音楽
直田姫奈が『My Truth』で紡ぐ序章と歌に込めた湿度【インタビュー】

『My Truth』は、物語が繋がる全3部作の第2部。うごめく感情を表現した歌い方で「湿度の高い歌にできた」ーー直田姫奈さん 2ndデジタルシングル&1stライブ振り返りインタビュー

ライブ、楽曲制作で直田さんを支えるリアジュボーンの存在に「すごく心強かったです」

ーーリハーサルなども含めて、ライブの準備という点ではいかがでしょう?

直田:個性が強い曲のぶつかり合いでもありましたが、リハーサルは2、3回しかなくて。もちろんリアジュボーンのみなさんは、合わせて練習されるタイミングはあったと思いますが……私が参加できたのはゲネプロを含めて3回でした。

その中で、(リアジュボーンのみなさんから)「好きにやっていいよ」と言っていただいたので、「この曲はどうやって盛り上げよう」「棒立ちになったらよくないな」とか、悶々と考えていましたね。

ーー課題やタスクを与えられるより、「ご自由にどうぞ!」「セルフプロデュースしてください!」って言われる方が難しくないですか?

直田:そうなんですよ! 難しいんですよ!! 色々なアーティストさんのライブ映像を見て、「こうしたらいいのかなぁ」と考えていました。私、本当に振り付けとかが苦手だから……(笑)。

そうして悩んでいたときは、インストを聴いて、どの楽器に合わせたらいいリズムが取れるのか、曲ごとに縦揺れなのか横揺れなのかをイメージすることが多かったです。

ギターを弾くことになって緊張はあったのですが、弾いていないときの立ち振る舞いや、どうやってギターを揺らしたらいいのかもわかって、最終的にギターを持っていた方が堂々とできるんだと発見しました! これは私も予想していなかった……。

ーーたしかに、ライブ経験で言えばギターを持っていることの方が多いですものね。

直田:そうですね。なので、演奏で参加した3曲は、ギターに救われたなと思います。

ーー他に難しかったり苦戦した曲はありますか?

直田:体力的に言えば「レスピラールの花束」です。自分の体力を考えずに頑張っちゃったなと(笑)。この曲にかかわらず、私は楽曲のイメージが映像として浮かぶタイプなんです。それで、この曲を聴いたときに、ぴょんぴょんしながら歌うのが可愛いだろうと思って、本番も頑張ってみたのですが……しんどかったですね(苦笑)。

歌も難易度が高いのに、それにあわせて跳んでしまったので、体力不足を痛感しました……。跳ぶのはこの曲だけにしようって思いましたね(笑)。

あと、体力面じゃなくて技術面で言えば、『好きだった』を歌うのは難しかったです。なんだかAメロとBメロが特に難しくって……。

ーーどういう部分がネックになったのでしょう?

直田:私はレコーディングをするときに、一度キーチェックをして持ち帰って、別日に本番収録をするんですけど、(キーチェック時は)この曲が一番下手くそだったんです……(笑)。過去に色々な曲をやってきて、キーチェックはそつなくこなせていたのですが、初めて「大丈夫か、コレ……」と思った曲でした。

その不安を経てレコーディングに臨んだ曲だったので、ライブで披露するのは結構ドキドキしました。だから、浅井さん(リアジュボーンのギター・浅井真さん)にちゃんと言いました、難しかったですって(笑)。

ーー度々お話に挙がるリアジュボーンのみなさんは、直田さんのアーティスト活動において大きい存在かと思います。楽曲の制作やライブの際には、どのようなやり取りをされているのでしょうか?

