音楽
直田姫奈が『My Truth』で紡ぐ序章と歌に込めた湿度【インタビュー】

『My Truth』は、物語が繋がる全3部作の第2部。うごめく感情を表現した歌い方で「湿度の高い歌にできた」ーー直田姫奈さん 2ndデジタルシングル&1stライブ振り返りインタビュー

『My Truth』は、「今までのどの曲よりもダーク」。でも「言葉遊びがすごく面白い曲」

ーーそんな1stライブでも披露された『My Truth』が、満を持してリリースされるわけですが、どのような経緯で生まれたのでしょうか?

直田:『ラベンダー・ブルー』を録ってから、私が好きな音楽についてスタッフの方と喋っていたんです。そのときに、物語性があって曲同士が繋がっている歌が好きだと話していたら、じゃあそういう曲を作ろう!という流れになって。『ラベンダー・ブルー』と繋がる曲なので、引き続き作詞も金子(麻友美)さんにお願いをして『My Truth』が出来上がりました。

本当はこのシリーズは全3部作なんですけど、『ラベンダー・ブルー』のリリース時はまだ世に出ていないタイミングだったので、なかなか言えなくて……。だから、今回『My Truth』が解禁されることによって、「実は『ラベンダー・ブルー』って3部作の曲で、過去の話が『My Truth』です!」って公言できるようになりました。

ーーなるほど、しかも『My Truth』から『ラベンダー・ブルー』に繋がっていくんですね……!

直田:繋げちゃいました。超、繋がってます(笑)。時系列で並べるなら、『My Truth』→『ラベンダー・ブルー』→『ばっかだな』の順になっています。続けて聴いたらすごいぞ!っていう3曲です。

ーー『My Truth』が物語の起点だと考えると、相乗効果で湿度がだいぶ高めになるというか……(笑)。

直田:ジメジメしてますよ!(笑) 今までのどの曲よりもダークで、モヤモヤするような曲になっているのですが、韻が踏まれていたり、同じ言葉でも表現の仕方が違ったりして、言葉遊びがすごく面白い曲になっています。

歌詞も『ラベンダー・ブルー』で失恋した原因がここで描かれていますが、まだそれを認識したくない段階なんです。恋愛ソングだけど、恋愛だけを語っているのではなくて。真実が大事なのはわかるけど、知ったことで自分が傷つく・不幸になることって、日常に潜んでいる闇だと思っています。みなさんにも、知りたくない真実に直面する場面があるのではないでしょうか。そういうときに聴いたら、共感してもらえるのではないかと思います。

ーーある意味で、みなさんの日常にも寄り添うような楽曲ですね。

直田:そうですね! 仲間いるよ!って(笑)。

ーー歌詞の中の<きっと傷かれないと 思ってるでしょう>の“傷”も、『ラベンダー・ブルー』のような要素が含まれていて。作詞を担当された金子さんならではの表現ですよね。

直田:ここぞとばかりにダブルミーニングをかけていますからね。私はBメロの<枝分かれした感情線と どこにも着けない環状線>の部分がすごく好きなんです。しかもこの直後の歌詞で、ラベンダー・ブルーのアイシャドウは、この人のために初めてパッケージを開けたことがわかるので……すごいですよね。

ーーそもそも、こういう3部作は、「出会う→付き合う→今幸せです!」みたいな流れがオーソドックスかなと思うんです。でもゼロどころかマイナスからのスタートという……(笑)。

直田:楽しい部分は描かないんだ……って、思いますよね(笑)。

――だからこそ引き込まれるような魅力も感じます。しかも3部作というスケールですから。

直田:この3部作は、失恋の原因がわかって、立ち直りかけて、数年後はこうなっている、といった流れなので、ちょっとオトナなドラマを見ている気持ちになれると思います。

ーー曲の内容とも相まって、歌い方も『ラベンダー・ブルー』から大きく変わりましたよね。

直田:『ラベンダー・ブルー』に続いているから同じテンション感で歌うことも考えましたが、曲調に合わせてガラッと雰囲気を変えました。普段は言葉がはっきり聞こえるように歌うことが多いのですが、Bメロではねっとりと一本に繋げて歌い切ったりしてみました。そして、笑顔を浮かべず歌いました……(笑)。

ーー感情を込めると必然的にそうなりますよね(笑)。レコーディングの手応えはいかがでしたか?

