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夏アニメ『逃げ若』北条時行役・結川あさきが語るアフレコ現場での学びと芝居の面白さ【連載02】

逃げたくなるようなことがあるのにその場に留まっていても、いい方向に進むと思えなくて|TVアニメ『逃げ上手の若君』連載第2回:北条時行役・結川あさきさんインタビュー

 

中村悠一さんは絶対にブレない頼重をずっと100でやってくださる

――演じる時行にはどのような印象をお持ちですか?

結川:時行は鎌倉幕府・執権の後継者だったお坊ちゃんなので、品がありますよね。でもやっぱりいちばんの大事な要素は「逃げ」。「逃げる」ときの興奮度合いが時行の魅力や個性でもあると思っています。

実際、時行が悦な表情を浮かべながら「こら 死んだらどうする」と言う序盤のシーンのアフレコは、何度もトライさせてもらいました。音響監督の藤田さんを経由して松井先生からも色々と言葉をもらい、話し合いながら逃げるときの興奮度合いを調整したんです。

 

 

――物語が進んで仲間が増えていくと、ちょっと少年っぽさも出てきます。

結川:そうなんです! 家臣になる弧次郎たちは、時行を主君として尊重してくれつつ、いい意味で友達として仲良くもしてくれるんです。でも、もしかしたら鎌倉幕府が滅亡する前に出会っていたら、壁を取っ払って仲良くはできなかったかもしれないですね。時行はもともと心優しいですし、身分に関係なく話すタイプではあるだろうけれど、立場は考えてしまっただろうし。

――変な話、滅亡したからこそ友達になれたのかもしれない。

結川:そうなのかも、と勝手ながらに思っています。

――続けて、時行にとって重要な動きをする諏訪頼重への印象もお聞かせください。

結川:頼重は……うさんくさい(笑)。アフレコのときに原作の1話を読み返してみたのですが、あんな人物を信頼できる訳ないんですよ。でも、信頼してないからこそ時行は「貴方のせいで生きる悦びにときめいてしまった。責任は取ってもらうぞ」と頼重に言えたんじゃないかな。頼重が信用できない他人だったからこそ「責任取れ」とスッと言えた気がします。

ただ、住む場所も戦い方も、気持ち的な面もぜんぶ頼重が用意をしてくれるんですよね。最初こそ信用できない人間ですが、頼重は時行にとって欠かせない大切な存在です。

 

 

――演じる中村悠一さんのお芝居を近くで聞いてみて、いかがでしたか?

結川:中村さんは現場で音響監督さんから「こうしてください」って言われたら、一言目に「やってみます」とおっしゃって、パッとお芝居を変えられるんですよ。その瞬発力に本当に驚きまして、この仕事をやっていく以上、必要なことだなと学びました。中村さんが絶対にブレない頼重をずっと100でやってくださるので、私はそこに必死に食らいつけば大丈夫という安心感がありました。いつかは私も「やってみます!」と言って、パッとやって「OKです」と音響監督さんから言われてみたいなぁ。実際は音響監督さんから1000本ノックを受けていましたけど(笑)。

――1000本ノック!

結川:「もっとこうして」「はい!」「ちょっと違う!」「はい!」みたいな感じでした。

――それだけこだわって収録をしているということですね。

結川:そうですね! でも、そんな1000本ノックがありつつも、みんなギャグシーンでアドリブをめっちゃ入れてくるんですよ。もうキャスト一同を笑わせようとしているとしか思えなかったです(笑)。それがひとつの楽しみでしたし、みなさんからたくさんのことを学べる現場でした。

 

 

――ギャグシーンの収録は特に楽しかったですか?

結川:はい! ギャグって笑ってもらうためにある訳じゃないですか。お芝居は流れももちろん大事ですが、ギャグシーンに関しては「笑わせたら勝ち!」みたいな気持ちでみなさんがアドリブを入れていた気がするんです。「どれだけ面白い言い方をしてみようか」とチャレンジしているような感じがして、アフレコ現場で笑いを堪えるのが大変なときもありました。

――自分もアドリブで返そうという気持ちも?