直田:ベースの西川(響)さんと、ドラムの柴田(尚)さんと初めてお会いしたのは、実はリハーサルが始まってからなんです。ずっと作曲や編曲でお世話になっているものの、最初は人見知りを発動しまして……お仕事の話以外だと、ほとんど喋れずに帰ってきたんですけど……(笑)。

――(笑)

直田:言わずもがな、みなさんプロの方ですし、曲も作ってくださっているので、私は心配することなくライブに挑めました。すごく心強かったですね。

例えば、かき回し(※)をやるとなったときに、今までは合わせるポジションだったこともあって、私が合図を出すのが下手くそで……。自分で舵を取るのが初めてだから、どうやるんだろうと悩んでいたときも、ドラムの柴田さんが「大丈夫だよ!」って合図を送ってくださって。どんなに不慣れな「せーの!」でもバシッと決めていただけたので、安心してかき回すことができました。

(※)曲の終わりに、すべてのパートが最後の音を伸ばしたり継ぎ足したりするなどして、盛り上げること。音を止めるタイミングはリードボーカル(今回は直田さん)が合図を出すことが多い。

ーーとても安心感がありますね。

直田:そうなんです! ライブの演奏中では、ベースの西川さんが誰よりも動いていらっしゃって。かと思えば反対側の浅井さんは職人の如く弾いてらっしゃって(笑)。御三方を見ているのがすごく楽しくて、一緒にやるのも心強いし、見ているのも楽しいし……改めてリアジュボーンのみなさんとご一緒できて良かったなって実感します。

やり取りは、ライブのあとの方が多いかもしれません。(リアジュボーンのみなさんから)「一緒にライブができて、楽しかった」と言っていただけて嬉しくもあり、安心もできました。「大変なだけだった」と思われていたら、やっぱり申し訳ないので……。

あと、歌とギターも褒めてくださったんです! 自信にも繋がりましたし、今後のライブはこうしてみたいっていう気持ちも芽生えて、背中を押していただきました。「直田姫奈」単独名義ではなく、「直田姫奈 with リアジュボーン」のような形で1stライブが仕上がったんだなと。

もし、次の機会があるなら、リアジュボーンのみなさんとご一緒したいですね。次はもうちょっと喋れると思う……(笑)。

ーー自信があまりなさそうですが……(笑)。でも様々な面で手応えを感じられて、先々の目標も見えた1stライブになったんですね。

直田:そうですね! 私もファンの方々も手探りだった中で「直田姫奈のライブはこうなんだ!」と、ビジョンが見えたと思います。とはいえ、内容としてはまだ完成形ではないと思っているので、もし次のライブがあるとすれば、今回の1stライブはプロローグに近い立ち位置になるんじゃないかなと。次はもっとガッチリとお互いに手を組めたらいいなと思っています。

ーーお客さんにとっても、今回初めて披露された楽曲の準備をしてから臨めますね。

直田:「直田はこういう曲を歌っているから、きっと君も好きだと思うよ」という布教も、ファン同士でしてくれたら嬉しいですね。実際にファンの方から、「友達に『ラベンダー・ブルー』を聴かせたら、アニメや声優に詳しくないのに関係なくハマっていました」という声をもらったんです。

ーー“アーティスト・直田姫奈”として好んでくれる人がいるって嬉しいですよね。

直田:はい、直田姫奈のことを知らない人にも、曲が届いていることが嬉しいですし、本当にありがたいです。それに私の曲は「デビュー間もなくこんなに恋愛ソング歌ってる人いるのか?」というくらい、ほぼ恋愛ソングなので(笑)、布教の取っ掛かりになりやすいのかなと。

ーーしかも色々な方面で湿度の高い曲ですよね(笑)。

直田:そうなんですよ! 今のところ、可愛くてピュアではない恋愛ソングを網羅していて(笑)。声優っぽい曲というより、J-POPという印象を受けると思います。というのも、ピュアな恋心を歌った曲をあまり聴いてこなかったんです。もちろんハッピーな曲も好きですよ!

――前回のインタビューでは、学生時代からYUIさんが好きとおっしゃっていましたよね。

直田:そうですね、YUIさんも結構湿度が高めな曲が多いので。そういう曲が馴染んでいるのもあるし、好みなんだと思います。なので、失恋ソングもすごく元気なときに聴いたりします!

ーージャンルとしてお好きなんですね。

直田:失恋ソングを聴いて切ない気持ちになってから、仕事に行くこともあります(笑)。情緒は引っ張られないので、あくまで曲を聴いている間だけ。ひとつのアニメを見るような感覚で失恋ソングを楽しんでいます。

<次ページ:『My Truth』は、「今までのどの曲よりもダーク」。でも「言葉遊びがすごく面白い曲」>
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