直田:Aメロがすごく難しかったです。普通に歌うと単調になっちゃってつまんないと思っていましたが、雰囲気を落とし込んで歌えたので、個人的には良かったかなと。

あと、2番のAメロが終わったあとの間奏が、長めですごくグルグルとしているんです。誰がどんな音を弾いているのかわかりにくくて、チグハグなリズムが、うごめく感情のように聞こえたので、その演奏とマッチするような湿度の高い歌にできたんじゃないかなと思います。

ーー特に2番は、曲の構成も特殊ですよね。今お話しいただいた間奏が終わった直後に展開されるフレーズでは、1番のBメロとは異なる旋律が用いられていたり。

直田:型にはまっていない構成ですよね。実は間奏の部分で拍子が変わるんですけど、さらに間奏の最後に、1/4の一小節ができるんです。四分音符がひとつ入って、歌が始まるという構成なので、リズムが取りにくいんですよ。その一小節を経て歌い始めるのが、意外と難しいんです。

でも、その一小節で、切り替えているんだと思います。(真実を)見ようとしていた心を、一度閉じるみたいに。そういう意図があるからこそ、変わった構成になっているのかなって。

ーー今、教えていただいて初めて気が付きました……!

直田:私も最初、譜面を見ていたのに間奏の最後の一拍に気がつかなかったんです。ドラムをよく聴いているのにズレるな……と思っていたら、一小節があって。それから意識するようになりました(笑)。西川さんが、すごく面白い曲を書いてくださいました。

ーーまた、今回のレコーディングでも、ギターとして参加されていますが、いかがでしたか?

直田:レコーディングで弾いたところをライブでも弾きましたが、カッティングが上手にできれば、ギター単体の演奏はそれほど難しくないんです。だけど、歌とギターが同時だと難しくて。ギターに集中すると、歌が飛びそうになってしまうので、ライブで改めて難しいなって実感しました(笑)。

また、ギターに関して言えば、サビが終わって2番のAメロに入るちょっとした間奏とか、歌わずに弾いているギターパートが一番楽しかったです。

ーーそして、『ラベンダー・ブルー』と同様に、『My Truth』のリリックビデオも公開となりました。

直田:リリックビデオを見ながら聴くと、余計に切なさが増すというか……。こちらもストーリーをつなげるために『ラベンダー・ブルー』と同じく、つかたさんにイラストを描いていただいたのですが、(鮮やかな絵柄に対して)内容はエグいです(笑)。

色々な解釈があると思いますし、聴いているみなさんも色々なストーリーを想像しているはずなので、リリックビデオはひとつの正解として見てもらいつつ、その上でそれぞれ好きに(ストーリーを)描いてもらいたいと思います。



ーー少し前にお話に出ましたが、3作目の『ばっかだな』も控えていますからね。この先の物語が一体どうなるのか、楽しみでもあり、怖いもの見たさのようなものもあり……(笑)。

直田:「うわー!」ってなると思います! なってほしい!(笑) 『ばっかだな』は、私が一番「ヤバい!」と思う曲なので、覚悟して待っていてほしいです。

ーーそして、リリース後もミニライブやお渡し会、1stライブの上映会など、様々なイベントが控えています。

直田:お客さんも、すべての曲を1度か2度しか聴けていないと思うので、形式は問わず聴けるチャンスをお届けできればと思っています。また、今年はリリイベをたくさんさせていただきましたが、みなさんとお会いしたり、曲の感想を直接教えてくれる場は活力になるので、今後も続けられたら嬉しいです。

でも、やっぱり一番やりたいのはライブでしょうか。きっと次は、私もお客さんも完成形が見えていると思います。私自身、1stライブを経験したことで、「次はこうしよう」「こうしてみたい!」というイメージが見えてきたので、レベルアップしたライブが作れたらいいなと思います!

ーー楽しみにしています! 今回もありがとうございました!

[インタビュー/鳥谷部宏平 文/西澤駿太郎]

2nd デジタルシングル『My Truth』リリース情報

日時:2024年7月24日(水)
商品番号:COKM-45166【配信限定】
作詞:金子麻友美
作曲:西川響
編曲:リアジュボーン

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