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『神之塔 -Tower of God-』市川太一×内田雄馬インタビュー

背中で見せるビオレと、行動で周りを巻き込む王野。間逆な二人が塔に挑む――『神之塔 -Tower of God-』ジュ・ビオレ・グレイス役・市川太一さん&王野成役・内田雄馬さん インタビュー

webtoon作品『神之塔』(作者:SIU/「LINEマンガ」連載)を原作とする、TVアニメ『神之塔 -Tower of God-』。原作でも人気の「王子の帰還」「工房戦」が、TVアニメ第2期として2024年7月7日(日)より放送開始となりました。

本作は、“頂上へ到達すると欲しいものが何でも手に入る”と言われる「神之塔」へと向かった少女・ラヘルを追いかけ、塔に飛び込んだ主人公の少年・夜が、数々の試練に挑戦し、塔に隠された秘密に迫っていく様子を描いた冒険ファンタジー作品です。

第1期の6年後の世界を描いた第一話が放送され、圧倒的な強さを誇る「ジュ・ビオレ・グレイス」と塔の王になる男と宣言する「王野成」のキャラクターについて気になった方もいるのではないでしょうか。

そこで本稿では、第一話放送後のジュ・ビオレ・グレイス役・市川太一さんと王野成役・内田雄馬さんのインタビューをお届け。作品の奥深さに触れつつ、役作りで意識したことやお互いのキャラクターへの印象などを伺いました。

※本記事は第2期第一話までのネタバレを含みます

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神之塔 -Tower of God- 王子の帰還
衝撃的なラストシーンで幕を閉じた第1期から6年後、選別者にとって狭き門である20階に居たのは、何度脱落しても「塔の王になる」と挑戦を続ける男・王野成(おうじなる)。莫大な受験料のために借金を抱える王野は、最後のチャンスとして再び試験に挑戦し、そこで圧倒的な強さを持つ謎めいた長髪の男・ビオレと出会うが、ビオレは塔の支配者であるザハードに対抗する犯罪組織「FUG」のスレイヤー候補であった。作品名神之塔-TowerofGod-王子の帰還放送形態TVアニメシリーズ神之塔-TowerofGod-スケジュール2024年7月7日(日)〜2024年9月29日(日)TOKYOMXほか話数全13話キャストジュ・ビオレ・グレイス:市川太一王野成:内田雄馬蓮梨花:渡部紗弓カナ:嶋村侑マナ:宮下早紀虎助:松田健一郎ホーン・アークラプター:白石兼斗プリンス:河西健吾ニア:阿部菜摘子ライ:入江直樹クン・アゲロ・アグネス:岡本信彦ラヘル:早見沙織ミュール・ラブ:村瀬歩ラブデブル:杉崎亮シビス:江口拓也エンドロシ・ザハード:末柄里恵ノビック:笠間淳クン・ラン:寿美菜子エディン・ダン:林勇アップル:鷄冠井美智子ミカエル:丸岡竜馬卵丸:清水春那ウレック・マジノ:高橋広樹ファリョン:日笠陽子真田...

物語は第1期の衝撃的なラストから6年経った世界

――第1期放送から約4年が経ち、今回第2期がスタートしますが、アニメ化が決定した際の市川さんの心境をお聞かせください。

ジュ・ビオレ・グレイス役:市川太一さん(以下、市川):第2期が作られることを知ったのは、たしか2年くらい前だと思います。その時はすごく嬉しかったですね。

というのも、第1期のシナリオは『神之塔』全体を通してみて、“プロローグ”的な位置付けなのかな?と思っていて。本当にこれからが作品として盛り上がっていくところなのに、この先をどうにか演じさせていただけないか、と思っていた矢先に第2期の放送が決定したので、とても嬉しかった思い出があります。

――第1期のラストがとても衝撃的でしたものね……。

市川:あそこで終わってしまうと視聴者としても悲しい気持ちのまま終わってしまうので、この先をアニメでも描いてほしいという思いがようやく叶いました。

――内田さん演じる「王野成(おうじ なる)」は今作からの登場となりますが、ご出演が決定した際の心境をお聞かせください。

王野成役:内田雄馬さん(以下、内田):オーディション自体はかなり前で、おそらく市川くんが第2期の決定を聞いた時と同じくらいには決まりました。

決定してからは、いつアニメが始まるんだろうなとワクワクしながら待っていたんですけど、第1期で空気感ができあがっている現場も多いので第2期からの参戦はドキドキしました。しかし、第1期のラストはみなさん知っての通り大変なことが起きていて……。

一同:(笑)。

内田:現場に行ってみたら第1期のキャストさんたちがあまりいなくて、何があったんだと……(笑)。

市川:本当に(笑)。

内田:視聴者の方々も第1期のラストに驚愕して終わっていたところだと思います。作中でもかなり時が経っていることもあって、『神之塔』第2期の空気感を改めて1から作っていけたらいいなと思えました。そのおかげか、あまり気負わずにお芝居ができたことも覚えています。

