背中で見せるビオレと、行動で周りを巻き込む王野。間逆な二人が塔に挑む――『神之塔 -Tower of God-』ジュ・ビオレ・グレイス役・市川太一さん&王野成役・内田雄馬さん インタビュー
ビオレと王野はコンビを組んだら良い相性
――王野について、第2期で突如現れた新キャラクターという印象も受けました。第一話にて王野視点で話が進んでいくなかで、「この塔の王になる男だ」という台詞もありましたが、作中での王野の存在やポジション的な部分を内田さんはどのように感じられていますか?
内田: 役を演じる上ではキャラクターたちの役回りやポジションという部分を、キャラクター自身は意識しているわけではないので、そういう意味で僕らが狙って気にしすぎない方が良いところかと思いますが、王野は第2期に関して言えば、おそらく大事な存在、ストーリーテラーのような存在だと思います。ある意味、第2期を象徴するキャラクターなんじゃないかな。
王野はたまたまコミュニケーションが取れる人で、転けても泥を被っても前を進もうとする真っ直ぐな性格だから「この人を支えよう、王野だったら信じてもいいな」と思う人がたまたま集まり、たまたまこの仲間たちだった。
ひとりひとりが塔に登るために死力を尽くすというお話でもあり、みんなが同じように塔を登りたい理由があるので、そういう意味ではみんなが肩を並べていると思います。
――たしかに、そうですよね。改めてお互いのキャラクターの相性についてどうお考えですか?
内田:ビオレはめっちゃ怖かったですからね……(笑)。
市川:フフフ(笑)。そうですよね、第一話なんて特に全然しゃべらないですし。
内田:しゃべらないし、強いし、謎の存在ですよ!
市川:分からないことばっかりでしたものね。
内田:そういうところから始まっているので、むしろこんなに隣ではしゃいでいたらビオレからすると「鬱陶しくなかったんだろうか?」と感じたりもします。
――ビオレと王野たちの1対5で戦うシーンもありましたね。
市川:戦う以前に、もう(サバイバルゲームにて受験者を)ほぼ壊滅させていた状況での登場だったので、たしかに王野からしたら脅威でしかなかったと思います。
でも本当に王野とビオレは真逆の存在ですよね。ビオレはFUGとして王を倒すべき存在であり、王野は逆に王になると言っている存在なので、このままトントン拍子で行くと戦っちゃうんじゃないかなという気もします……(笑)。
内田:そんな予感もしちゃいますよね。
市川:だけど、ビオレは背中で見せるタイプ、王野は行動で周りを巻き込んでいくタイプなので、コンビを組んだら良い相性なんじゃないかな?
内田:お互いをカバーできる部分を持っているなと感じますね。
市川:あとはビオレを乗せれば……(笑)。
内田:乗せれば、か……難しいなぁ。
一同:(笑)。
――それでは最後に、本作の魅力をお聞かせください。
市川:第2期に入って、ガラッと登場人物も替わりました。この作品は登場キャラクターが多く、視聴者からすると何かしら刺さるキャラクターが一人はいるんじゃないかなって思います。そういうところから知っていただいて、作中で展開される伏線や各々が抱いている塔に登るための信念だったり、物語の深い部分にも触れてもらえると楽しいと思います。
シンプルに戦闘シーンが多く、その時の心理描写みたいなものが多く描かれているところも特徴です。第1期を見ていない方でも王野と一緒に同じ目線でいろいろな知識を得て楽しめるので、ぜひともご覧いただければと思います。
内田:今回は第2期ですが、それをあまり感じさせない物語の展開や、勢いを感じていただけると思います。僕自身も第2期から参加していますけど、一から全部追えている感覚のような。それくらい『神之塔』という作品の世界観は作り込まれているんですよね。収録している段階でそれがとても伝わってくるので、ぜひとも第1期を見たことがない、本作のスマホゲームをプレイしたことがないという方にも気軽に見ていただきたいです。
この作品のキャラクターは、各々、塔に登っていかねばならない理由があるんですけど、その中には結構キツい理由もあったりと、物語のハードな部分も見え隠れします。だけど、そういう状況で築かれていくコミュニケーションの中で、みんなで少しだけパーティーをしたり笑っていたりして、なんだかすごくホッとする一幕もあって。辛い中でも、みんなとひとつになった瞬間というのは、やはり心が救われると思います。
とにかく塔を登り切るぞという、強い信念を持つみんなの姿をぜひアニメで見届けていただきたいなと思います。
[取材・文/笹本千尋 撮影/MoA]
TVアニメ『神之塔 -Tower of God- 王子の帰還』作品情報
放送情報
TOKYO MX、サンテレビ、KBS京都、BS日テレにて毎週日曜23時から好評放送中
Amazon Prime Video、Netflix、U-NEXT、ABEMAほかにて毎週日曜23時30分から好評配信中
イントロダクション
衝撃的なラストシーンで幕を閉じた第1期から6年後、選別者にとって狭き門である20階に居たのは、何度脱落しても「塔の王になる」と挑戦を続ける男・王野 成(おうじ なる)。莫大な受験料のために借金を抱える王野は、最後のチャンスとして再び試験に挑戦し、そこで圧倒的な強さを持つ謎めいた長髪の男・ビオレと出会うが、ビオレは塔の支配者であるザハードに対抗する犯罪組織「FUG」のスレイヤー候補であった。
スタッフ
原作:SIU(「LINEマンガ」連載)
総監督:竹内一義
監督:鈴木 慧
シリーズ構成:吉田恵里香
脚本:吉田恵里香 宮本武史 吉﨑崇⼆
キャラクターデザイン:谷野美穂 北澤精吾 鹿島巧光
総作画監督:北澤精吾
美術監督:池田裕輔
美術設定:平澤晃弘
色彩設計:関根里枝子
撮影監督:富崎杏奈(アニモキャラメル)
編集:及川雪江
音響監督:山口貴之
音楽: Kevin Penkin
オープニングテーマ・エンディングテーマ:NiziU(ソニー・ミュージックレーベルズ)
アニメーション制作:アンサー・スタジオ
企画・プロデュース:SOLA ENTERTAINMENT
キャスト
ジュ・ビオレ・グレイス:市川太一
王野 成:内田雄馬
蓮 梨花:渡部紗弓
カナ:嶋村 侑
マナ:宮下早紀
虎助:松田健一郎
ホーン・アークラプター:白石兼斗
プリンス:河西健吾
ニア:阿部菜摘子
ライ:入江直樹
クン・アゲロ・アグネス:岡本信彦
ラヘル:早見沙織