結川:ありました。ただ、時行にもギャグシーンはありますが、アドリブを入れる機会はあまりなかったかもしれません。

 

 

長い目で見たら、逃げたほうが最終的にいい方向に転ぶこともある

――ギャグシーンは演じていて楽しかったというお話でしたが、アフレコ現場は全体的にどんな雰囲気でしたか?

結川:私はまだ現場の経験が少ないので、他と比べてどうというお話をするのは難しいのですが、想像していたよりも張りつめた空気感ではないなとは感じました。

先ほどは1000本ノックを受けたなんて言いましたが、音響監督さんは私たちに寄り添った言葉で説明してくださり、よかったところは「いいね!」と言ってくれたりと、演じやすい空気を作ってくださりました。みんな集中はしているけれど、張り詰めて重たい感じではなかったので、私はすごくチャレンジしやすいなと感じていました。

――なるほど。

 

 
結川:あとはマイクワーク。私はコロナ禍に業界に入ったので、マイクワークの経験がなくて。ただ、ここ最近はマイクワークがクレッシェンドで多くなってきているんです。本作は特に合戦のシーンなどでは10人くらいがブースに入って、5、6人が入れ替わりでかけあいをすることもありました。ときには、一言で入れ替わらないといけないくらいの瞬発力が必要なこともあって。でも、みなさん生き生きとお芝居をされていたんです。それによってキャラクターも作品もより生き生きとしたと現場で感じました。先輩方はみんなすごいです!

――学びや気づきが多い現場なんですね。

結川:はい!

――お話のなかにあったように、本作は「逃げる」という言葉がキーワードです。結川さんは「逃げる」にどういう印象をお持ちでしたか?

結川:実は「逃げる」に対して、あんまりマイナスな印象は持っていなくて。しんどかったり、辛かったり、嫌なことがあったりしたら、逃げたほうがいいと思うんです。逃げたくなるようなことがあるのにその場に留まっていても、いい方向に進むとは個人的には思えなくて。これは本作に関わるまでもそう思っていましたし、本作に関わってからは「逃げることがカッコいいときもある」とも思うようになりました。

 

 

――素敵な考え方だなと思いました。私は「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」って気持ちが強い人間で……。

結川:逃げずに頑張っている人も悪いとは思わないですし、逃げないで立ち向かえる人は、それもまたカッコいいと思います! 勝負事では逃げたら勝てないことが多いと思いますし。ただ、長い目で見たら、逃げたほうが最終的にいい方向に転ぶこともあると思うんです。自分が満足できる、納得できるなら、逃げるという手段は決して悪いことじゃないと思います!

――結川さんの今の言葉に救われる人もいる気がします! 本日は色々とお話いただきありがとうございました。最後に、改めて本作の見どころや推しポイントを語っていただければと思います。

結川:見どころは何と言っても、時行の逃げるシーンの高揚感ではないでしょうか! 音楽・演出・画面の使い方などすべてで、時行の逃げる楽しさとカッコよさが表現されています。あとは、やっぱりギャグシーン。松井先生が描くギャグ顔が好きな方はたくさんいらっしゃると思いますが、アニメでもしっかりと表現されていますので、安心して見てもらえたらと思います。これから先もぜひ『逃げ若』を楽しんでください!

 
[取材&文・M.TOKU]

 

作品概要

逃げ上手の若君

◆放送情報
2024 年 7 月 6 日より毎週土曜日 23:30~TOKYO MX・BS11 ほかにて放送開始!

