアキラとヒカルの対局は、佐為の導きによってヒカルの勝ちとなりました。
なお、ステージのスクリーンには碁盤が映し出され、客席にも分かりやすくリアルに対局の様子を伝える演出がなされています。
遥か高みから自身の力量を試している佐為との対局に動揺を隠せないアキラの様子が描かれ、さらにシーンは切り替わりキャスト全員が揃った歌唱パートに突入、客席の期待を煽るような「旅が始まる 神の一手 求め」という始まりの歌詞と演出に心が躍ることでしょう。
この対局からヒカルとアキラのライバルとしての果てしない道が描かれて行くのである――。
ヒカルとの対局を反芻するアキラ。そして再びヒカルに対局を申し込もうとした時、ヒカルの棋士を蔑んだ発言がアキラの逆鱗に触れてしまうのです。
そんな温度の高いヒカル(正確には佐為)とアキラの再戦は歌唱パートと共に描かれていきます。ヒカル・佐為・アキラが刀を持ち殺陣を披露するなど、ヒカル&佐為とアキラの対局の熱が客席にも伝わってきました。
さらに場面は切り替わり、「現代で神の一手に最も近い」といわれるアキラの父・塔矢行洋とヒカルが対局する場面も。塔矢名人とプロ棋士・緒方精次もまた、突如現れたヒカルの碁に興味を示していたのです。
天才棋士・塔矢名人との対局では、これまでは佐為の導きによって囲碁をしていたヒカルでしたが、塔矢名人の輝くように護石を打つ指先に憧れを抱くようになります。
そして、自身も塔矢名人を真似て護石を打つと石が輝きを放ったのです。「ヒカルの碁」が生まれ、ヒカルの才能が顕現しました。
物語は中学校から再スタート!
時は経ち、ヒカルが葉瀬中学校に入学するところから物語は再スタートを切ります。
ヒカルが入部した囲碁部には筒井公宏やあかり、さらにヒカルの勧誘により三谷祐輝が在籍していました。以前、囲碁を志していた将棋部の加賀鉄男や院生・和谷義高の姿も印象的です。
なお、アキラはヒカルと対局するために囲碁の名門・海王中学校の囲碁部に入部。顧問の尹先生を説得し、ヒカルと対局することとなるのですが、夏期囲碁大会でアキラはヒカルに落胆してしまうのです。
アキラが追い求めていた好敵手はヒカルではなくヒカルの隣に居る佐為。期待通りではないヒカルの碁にアキラは涙を流しながら対局し、その様子を見たヒカルもまた自身とアキラの間にある実力の差を身をもって知ります。
そしてこの先の2人が選ぶ道はいかに――。
理想のヒカル(佐為)を追い求めるアキラと本当のヒカル……両者の交差する譲れない想いに胸が熱くなること間違いありません。一歩一歩、少しずつアキラに近づいているヒカルの成長する姿、それを温かく見守る佐為の姿も印象的でした。
ヒカルと佐為、そしてアキラが向かう先をぜひ劇場にてご覧ください!
[取材・文/笹本千尋]
歌絵巻「ヒカルの碁」序の一手 公演
日程
2024年7月5日(金)~7月14日(日)
会場:サンシャイン劇場
東京都豊島区東池袋3丁目1-4 サンシャインシティ 文化会館4F
公式HP:https://www.hikarunogo-stage.com/
チケット情報
◉SS席(特典付・前方3列以内) 12,000円
◉S席(特典付) 10,000円
◉A席(特典付) 8,000円
◉オンラインシート 3,800円
※未就学児童のご入場は出来ません。
※申込状況により、一般発売まで抽選の受付がない公演日(土日・千秋楽日等)、または、受付がない席種があることもございます。予めご了承ください。
スタッフ
原作:ほったゆみ・小畑健「ヒカルの碁」(集英社ジャンプコミックス刊)
脚本・演出・作詞:毛利亘宏
振付・ステージング:本山新之助
作曲・音楽監督:和田俊輔
美術:秋山光洋
出演者
進藤ヒカル:糸川耀士郎
藤原佐為:小南光司
塔矢アキラ:赤澤燈
加賀鉄男:真野拓実
三谷祐輝:北出流星
藤崎あかり:生田輝
筒井公宏:岩佐祐樹
岸本薫:松永有紘
和谷義高:石渡真修
尹:益永拓弥
緒方精次:北村健人
塔矢行洋:広瀬彰勇