――それでは、おふたりが演じるキャラクターの内面的な部分や演じていく中で意識した点を教えてください。

市川:僕が演じるビオレは、「誰とも強い関わりを持たないように生きていこう」という気概を感じる生き方をしているので、冒頭は本当に心を閉ざしていまして。だからなるべく、人に対する興味関心を殺し“無”になるところから役作りを始めました。

お芝居は会話がメインなので、普段は投げかけられたものを返していくんですけど、今回はそのキャッチボールを放棄して他人に対する関心を全て切り捨てていく作業を頑張りました。

内田:王野は(ビオレとは)対照的な感じで、いろんな人と交流もするし、ちょっと言葉遣いとか風貌も相まってやんちゃな感じもしますが、根の部分は結構真面目で熱く善良な部分もあるので、すごく優しいところもあったりします。

ですが、塔に登るとなった時に、その甘さを捨てなければいけなかったり、自分の中の優しさと非情にならないといけない部分のぶつかり合いの合間で、ぐぬぬとなる瞬間もあるんです。

市川:(頷く)

内田:物語が始まってからは「行くんだ、俺は上に!」という意志で前に強く踏み出したりする瞬間があって、その姿が本当に泥臭いくらい先に進むんだという意志を見せてくれます。

こういうパワーがあるキャラを演じるにあたって、自分も追い付いていかないといけないというか。これは物理的な話になるんですけど、へたれないように自分自身も身体を鍛えたりしています(笑)。

王野の気持ちになるために、というよりは単純に台詞にパワーがあるので、物理的に身体にもパワーがないとできない役だなと思っていて。結構、気合を入れて臨んでいます。

――役作りのためにも、筋トレをされているんですね。

内田:以前から筋トレはしていましたが、より頑張ろうと。本当にキャラクターのパワーがすごいんです!

市川:たしかに(笑)。

内田:(王野は)声を張る瞬間も多い人なので、自分も頑張らなきゃなというのを王野を通して思いました(笑)。

――収録に関してなのですが、おふたりの収録はご一緒でしたか?

内田:結構多いよね?

市川:一緒のことが多いですね!

内田:ね!

――そうだったんですね。収録でのディレクションや印象的なエピソードがありましたらお聞かせください。

市川:先ほど、周りに対しての関心を無くしていくというお話をしましたが、お芝居をする上でつい会話をしてしまう時があるんです。ですが、そこはやっぱり冷たい感じで、「会話にならなくてもいいから、相手にしないようなニュアンスで台詞を入れてください」というディレクションを前半の方は何度か受けましたね。

内田:たしかに、ビオレは感情を見せないというか、あえて閉ざしているような人だけど、そこを表現するのはすごく難しいところなんだよね。

市川:そうなんですよね。ニュアンスを入れつつ、相手への関心も無くしていくところで、めちゃくちゃ最初の方は苦労しましたね。

内田:相手の言葉をきちんと聞いてそれに応えようとするのは、元々の市川くんの優しさでもあるよね。

市川:あはは(笑)。

内田:丁寧なアプローチをされているなと、隣で見ていて思います。

――一方、内田さんはどのようなディレクションを受けたのでしょうか?

内田:王野はもっと大きくやってほしいと。バーンっと爆発する時は爆発しても良いと、最初にディレクションをいただきました。だから「これはもう思いっきりやったほうがいいな」と、それでちょっと覚悟を決めて……体力が必要だと。

――先ほどの筋トレの話に繋がるんですね。

内田:はい。作中で起きている出来事だったりとか、やっていることが派手だったりするのですが、そういうことに対してかなりエネルギッシュな表現で演じさせていただいている感覚はありますね。

僕はあまりそういう感じのアプローチを自分から持っていくことはなくて、わりと(表現を)大きくしすぎないように考えることが多いんですけど、この作品は、特に王野に関しては、メリハリをつけて大きくガッツリ演じても良いとのことで、勢いをつける時はつけるし、しぼむ時はしぼむし、みたいな。チャレンジでもあり、楽しい部分でありつつ、頑張りどころでもありました。

――お芝居での役作りの方向性としても、真逆だったと。

市川:真逆ですね。王野は第一話のテストから本番の収録で180度くらいお芝居が変わっていた印象です。

内田:(笑)。たしかにそうですね。ニアと話す時は、ラーメンを一緒に食べたり、約束をしたりと距離感が近かったので、優しさが見えるお芝居でもいいよなと思ったんですけど、それよりはなんかこう……。

市川:「気の良いお兄ちゃん」みたいなね!

内田:そう! もっと気さくで良いよ、と。

市川:だから、(テストを経た本番の収録で)めちゃくちゃ親しみやすくなったんです。

内田:バーンと話すけど、相手のことをそんなに気遣いすぎなくて良いよって。それが王野なりの相手とのコミュニケーションの仕方なんです。

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