【放送局】
TOKYO MX 7 月 6 日(土)より 毎週土曜 23:30~
とちぎテレビ 7 月 6 日(土)より 毎週土曜 23:30~
群馬テレビ 7 月 6 日(土)より 毎週土曜 23:30~
BS11 7 月 6 日(土)より 毎週土曜 23:30~
MBS 7 月 6 日(土)より 毎週土曜 26:08~
RKB 毎日放送 7 月 9 日(火)より 毎週火曜 25:58~
長崎文化放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:18~
宮崎放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:26~
愛媛朝日テレビ 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:50~
HTB 北海道テレビ 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:55~
テレビ新潟 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:59~
中京テレビ 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 25:59~
北陸放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 26:00~
静岡放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 26:15~
大分放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 26:25~
IBC 岩手放送 7 月 10 日(水)より 毎週水曜 26:28~
テレビユー福島 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 24:59~
鹿児島放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:20~
琉球朝日放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:20~
さくらんぼテレビ 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:25~
東日本放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:31~
信越放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:42~
秋田朝日放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:50~
青森放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:54~
RSK 山陽放送 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:55~
広島テレビ 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 25:59~
テレビ山口 7 月 11 日(木)より 毎週木曜 26:00~
チューリップテレビ 7 月 12 日(金)より 毎週金曜 25:53~
熊本放送 7 月 12 日(金)より 毎週金曜 25:53~
テレビ山梨 7 月 12 日(金)より 毎週金曜 26:55~
アニマックス 7/27(土) 毎週土曜 20:30~
リピート:7/28(日) 毎週日曜 9:30~

【配信】
▼7 ⽉ 6 ⽇(⼟) 24:00〜 毎週⼟曜⽇ 24:00〜
Prime Video

▼7 ⽉ 9 ⽇(⽕) 12:00〜 毎週⽕曜⽇ 12:00〜
d アニメストア/d アニメストア/FOD/ABEMA/U-NEXT/アニメ放題/バンダイチャンネル/Hulu/Lemino/Netflix/TELASA
(⾒放題プラン)/J:COM STREAM(⾒放題)/au スマートパスプレミアム/milplus ⾒放題パックプライム/DMM
TV/WOWOW オンデマンド/アニメタイムズ/Disney+/
※配信⽇時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承下さい。

◆スタッフ
原作 : 松井優征(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督 : 山﨑雄太
シリーズ構成 : 冨田頼子
キャラクターデザイン・総作画監督: 西谷泰史
副監督 : 川上雄介
プロップデザイン : よごいぬ
サブキャラクターデザイン : 高橋沙妃
色彩設計 : 中島和子
美術監督 : 小島あゆみ
美術設定 : taracod/takao
建築考証 : 鴎 利一
タイポグラフィ : 濱 祐斗
特殊効果 : 入佐芽詠美
撮影監督 : 佐久間悠也
CG ディレクター : 有沢包三/宮地克明
編集 : 平木大輔
音響監督 : 藤田亜紀子
音楽 : GEMBI/立山秋航
音響効果 : 三井友和
制作 : CloverWorks

◆キャスト
北条時行 : 結川あさき
雫 : 矢野妃菜喜
弧次郎 : 日野まり
亜也子 : 鈴代紗弓
風間玄蕃 : 悠木 碧
吹雪 : 戸谷菊之介
諏訪頼重 : 中村悠一
足利高氏 : 小西克幸

◆イントロダクション
少年は逃げて英雄となる―――
鎌倉幕府滅亡から始まる一人の少年の物語
『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』の松井優征が描く、「週刊少年ジャンプ」で大人気連載中の歴史スペクタクル漫画がついにアニメ化!

鎌倉幕府滅亡の後、北条家の生き残り・北条時行が動乱の世を駆け抜ける!アニメーション制作は『ぼっち・ざ・ろっく!』などを手掛ける「CloverWorks」が担当、監督は『ワンダーエッグ・プライオリティ』で副監督を務めた山﨑雄太、シリーズ構成に『その着せ替え人形は恋をする』の冨田頼子、キャラクターデザインに『劇場版ポケットモンスター ココ』で総作画監督を務めた西谷泰史など奇才たちが集結し、美麗かつ迫力の映像で歴史の一片を紡ぐ!

◆プロローグ
時は西暦 1333 年、武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡する。
全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた幕府の正統後継者・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる
鎌倉を脱出するのだった......。逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく時行。
時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく。
英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方は――。

◆WEB
公式サイト:https://nigewaka.run
公式 X :@nigewaka_anime (推奨ハッシュタグ:#逃げ若)

◆原作情報
既刊1~16 巻 発売中(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)

 

(C)松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会
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